「棚からぼたもち」の正しい使い方。意味や由来についても学ぼう

棚からぼたもち」とは、臨時収入や贈り物を思いがけない状況でもらったようなときに使う言葉です。正しく使うことで、会話をより豊かなものにできるでしょう。「棚からぼたもち」の意味や由来を解説し、類義語や対義語も紹介します。

棚からぼたもちとは?

予想もしなかった幸運が舞い込んでくることを「棚からぼたもち」といいます。なぜ「棚」と「ぼたもち」なのか、言葉の由来も覚えておきましょう。

「棚からぼたもち」の意味

「棚から牡丹餅(ぼたもち)」とは、「苦労なく思いがけず幸運に出会う」という意味のことわざです。日常会話では「たなぼた」と略されることもあります。

何もしていないのに素敵な物をもらったり、予想もしなかった場面でラッキーなことが起こったりしたときに使います。

「たいして苦労していない」「思いもよらない状況」「自分にとって良いことが起こる」の三つが、意味を捉える上でのポイントです。

「棚からぼたもち」の由来は?

棚の下で寝ていたところ、ぼたもちが何かの拍子で落下し開けていた口の中に入ったという昔話が、「棚からぼたもち」の由来とされています。

ぼたもちとは、春のお彼岸にお供えする餅を小豆などでくるんだお菓子です。かつて、ぼたもちのような甘いお菓子は庶民にとっての贅沢品でした。そこから、労せずして良いものを手に入れた様子を表す言葉となっています。

ぼたもち。おはぎとの違いは諸説あり

 

また、棚とは食器棚のようなものと考えられることから、「あるはずのない場所からぼたもちが出てくる=思いがけないことが起こる」という意味も暗に含んでいます。

棚からぼたもちの使い方

予想もしてない場面でお金や贈り物をもらうこと⇨「棚からぼたもち」

 

予想もしていない場面でお金や物が手に入った場合に、「棚からぼたもち」がよく使われます。具体的な使い方を、例文で確認していきましょう。

臨時収入があったときの例文

思いがけない場面で苦労せずに臨時収入を手にしたときになどに、以下のようにして使います。

  • 10年ぶりにスーパーで伯父とばったり遭遇し、お小遣いとして1万円もらった。棚からぼたもちとはまさにこのことだ
  • 棚からぼたもちといえば、先日部屋の片づけをしていたとき、本の中に挟んだまま忘れていた1万円を偶然見つけた

贈り物をもらったときの例文

思わぬ贈り物をもらった場合は、以下のように使います。

  • 九州に旅行中の親から、頼んでない名産品の詰め合わせが送られてきた。まさに棚からぼたもちでうれしかった
  • 間違えて2個買ってしまったと、親戚から冷凍のカニを譲ってもらった。妻からは「たなぼただね」と言われた

記念日や季節の節目など、あらかじめ贈り物をもらえることが予想されるケースでは、「棚からぼたもち」は使わないほうがよいでしょう。

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似た意味を持つ類義語

「棚からぼたもち」に似た意味の言葉としては、「鴨が葱を背負ってくる」「勿怪の幸い」が挙げられます。それぞれの意味や読み方、「棚からぼたもち」と使い分けられるように意味を解説します。

鴨が葱を背負ってくる

「鴨(かも)が葱(ねぎ)を背負(しょ)ってくる」は、「都合の良いことが重なり、ますます望ましい状況になること」を意味する言葉です。「鴨葱(かもねぎ)」とも略されます。

「鴨が葱を背負ってきたら、その鴨を捕まえるだけで鴨鍋ができる」という状況から生まれた慣用句です。利用する人や物が、さらに好都合な状況を呼び込むことを意味する言葉としても使われます。

鴨という言葉は「だましやすい人」という意味でも使われるため、好都合な事態を呼び込んだ人に直接使わないようにしましょう。

勿怪(もっけ)の幸い

「勿怪(もっけ)の幸い」は、「予想もしない幸運が舞い込んでくること」を意味する言葉です。

勿怪とは、死霊や生霊を指す「物の怪(もののけ)」のことであり、時代を経て「思いがけないこと」という意味でも使われるようになりました。

  • 両親が急に思い立って温泉旅行に出かけたのは勿怪の幸い、今夜はうちに集まって飲み明かそう

のように使用します。

反対の意味を持つ対義語

「棚からぼたもち」と逆の意味を持つ言葉にはどんなものがあるのでしょうか? ことわざのバリエーションが増えれば会話をより豊かにできますので、ここでは対義語を二つ紹介します。

蒔かぬ種は生えぬ

「蒔(ま)かぬ種は生えぬ」は、「原因がなければ結果も出ない」「努力しなければ良い結果は得られない」という意味の言葉です。以下のように使います。

  • 営業成績が芳しくなかった彼が、今月は会社でトップに立った。蒔かぬ種は生えぬ。陰で相当努力したのだろう

類義語には、「打たぬ鐘は鳴らぬ」「物が無ければ影ささず」「春植えざれば秋実らず」などがあります。

虎穴に入らずんば虎子を得ず

「虎穴(こけつ)に入(い)らずんば虎子(こじ)を得ず」は、「リスクを冒さなければ大きな成果は得られない」という意味の故事成語です。

「成功を収めるためには困難を乗り越えなければならない」「楽して成功を勝ち取ることは難しい」という意味を表したいときにも使われます。

このことわざは、中国の歴史書である「後漢書(ごかんじょ)」の「班超伝(はんちょうでん)」という章に、武将が兵士を鼓舞する言葉として登場しています。

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意味を理解して正しく使おう

棚からぼたもちとは、「苦労もせずに思いがけない幸運に出会う」という意味の言葉です。予想もしない場面で、臨時収入や贈り物を手に入れたときに使います。「鴨が葱を背負ってくる」「勿怪の幸い」といった類義語の意味も理解し、適切な場面で正しく使うようにしましょう。

文・構成/HugKum編集部

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