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自分の排便で「うんちの研究」をしたきっかけは?
蒲池泰大くんのお母さんによると、小2の夏休み前に、「徳川家康が自分のうんちで健康を確認していた」ということを知り、泰大も家康のように健康オタクになりたいと思って研究し出したとか。せっかくなので、「夏休みの研究にしよう」としたそうです。
7月中旬から毎日自分のうんちを観察
蒲池泰大くんのお母さん:どんな時間帯にどんな色でどんな硬さのうんちが出るのか、どんなものを食べどんなところに行くと、うんちの様子が変わるのかを観察していきました。当時は私のスマホは息子のうんちの写真でいっぱいに(笑)。
「黄色のうんち」が出ることも!その理由は?
泰大くんは、うんちの約80%は水分であることも知ったそう。ほかに、7%剥がれた腸粘膜、7%腸内細菌、7%食べかす。つまり、1日に食べたものは、わずか3gになるとか!
黄色いうんちが出る日はどんな日?
給食の献立で、黄色いうんちが出た日の献立をみてみると、キャベツとキノコを摂取していたことが分かったそう。
「キャベツ」と「キノコ」を食べると黄色いうんちがでる仮説を立てる
そこで、泰大くんはキャベツとキノコを食べたら、うんちが黄色になるのか、検証することにしたそう。すると……。
結果は「黄色」ではなく「橙色」
仮説通りにはいかず、黄色いうんちは出なかったそう。すると今度は「なぜ黄色いうんちが出なかったのか?」ということを考え出し、成分表から分析をしてみることにしたとか。
泰大くんは、キャベツとキノコの成分は比較的繊維が多いことに気が付き、もしかしたら、繊維が多い食べ物を食べると、黄色いうんちになるのかもと分析。
そこでもう一度、給食の献立表を見直してみると、黄色いうんちが出た前の日に「麦ごはん」「枝豆」も食べていることが判明したそう。
ほかにも、「水をたくさん飲むと、うんちはどうなるか」「シチューを1週間食べ続けると、どんなうんちが出るのか」なども研究し、数値でみるうんちのレポートに。また、旅行中にはうんちはどうなるのかも調べてみたところ、泰大君はうんちが出ず、人の気持ちとうんちは関連しているのでは、ということもまとめたとか。
小学4年生の自由研究では「僕のうんち堆肥からできたブロッコリーの生育とその後」へと進化
泰大くんはそれだけにとどまらず、小学2年生の自由研究を発展させ、小学4年生のときには、1年4ヶ月自分のうんちを土に埋めて発酵させた「うんち堆肥」で「僕のうんち堆肥からできたブロッコリーの生育とその後」を発表したそう!
うんちを入れなかった「たきいの土」と、うんち堆肥を入れた「たきいの土」。どっちの方がブロッコリーは育つ?
蒲池泰大くんのお母さん:息子の予測に反し、うんちを入れなかった土の方が、ブロッコリーが良く育ったんですよね。それに疑問を持った息子は、ブロッコリーが弱酸性の土と相性が良いことを知り、pHという存在に気が付いたんです。
ところが、ブロッコリーの生育は、秋になると意外なことが起こり出します。
「逆転現象」から学んだこと
ブロッコリーは、夏休み後も成長を続け、逆転現象が起こったと言うのです。
研究開始2ヶ月後~4ヶ月後
僕は驚いた。夏休み中に行った研究結果提出後、「たきいの土+僕のうんち堆肥」のブロッコリーの方の茎が太く、葉が大きくなり始めたからだ。逆転現象が起こっていた。ブロッコリーは弱酸性の土でよく育つので、うんち堆肥の入った土が変化して弱酸性化したと考えられる。たきいの土も同じ弱酸性なのに、この大きさの違いはなんなのだろうか? 葉の大きさも茎の太さもほぼ倍になっていた。夏に出した研究結果が秋になると真逆の結果になっていたことから、僕は研究というのは短期間でできるものではなく、長い期間で研究していかないと分からないことがあるということが分かった。
pHの存在が気になり、小学5年生の自由研究では「おしっこの研究」へ
蒲池泰大くんのお母さん:夏休み後、そのpHの存在が気になっていた息子は調べ物をしたようで、「おしっこは野菜を過剰摂取するとアルカリ性に、肉を過剰摂取すると酸性になる」という情報を見つけてきました。そして、小学5年生の夏休みには自分の身体でおしっこの変化を検証してみたいと言い、「おしっこの自由研究」にチャレンジしました。
おしっこの自由研究についてもお話を伺いました。こちらもぜひご覧ください。
鵜吞みにしない性格が研究魂に火をつける
蒲池泰大くんのお母さんに「小学6年生の自由研究は決まっているのですか?」と伺ったところ、「寝る直前にゲームをしていたことがある息子に「寝る前に電子機器を触ると睡眠の質が悪くなるよ」と伝えたら、『じゃあ、本当に身体に悪いのか検証する!』と言い出したんです。息子は、鵜吞みにしない性格で、なんでも自分で確かめたいタイプ。ただ今回のゲームと睡眠の関係について言えば、身体に悪くないと言う実証データがとれればゲームができると思っているのだと思います(笑)」とのこと。
なるほど! それは、きっと全国の子どもたちもどんな結果が出たのか、知りたいはずです。
最後に、蒲池泰大くんのお母さんに、「ところで、小学3年生のときの自由研究はどんなことをされたのですか?」と聞いてみました。すると、「コロナにより福岡市科学ワクワクコンテストが中止だったため、自由研究をしなかったんです。提出先がないとやる気が起こらないみたいですよ(笑)」とお話して下さったのが印象的でした。自分の排便、排尿に疑問を抱き研究する様子などは、まさに研究者そのもの、天才!と思ったのですが、小学生らしいところも持ち合わせていて微笑ましい一面でした。
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文・構成/HugKum編集部