【小2かけ算】予習をしたほうがいいのは、こんな子。元小学校教員が教える「算数の山場」成功法

2年生の算数と言えば、なんといっても「かけ算」! 子どもの頃、かけ算九九を一生懸命覚えた記憶のあるママパパもいるのではないでしょうか。多くの小学校が10月から学習します。

短い期間で多くの九九を覚えるかけ算は、個人差が見えやすい学習と言えます。そこで今回は、元小学校の教員が、「今から始められる、かけ算の予習」について紹介します。

かけ算は、なんと2か月でマスター!

 2年生の2学期、約2か月でマスターする

「2年生の算数の山場=かけ算」と言っても過言ではないほど、重要な単元である「かけ算」。
ほとんどの学校では、10月ごろから12月ごろにかけてかけ算の学習を進めます。約2か月をかけて、かけ算の意味やかけ算九九について学んでいきます

 最初は、かけ算の意味を学びます。同じ数ずついくつ分、例えば「クッキーが2こずつ、3人分→2×3=6」のようなものです。
その後、かけ算九九をやっていきます。
ほとんどの教科書では、2の段・5の段から始まり、3・4・6・7・8・9・1の段の順で学習します。
1つの段を、2回から3回の授業でマスターするペースで進んでいきますよ。

かけ算はその後の学習にも必須。2年生のうちにマスターしておくべし!

かけ算は、その後の様々な学習に必要なスキルです。例えば、わり算や図形の面積、分数の計算では必ずかけ算を使います。

3年生からは、「かけ算を全て覚えていること」を前提として新たな学習が進んでいきますから、2年生のうちに確実にマスターしておきたいですね。 

こんなタイプの子には、予習がおすすめ

こんなタイプのお子さんは、かけ算の予習をしておくと、安心して授業を受けられることでしょう。

「苦手かも」と感じると、消極的になりやすい子

苦手意識をもってしまうと「やりたくない…」と抵抗感をもってしまう子なら、授業で取り組む前に予習しておくのがおすすめです。
完璧な状態でなくても、「これ知ってる!」「家でやったからできそう」と感じられるだけで、苦手意識をもちにくくなります。

たし算、ひき算の習得に時間がかかった子

計算・数に関する学習に時間がかかりがちな子は、かけ算でも習得に時間がかかることが多いです。
かけ算九九は、短期間に膨大な量を覚えなくてはなりません。授業のペースと自分のペースに大きな差が生まれてしまうと、2学期中に覚えきれない・テストの点数や成績が悪くなることが予測されます。
時間がかかるならその分、学校よりも早く学習を始めましょう。

詩の暗唱など覚えることに時間がかかる子、文をすらすら読むのが苦手な子

かけ算の授業は、式の立て方・文章題などもありますが、そのほとんどが九九の暗記に時間を要します
「覚えること」自体に時間がかかる子は、早めに予習をしておきましょう。

 また、文を読むときに一文字ずつ読み上げる子、つっかえながら読む子、文字を飛ばしがちな子も、学校の授業のペースだと時間が足りないかもしれません。
九九を覚えるときには、その独特な読み方がポイントです。
3×6=18」は「さぶろくじゅうはち」と言うように、単に数字を読めばよいというわけではありません。歌のように、耳で聞いて覚えるのがおすすめです。

 誰でも予習したほうが良いというわけではありません。あえて予習をせず、「何それ!やってみたい!」と新鮮さを感じながら授業を受けた方が合う子もいます

覚えやすい3つの方法を紹介

何かを覚えるときには、自分に合った方法を見つけられると楽ですよね。これは子どもも大人も同じです。
今回は、「文字を見て覚える」「耳で聞いて覚える」「自分で考えて覚える」の3つを紹介します。
お子さんの普段の様子を思い出しながら、合う方法を探ってみましょう。

気づいたら見慣れている!?「文字を見て覚える」

詩やセリフを覚えるのが得意な子、音読の宿題や本をすらすらと読める子は、「文字を見て覚える」のがおすすめです。
「3×2=6」のような式と「さんにがろく」のような読み方を、一目で見えるようなアイテムを使いましょう。

お風呂で使えるポスターを張り、お風呂で親が一緒に読む
正しいイントネーションを知るために、最初は大人が読むか、一緒に読んであげましょう。

九九表を子ども部屋やトイレなど、目につきやすい場所に貼る

歌や声で自然にインプット!「耳で聞いて覚える」

最新の曲をすぐ覚えられる子・キャッチ—なCMやお笑いのネタをすぐ完コピできる子には、「耳で聞いて覚える」のがおすすめです。
早口言葉や寿限無のように暗唱するのも良いですが、「歌で覚えるとやりやすい」というお子さんが多いですよ。歌は、一度覚えてしまうとなかなか忘れにくいのがメリットです。
朝の支度の時、夕飯の準備の間など、家の中でBGMとして流しておくと自然と耳に入ってきますよね。メロディーを口ずさめるくらい歌を覚えてから、「実はこんな歌詞なんだよ」と九九表を見せてあげると、覚えやすいです。

「九九の歌」「かけ算 歌」と検索すると、たくさんの動画がヒットします。中には、誰もが知っている曲の替え歌や、キャラクターをモチーフにしたものもあります。
お笑いが好きな子には、小島よしおさんの九九動画もおすすめです。

間違い探し・謎解き感覚でチャレンジ!「自分で考えて覚える」

謎解き・自由工作・レゴなど、自分で考えて試行錯誤することで達成感を感じられる子には、「自分で考えて覚える」のがおすすめです。
九九表を見てみると、規則性がたくさんあります。それを、謎解き感覚で考え、見つけながら、かけ算に慣れていきます。

3の段なら、答えは3ずつ増えていきますよね。
初めてかけ算に取り組む子どもにとってはそれも、「すごい!3ずつ増えてるじゃん!」と驚くような発見です。

 

また、その段ならではのきまりもあります。
9の段を見てみると、かける数は「1,2,3…」と1つずつ増えていきますが、答えの1の位の数は「9,8,7…」と1つずつ減っていきます。他にも、5の段の答えの1の位は「5,0,5,0…」と並んでいるなど、きまり・規則性を見つけることができます。

「今日は、算数の謎解きをするよ」「この数字の並び方には、実はある決まりがあるんだけど見つけられるかな?」と意欲を刺激してあげると、ノッてくる子が多いですよ。
始めてかけ算九九を見せるときには、1から9の段まで全て出してしまうと、ボリュームが多すぎるかもしれません。1つの段ずつ出してあげましょう。

自信をもって「かけ算」の授業に参加できるように

算数・数学の基礎でありながら、短期間に暗記する量が多いのが「かけ算」。覚えるまでの期間に個人差が出やすい内容です。
他の学習で心配な様子があった子は、無理のない範囲で予習をおすすめします。
少しでも自信をもって授業に参加できると、「私、かけ算は得意かも!」「ぼく、算数好きになってきた!」と教科や学習に自信をもてるようになってきますよ。

あなたにはこちらもおすすめ

【元小学校教員が教える通知表の読み解き方】大切なのは「よくできる」の数ではないってホント!?
通知票を見るときの注目ポイントとは? 大切なのは「よくできる」のついた項目 小学校の通知表は基本的に「よくできる」「できる」「もうす...

文・構成/yurinako

低学年

編集部おすすめ

関連記事