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Q.「過保護」はOKで、「過干渉」はNGですか?
POINT:過保護→過干渉へのスイッチングが問題。子どもとの関わりは成長と共にアップデート!

「過保護」や「過干渉」ってどちらにも”過”という文字が使われていますよね。なんでもやりすぎは良くないんです。
そもそも「過保護」と「過干渉」では、子どもに対する関わり方が異なります。保護は守ること。干渉は立ち入って指示や妨害すること。お子さんが小さい時は、危険を回避するなどの「過保護」が多い時期ですし、ある程度は問題ないでしょう。
問題は、お子さんの成長の段階で、「過保護」だった親御さんの多くが「過干渉」にスイッチングしてしまうことです。「過干渉」になると、子ども自身に判断させるチャンスを奪い、なんでも親御さんが決めてしまい、自立心を育むことができなくなってしまいます。
日頃から「自分はどうかな?」と育児に不安を持って振り返っている人は、意外とうまくいっていることが多いんです。「自分の考えは正しい」と思い込んで、子どもは成長しているのに対応を変えない親御さんのほうが危険です。ある程度、子ども自身で判断できる年齢になっても、あれこれ指示してしまう。そうすると、子どもも自分もつらくなる時期が必ずやってきます。
お子さんの反抗や反発が、親御さんに対してのメッセージです。「反抗期・思春期だから仕方ない」と単純に片付けないように注意してください。
Q.つい先回りして手を出してしまいます…
POINT:失敗と間違いによって人は成長していくという本質を忘れずに!
私がSNSで発信している情報で、今までに一番反響があったのが「子育ては子どもを”失敗しない人間”にすることではありません」という言葉です。

小さい頃にたくさん失敗した子のほうが、失敗せずにきた子よりも伸びるんです。間違えた時に、初めてどうすればいいのかがわかりますよね。それが成長です。
“間違えない” “失敗しない”は=”成長しない”ことになってしまいます。成長を回避する必要はありませんよね? 間違えても失敗しても、おおらかに受け止める。それを「見守る」と言います。
ついつい手を出し過ぎてしまう、干渉してしまう親御さんは、「子どもがかわいそうだから…」と勘違いしています。でも、実は「子どものかわいそうな姿を見る自分が嫌」なのです。中学受験で、志望校に合格できなかった時の落ち込みを引きずっているのは、お子さんよりも親御さんのほうが圧倒的に多いです。
子どもはみんな、失敗しても自分で立ち直る力を持っています。その力を信じて見守っていきましょう。
Q.忘れ物が多くて困っています。届けるのは甘やかしでしょうか?
POINT:子どもの性格や特性を見極めて。今の我が子に無理なら、サポートを
お子さんの年齢や性格・気質などによって、親御さんがやってあげていいことは変わってきます。基本は、やり方を教えていくところからスタートしましょう。それでも身につかない場合は段階的に関わっていきます。

① できる仕組みを作る
忘れ物の場合は、忘れ物をしない仕組みを考えることです。例えば、ランドセルからいったん全部荷物を出して確認するとか、学校に持って行くものは全てランドセルの中に入れ、手荷物をなるべく減らすなど。まずは、工夫できることを考えてみてください。
② 無理だったら手伝う
何をどう工夫しても、忘れ物が多い子は多いし、片付けが苦手な子は片付けられません。その場合は、親御さんがやっていいと思います。ポイントは、必ず笑顔でやってあげること。親のイライラはデメリットしかありません。嫌な顔をしたり、子どもに対して文句を言いながらやるのは避けましょう。
やってあげると自立心が育たないのでは?と心配になる親御さんもいるかもしれませんが、そもそも今、この子には無理なこと。それを強制するほうが無理があります。特性的に難しい子の場合には過保護ではなく、サポートになるのです。
何かができない子は、凹みがあるからこそ、必ず出っ張る部分があります。そのキラリと光る部分に目を向けてあげて、伸ばしてあげてください。
③ 成長する段階で手放していく
子どもは一生今のままではありません。日々成長しています。すぐにできるようになるものもあれば、なかなかできないこともあるでしょう。しかし、それが一生続くわけではありません。
ただし、成長を”待つ”と長く感じてしまうので、思い出した時に対応を変えてみて、まだだったら今まで通り…というように、少しずつ手を離してみましょう。
Q.祖父母が子どもに対して干渉してきます。何か対策はありますか?
POINT:距離を取り、 話題を子どものことから別のことに変えていく
おじいちゃん・おばあちゃんが子育てに対して口を出してくる、お子さんとの関わりですれ違いがある、などの問題は私への相談内容でも多くあります。特に同居していたり、近くに住んでいる場合は、物理的な距離を取るのも難しいので、より悩まれている方も。

ファーストステップは、こちらの考えを素直に話して、対応を変えてもらえないかを話し合ってみてください。ご自身の親御さんであれば自分が話をする。パパの親御さんでしたら、パパから話してもらいましょう。
それでもダメならできるだけ距離を置く、接触頻度を下げていくように工夫していきます。距離が置けない場合は、話題をお子さんのことではなく、別のテーマに変えていきましょう。例えば、お子さんの話題を出してくる前に、おじいちゃん・おばあちゃんの趣味の話などに話題を変えてしまいます。話の主導権を握って、どんどんおじいちゃん、おばあちゃんに自分の話をさせると、相手のエネルギーが解放されて、さらには満足感を与えることもでき、干渉から解放されていきます。
Q.子どものことが気になって、自分だけの時間を楽しめません…
POINT:タイムマネジメントが重要!人を頼ることを忘れずに
お子さんが小さく、2人3人と多いと、育児や家事を担当している人は相当キツイ状態だと思います。特に、マルチタスク型の方の場合は、「自分がやらないと」という考え方があり、人に頼ることが苦手な場合が多いです。子どもが大きくなるにつれてリフレッシュできる時間は増えていきますが、今が大変ならば家事や育児の中で、外注できる事はして、人に頼っていきましょう!
時間がないと思っている人はやらなきゃいけないことに追われている状態です。タイムマネジメントの基本は、目標を明確にすることから始まります。自分がリラックスする時間、自分だけの時間を1日の中のどこかに設定する。それを決めたら、その時間は何があってもブロック! そこから、それ以外にやらなければならないことを入れていきましょう。

親がリフレッシュできていると、子どもにイライラすることも少なくなります。毎日のバスタイムや、駅まで歩く時間でもいいのです。それを「自分だけの最高の時間にする!」と決めるだけでも変わりますので、工夫してみましょう。
子育てはいかに自分がご機嫌でいられるか。”自分ファースト”が基本です
子育てが上手くいくコツは、いかに自分が機嫌よく過ごせるかです。子育てのイライラの正体は、実は自分。自分で自分をイライラさせているだけなのです。もし、イラついたり疲れていたりするならば、それはやり方を間違えているということ。
子どものためと思ってやっていることでも、それが負荷になっていると、メンタルが下がっていってしまいます。親自身の成長や心を重視しながら、”自分ファースト”に過ごすことを考えてみてください。そのために必要なこと(”自分自分だけ時間”や十分な睡眠時間)から確保していき、そのほかの時間でやるべきことをこなすようにしてみましょう。親御さんが笑顔でいれば、お子さんは勝手に自分を高めていけるようになりますよ。
【後編】思春期のお子さんとの関わり方についてお話を伺いました。

お話を伺ったのは

NHKあさイチ、フジテレビ「めざましテレビ」、日テレ「ZIP!」、TBS「あさチャン!」、「ガイアの夜明け」等、メディア出演多数。書籍は31冊出版。
★石田勝紀YouTubeオフィシャルチャンネル
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文・構成/鬼石有紀