【発達障害の子の小学校入学】学習につまづかない「ノート・日記・下じき」選びで工夫しよう!

目次お手本をうまく書き写せない子のための「カラーマスノート」色や線を手がかりにすると書きやすく、整った文字が書けます。小児科医と言語聴覚士が治療のために考案発達障害当事者100人の声から生まれた、目にやさしいノート「mahora(まほら)」発達障害のクリニックの小児科医が開発した日記がスラスラ書ける「ひとこと日記帳」不安定な筆圧をサポートする「魔法のザラザラ下じき」道具で発達を応援するネットのお店tobiraco(トビラコ)の店主が、発達障害の子の「困り感」を解決する道具をご紹介します。今回は、学習編のその1。ここ数年、発達障害にかかわる専門家や発達障害当事者たちの声から生まれた学習用品に注目が集まっています。今回ご紹介するのは、ノートと下敷き。毎日使うノートや下じきこそ、発達障害のある子が使いやすいものであってほしいですよね。 目次お手本をうまく書き写せない子のための「カラーマスノート」色や線を手がかりにすると書きやすく、整った文字が書けます。小児科医と言語聴覚士が治療のために考案発達障害当事者100人の声から生まれた、目にやさしいノート「mahora(まほら)」発達障害のクリニックの小児科医が開発した日記がスラスラ書ける「ひとこと日記帳」不安定な筆圧をサポートする「魔法のザラザラ下じき」 お手本をうまく書き写せない子のための「カラーマスノート」 お手本の文字を見ても、「マスのどこから書き始めたらいいのかがわからない」。 読み書きに困難を抱える子の中には、お手本通りに書くことを苦手とする子がいます。このような子どもたちにおすすめしたいのが「カラーマスノート」です。 マスの色を手がかりに書き写せるノート   「カラーマスノート」は、1マスが、空色、黄色、ピンク、緑色の4色のパステルカラーに分割されています。カラーマスに書かれたお手本の文字を見ながらマスの色と線を頼りに書き写すことができます。 たとえば、「あ」という文字。空色から黄色に向かって横線、次に空色からピンクへ縦線、というように。         漢字の練習も、カラーマスを使った場合と使わなかった場合ではこんなに違います。       色や線を手がかりにすると書きやすく、整った文字が書けます。小児科医と言語聴覚士が治療のために考案 お手本通りに書き写すことができない理由のひとつは、脳の視覚認知にかかわる部位になんらかの不具合があるからだそうです。カラーマスノートは、視覚認知に着目して小児科医と言語聴覚士が考案しました。 考案した高知大学医学部附属病院小児科の脇口明子先生は、カラーマスについて次のように語っています。 全校の15 %の子が、読み書きに困っている 「カラーマス」は読み書きが苦手な子ども達のために、私と永江拓朗言語聴覚士が考案した治療法です。即効性があるのが特徴です。 私は、全校児童・生徒を観察する機会が多いのですが、読み書きに困っている子どもたちは、実は約15 %もいます。発生機序(注:因果関係)には諸説ありますが、視覚認知の「背側経路」という動きや三次元の視覚認知に関わる経路の具合が悪いことが、読み書きの苦手な子どもたちには多いことを経験しました。そこで、問題のない二次元の線や色の視覚認知に関わる「腹側経路」を鍛えようという発想で作成したのが「カラーマス」です。 色と線を意識することで、文字を正しく認知 「カラーマス」は4色で構成したマスですが、色と線を意識しながら、お手本と全く同じ位置に字を書きます。これを繰り返すことで、字を正しく認知することが可能になります。ポイントは、正確に書くことです。適当に書くことは、トレーニングになりません。1文字、2文字でもよいので、正確に書き写すことを毎日続けることが重要です。 目的に合わせて使いわける マスからはみ出さないためのトレーニングの時には、少し適当でもかまいません。目的に合わせ、お使いいただければよいのですが、目的をはっきりさせることが重要です。「カラーマス」の字の隣に関係するイラストを書いてみるのも有効です「心像性効果」と、言います。字を覚えやすくなります。 お手本はお父さん、おかあさん、学校の先生などどなたが書いても良いのですが、一緒に作業することで、仲良しになれることも効果のひとつです。また、書き方を言葉で説明しやすいのも、「カラーマス」の特徴です。 これまで多くのこどもたちの言語療法に使用してきましたが、その効果に驚いています。もし、うまくいかないときには、使い方が誤っているかもしれませんので、再度使用方法をご確認ください。 もちろん、より美しい字を書くためのトレーニングとして使うことにも、役立ちます。   高知大学医学部附属病院小児科 脇口明子 カラーマスノート監修者序文より カラーマスノートには、お手本の文字が書かれた「ひらがなれんしゅう」「カタカナれんしゅう」「いちねんせいのかんじ」、お手本のない「練習帳」があります。 脳科学に基づいた「カラーマスノート」。読み書きに困難を抱えている子だけではなく、書き方の教室でも使われています。色や線を手がかりにすると書きやすく、整った文字が書けるからです。   カラーマスノート  サイズ A4(W:210×H:297㎜) ページ数 22ページ(マスのあるページ) 「カラーマスノート ひらがなれんしゅう」はひらがな、「カラーマスノート カタカナれんしゅう」はカタカナ、「いちねんせいのかんじ」は漢字のお手本文字つき 1マス40×40mm  「カラーマスノート 練習帳」はお手本文字なし 1マス26×26mm 監修 脇口明子(高知大学医学部附属病院小児科) 価格 5冊セット 1650円(税込) tobiracoでは1冊 330円(税込)から販売  発行 一般社団法人日本医療福祉教育コミュニケーション協会 *「カラーマス」は商標登録済。登録第5754619号   発達障害当事者100人の声から生まれた、目にやさしいノート「mahora(まほら)」 視覚過敏のある子にとって真っ白なノートは、反射が強く感じられて目が疲れます。ノートの罫線も目がチラチラしたり、書いているうちにいつのまにか行が違っていたり、ということもあります。 「mahora」は、発達障害の当事者100人から聞き取って、これまでの使いづらさを改善したノートです。目にやさしく、すみずみまで配慮が行き届いています。 目にやさしい色と罫線 白がまぶしいと感じる点は同じでも、ではどの色なら使いやすいかとなると、人それぞれ。「mahora」は、レモン・ラベンダー・ミントの3色。発達障害当事者たちが、まぶしさが気にならないとして選んだ色です。     行の変わり目がはっきりわかる工夫 もうひとつ、目にやさしい工夫として行の識別のしやすさがあります。同じ太さ(細さ)で罫線が引かれていると、行が見づらく、目がチラチラしたり、読んだり書いたりしているうちに行がズレたりすることがあります。 mahoraは、この点にも配慮。罫線のあるタイプとないタイプの2種があります。罫線のあるタイプは、太い線と細い線を交互に引いているので行の変わり目がはっきりしています。 また、罫線なしタイプは、罫線のかわりに太くあみかけして行を識別できる「あみかけ横罫」です。罫線にとらわれないので、文字だけではなく絵も描きやすいノートです。   きっかけは、発達障害当事者の声     「mahora」を製造している大栗紙工は、大阪で長年にわたって大手メーカーのノートを作り続けている老舗です。あるとき、発達障害のある人たちから、既存のノートの使いづらさを耳にしました。 「紙からの反射がまぶしくて、文字が書きづらい」「いつのまにか行が変わってしまう」「罫線以外の情報が気になって集中できない」。 発達障害には縁のなかった大栗紙工ですが、この声に驚き、発達障害当事者の支援団体「一般社団法人UnBalance(アンバランス)」の協力を得て、発達障害当事者100人にアンケートをとりました。   すると、それまで気づかなかった、ノートへのさまざまな要望を聞くことができました。その声をもとに試行錯誤を重ねて発達障害の人に使いやすいノートを開発。 ノートのシリーズ名となっているmahora(まほら)とは、住み心地のいい場所という古語。子どもからお年寄りまで、発達障害のあるなしにかかわらず多くの人に愛用されるようになったそうです。ネーミングのとおり、だれにとっても心地よいノートなりました。 mahora(まほら) サイズ セミB5、B6、B7、A6  色 レモン、ラベンダー、ミント 中紙 国産色上質紙  日本製 価格 セミB5:280円 B6:385円 A6:330円 B7:242円  製造・販売 大栗紙工株式会社 発達障害のクリニックの小児科医が開発した日記がスラスラ書ける「ひとこと日記帳」 日記や作文を書くのが苦手という子は少なくありません。意外な理由をあげるのが、発達障害の子のクリニックの院長、河野政樹先生。河野先生によると日本語の語順にあるというのです。 日本語は感情が最後にきます。運動会や遠足の作文などで、朝起きた時から時系列に書いて、最後に「楽しかったです」というのは、その典型。頭の中では、「運動会は、楽しかった」なのに、日記や作文に書くときには、なかなか「楽しかった」にたどりつけません。 そこで、開発したのが、どのような気持ちだったのかという「感情」を先に書いて、質問に答える「ひとこと日記帳」です。         ノートの質問に答えを書くだけで、どんどん完成。書くのが楽しくなる   ひとこと日記帳は、ノートに書かれた質問に次々に答えていくうちに、日記が書けてしまうしまうというつくりです。最初の質問が、まず感情。うれしかった、たのしかった、かなしかった、いらいらした、ドキドキした・・・など。そのあとに、「それはいつのことですか」、「どこでありましたか」、「だれといっしょでしたか」...と質問が続きます。 1冊で5週間分。毎日これをつけていたら、たしかに文章の書き方が身につきそうです。     「ひとこと日記帳」を開発した、医師の河野政樹先生のメッセージ 作文が苦手な子どもが増えています。作文が苦手になる理由の一つに「何を書いていいか分からない」ということがあります。日本語の特性として、出来事を思い出す順番と語順が逆になっていることが大きな原因のひとつです。そこで、開発したのが「ひとこと日記」です。 人の記憶の想起に大切なのは、感情です。その感情から辿って文章を作成していく。それを毎日、ひとことひとこと積み重ねて練習していく。 毎日の保護者の皆さんや先生方からのコメント、そして、シール、ご褒美チケットの活用でさらにモチベーションがあがるというものです。   ひとこと日記帳 サイズ A4 ページ数 35ページ(日記ページ) 監修 河野政樹(AMWEC代表 虹の子どもクリニック院長)価格 5冊セット 1650円(税込) 発行 一般社団法人日本医療福祉教育コミュニケーション協会(AMWEC) tobiracoでは1冊 330円(税込)から販売しております。©️AMWEC 河野政樹 許可なく複写・転載を禁じます。   不安定な筆圧をサポートする「魔法のザラザラ下じき」 握力が弱かったり、力加減をコントロールできないと、鉛筆が紙の上を滑って文字がうまく書けません。「魔法のザラザラ下じき」は、下じきの片面に凹凸がドット状に施されています。安定しない筆圧を凸凹がサポートし、鉛筆の運びが安定します。     作業療法士が考えたザラザラ   下じきがザラザラだと、鉛筆の動きが振動になって、手や脳に強く伝わり、頭の中でイメージしている文字と手の動きが一致しやすくなります。凸凹が運筆のコントロールや筆圧調整のサポートをしてくれるというわけです。発達障害の子の手指の動きと脳の関係に詳しい作業療法士が考案しました。     紙やすりを下敷きの代わりにすることもできますが、学校で使うには抵抗がありますよね。「魔法のザラザラ下じき」は、見た目は透明のなんでもない下敷き。よく見ると片面だけがドット状の凸凹で、もう片面は凸凹がありません。抵抗なく使うことができます。     魔法のザラザラ下じき 素材 再生PET製 サイズ A4:210×300mm B5:182×260mm 厚さ 0.5mm(A4、B5共通)価格:A4、B5ともに660円(税込)製造・販売 株式会社オフィスサニー 監修 専門作業療法士 鴨下賢一 特許出願中(特願2021-000053)   今回ご紹介した学習用品は、子どもが抱えている課題を解決するために支援の現場から生まれました。道具そのものが学習支援になっています。すべてtobiracoでも扱っています。こんな文房具がもっと増えてほしいですね。 【発達障害の子の小学校入学】あんしん通学にはこれ!ランドセル&サポート用品・持ち物準備ボード さあ、小学校入学!新生活のスタートは、うれしさはもちろんですが、何かと不安を感じることも多いですよね。道具で発達を応援するネットのお店tob… 教えてくれたのは トビラコ店主 元子育て雑誌編集者。編集者時代に出会った特別支援学校の先生と現場で効果のあった教材を商品化。「tobiraco」というネットショップで販売。ヒット商品は「きいて はなして はなして きいて トーキングゲーム」「見る目をかえる 自分をはげますかえるカード」。「療育アロマ」も快走中。『発達障害の子のためのすごい道具』(安部博志・著 tobiraco・編集 小学館)が好評発売中!   … 続きを読む 【発達障害の子の小学校入学】学習につまづかない「ノート・日記・下じき」選びで工夫しよう!