子どもの“睡眠の悩み” 7選に専門家が回答!「ママじゃないと嫌」「寝る時間になると元気になる」「睡眠が浅い」…親が疲弊している場合の対処法

育児の最初に訪れる試練といっても過言ではない子どもの”寝かしつけ”。抱っこじゃないと寝てくれない、夜中の頻回授乳がつらい、夜泣きが続いて夫婦で疲弊…など、「なんでうちの子は寝てくれないの?」とお悩みの方も多いはず。

そこで、HugKumでは『睡眠』に関するアンケートを実施。リアルな『睡眠』に関するお悩みに、赤ちゃん&子どもの睡眠の専門家である吉岡さんにご回答いただきました。吉岡さんのアドバイスを参考に、赤ちゃんも親御さんもぐっすり快眠できる睡眠スタイルを模索してみてくださいね。

<年齢別>睡眠環境と習慣の整え方

赤ちゃんや子どもの睡眠環境や習慣の整え方は、年齢によっても変わってきます。生後4か月くらいまでに良い睡眠環境と習慣ができあがっていると、子どもが自然と“セルフねんね(一人で寝てくれること)”をしてくれることが可能になるので育児がとってもスムーズです。

新生児〜生後4ヵ月までは“セルフねんね”の基礎を作る重要期間

生まれてすぐの赤ちゃんはまっさらな状態で生まれます。寝かしつけの方法は、親が教えてあげるもの。授乳や抱っこでの寝かしつけは自然なことですが、それを続けていると夜泣きにつながることも。生後4か月までの間は、自分で入眠する力を少しずつ教えてあげることが、その後の寝かしつけでの負担を軽減する鍵となります。この時期は、適切な睡眠環境があれば赤ちゃんも安心してスヤスヤと眠ってくれるので、ぜひ環境を整えてあげてください。睡眠環境を整えることは、乳幼児突然死症候群の予防にもつながります。

■睡眠環境《5つのポイント》

①寝床を整え、ベビーベッドに基本的に物は置かない。大人と同じベッドは避ける。
②室温は20度前後に調整。
③着せすぎない。おくるみで腕をキュッと包んであげると◎。
④ホワイトノイズを利用する。専用のアイテムも。
⑤寝室の光をシャットアウトする。お昼寝のときもできる限り真っ暗に。

>>詳しくはこちらの記事をチェック

「遮光シートやカーテンをうまく活用してみてください」と吉岡さん。

1歳以降〜は「見える化」「約束」「対話」で導く

早いと9か月くらいのお子さんから可能ですが、この時期のお子さんの睡眠習慣を整えるには“親子での対話”が重要になってきます。ポイントは3つです。

①寝るためのルーティンを「見える化」する:特に1歳以降のお子さんには、「お風呂→絵本→就寝」といった一連の流れをイラストや写真で壁に貼り、“見える化”すると視覚的に理解できるため効果的です。

②寝る前の「約束」は守る:「この絵本が最後だよ」などと事前に伝えて、一度した約束は必ず守るように進めていきましょう。ここで譲ってしまうと、「泣けば思い通りになる」と勘違いをしてしまう恐れがあります。

③親子の「対話」で寝ることをポジティブに:「こうしなさい」と一方的に親が決めるのではなく、寝る=楽しみなことの一つと捉えられるよう、声をかけていきます。子どもは、「自分で決めた」と感じたことなら守りやすいです。

学童期は生活リズムの確立

小学生になってからも、基本的には乳幼児期と一緒です。睡眠習慣を整えて規則正しい生活リズムを作り、寝る前のルーティン(デジタルデバイスの使用を避けるなど)を確立していけるよう、親子で話し合って生活リズムを整えていきましょう。

これらの基本的な睡眠環境や習慣の整え方をポイントに、具体的なお悩みに答えていきたいと思います。

①「おしゃぶり」「添い乳」など寝かしつけの悩みは、睡眠ルーティンで解決!

<お悩み例>
1歳4か月:寝かしつけのときにおしゃぶりを使用。寝かしつけ後は外しているが、夜中に起きてしまったときにくわえさせるとすぐ寝るので、つい使ってしまう。 [ 女性 ]

2歳10か月:乳離れしていなくて、寝るときも添い乳。夜中も泣いておっぱいを求めてきてしまう。 [ 女性 ]

まず大前提として、寝かしつけのおしゃぶりや添い乳などは、絶対NGなものではありません。赤ちゃんか親御さんのどちらかにストレスがある場合に、改善していけばいいのです。

赤ちゃんは体力も少なく、お乳を飲んだりおしゃぶりを吸ったりする吸啜反射で疲れて入眠してしまうことが多いです。その習慣が、幼児期まで続いてしまうこともあります。ですが徐々に体力がついてきて、授乳だけでは入眠することができなくなってしまいがち…そうなってきた頃が、新たな睡眠ルーティンを作っていくタイミングです。

体力がついてくると、おしゃぶりでスッと入眠しづらくなってくることも。

お悩み例の2歳のお子さんの場合、授乳が親子の安心スタイルになっていそうなので、無理に止める必要はありません。「おっぱいはねんねの前じゃなくていっぱい遊んだ後にしようか」「お風呂に入った後にしようか」など、寝る前のルーティンから外していくことからスタートしてみてください。

おしゃぶりの場合も同じで、寝る前のルーティンから外していくことからスタートを。そして、「見える化」「約束」「対話」3つのポイントを軸に、“セルフねんね”ができるように整えていきましょう。

ちなみに、お悩みで多い「寝る前に動画を観てしまう」習慣も同じです。寝る前のルーティンに“動画を観る”という習慣を外すことから始めてみましょう。

②「ママじゃないと嫌」が始まったら、昼間の関わり方を変えてみて

<お悩み例>
4歳10か月:ママと一緒じゃないと寝られない。パパとは嫌がる。 [ 女性 ]

「ママじゃなきゃ嫌!」という声って、それだけ聞くとかわいらしいですよね。でも、悩んでいるママからしてみれば、「もういい加減にして!」と思うことも多々あるでしょうし、自然なことです。私のコミュニティーにご相談にいらっしゃる方でも、このお悩みがとっても多いです!

「ママじゃなきゃ嫌!」が続くとしんどい…。

こういうお悩みの場合には、寝る前だけでなく昼間の関わり方が重要になってきます。「寝るのってとっても気持ちがいいよね」「ママは寝るの大好き」など、寝ることに対してポジティブなイメージを持ってもらえるような声かけを続けてみてください。

また、子どもが「ママと一緒に寝たいな」と言ってきても、その要求全てに応えなくてもいいんです。「朝起きたらいっぱいギューしようね」「○○ちゃんの眠った顔を見に来るから、寝て待っててね」など、前向きな声かけで、子どもと自分のバウンダリー(心の境界線)を大切にしましょう。

親子で一度決めた睡眠ルーティンでも、親御さんが少しでも「つらいな」と感じることがあれば、朝や昼間の時間に何度も「その方法はママやパパが疲れちゃうんだよね」「それは朝起きてから元気いっぱいのときにやりたいんだよね」などと、対話を繰り返しながら誘導してみてください。

③浅い睡眠になってしまいがちな子への対処法は?

<お悩み例>
3歳10か月:生まれたときからずっと眠りが浅く、3歳くらいまで毎晩夜泣きをしていました。今でも眠りが浅くうなされてるのかほぼ毎日大きな声の寝言を繰り返しています。 [ 女性 ]

お子さんの睡眠が浅いと感じている親御さんは、より一層寝やすい環境を整えてあげる必要があると考えて。他のお子さんと比べて、「育てにくい子を産んでしまったのではないか…」などと悩まないようにしてくださいね。繊細なお子さんはまわりの子の感情に気づきやすく思いやりがあるなど、いいところがたくさんあります。素晴らしい個性です。

繊細さんの睡眠でも基本は同じです。睡眠環境は整っているか、寝る前のルーティンは整っているのかを再確認してみましょう。

夜中、ひんぱんに目覚めてしまう場合は、入眠した状態が維持できない寝かしつけが原因になっていることもあります(例えば抱っこして寝かしつけている、誰かが隣にいないと寝られないなど)。睡眠が浅い繊細なお子さんほど、“セルフねんね”をおすすめします。

④きょうだいの歳の差があり、遊んじゃってなかなか寝ません

<お悩み例>
2歳5か月と5歳5か月:寝室に行ってからもふざけて遊んでなかなか寝ない。 [ 女性 ]

4歳2か月:お兄ちゃんが寝るまで寝ないため、4歳のわりには睡眠時間が短い気がする。 [ 女性 ]

悩ましいきょうだい間の睡眠事情。「遊んでしまいなかなか寝ない」の声も。

お悩み例のように、お子さんの年齢差で悩んでいらっしゃる方も多いです。住環境によって可能な方ばかりではないのですが、できれば、お子さんが一人で寝る部屋をそれぞれに与えてあげることが解決策になります。歳の差があればあるほど、それぞれの寝室を分けておくことで、年齢に合った十分な睡眠時間を確保することができます。

“セルフねんね”を促すポイントは、普段からいろいろなことに対して、「あなたならできる」という声かけを意識することです。「私なら(僕なら)できる」「一人でも寝られる」という気持ちを子どもに持たせましょう。

また、寝相が悪くてベッドから落ちてしまったり、家族や兄弟間でのけがを防止するためにも、3歳くらいまでは囲いのあるベッドで睡眠をとらせてあげるのが理想です。

参考:子どもの理想の睡眠時間(厚生労働省)

一人で寝られる環境がどうしても整えられない場合

その場合は、睡眠ルーティンの方をしっかり整えていきましょう。

3歳くらいの歳の差だと、一緒にいたら楽しくなってしまうのは当たり前のことです。例えば、「ここ(寝室)は寝るお部屋だからおもちゃは持ち込まないよ」「このお部屋(寝室)に入ったら遊ばないよ」と約束して、寝室以外で遊んでから移動するようにします。

寝る前のルーティン(おもちゃを片付ける→絵本を読む→寝室へ移動する)を整え、約束したことを守っていくようにしてください。

読み聞かせがエンドレスになってしまう場合には、リビングなどで読んでから寝室へ移動するように変えてみて。

⑤「夜泣き」の原因って?

<お悩み例>
1歳5か月:夜泣きがひどい。大きな声で叫ぶように泣くため、上の子も目を覚ましてしまう。 [ 女性 ]

3歳0か月:夜中に必ず1回は泣く。朝まで泣かずに寝ていたことがほとんどない。両親は慢性的な寝不足。 [ 女性 ]

まれに「夜驚症」という可能性もありますが、「夜泣き」=寝ている間に脳を整理している状態ということもあるので、少し様子を見守ってあげてください。

「夜泣き」の場合も、昼間の活動時間やお昼寝をどれくらいしているのかを確認し、疲れすぎていないかをチェックしてください。

「疲れすぎ」が夜泣きの原因の場合も。

3歳以降は大人の睡眠サイクルに近づいてくるので一般的には「夜泣き」は減っていきますが、減らない場合には、今までどのように寝かしつけしてきたのかを振り返ってみるといいでしょう。眠りが浅い子と同じように、どうやって寝ついているか、それが夜中も維持できる方法なのか、子どもが寝ることについて前向きに捉えているかを確認します。

⑥夜になるほど元気に! 決まった時間に寝てくれないというお悩みには?

<お悩み例>
4歳:夜ほど元気。親と遊びたくて仕方ない。結果、23時以降に就寝する日が多い。 [ 男性 ]

1歳10か月:夜、なかなか寝てくれません。ひどいときは午前1時まで起きています。 [ 女性 ]

4歳以降のお子さんで決まった時間に入眠できない場合は、保育園でのお昼寝が長すぎることが原因の場合もあります。ちょうど4歳くらいからお昼寝が不要になる子も多くなってくるので、保育園の先生に相談し、お昼寝の時間を短くしてもらうなどの工夫をしてみましょう。

逆に、疲れすぎで興奮状態(ハイテンション)になっている可能性もあるので、1日トータルで何時間くらい睡眠が取れているのか、また、お昼寝と夜の就寝時間までに6時間以上空いているかなども確認を。

年齢にもよりますが、お昼寝のベストなタイミングは昼食後すぐの時間です。お昼寝の時間も2時間以内にしてもらえるように相談してみてください。

お昼寝するなら、昼食後すぐのタイミングがベスト。

1歳10か月のお子さんの場合も同じです。何時にお昼寝をして、何分くらい睡眠が取れているかによって、夜の入眠のタイミングが変わってきます。保育園に通っているのであれば、連絡帳でお昼寝のタイミングをチェックして、夜の寝かしつけの時間を逆算してみてください。

睡眠環境が整っているかも、もう一度チェックしてみましょう。暑さ、寒さ、暗さ、囲いがあるか。環境を整えることで、スムーズに入眠できる確率も上がります。

⑦お昼寝のタイミングや時間の適性って?

<お悩み例>
3歳0か月:幼稚園から帰宅し、すぐにはお昼寝せず、18時ぐらいに眠ってしまうことがあります。そこから朝まで寝るには早すぎる気がするので、無理やり幼稚園終わりにお昼寝させるほうがいいのか、お昼寝なしで18時までにお風呂と夜ご飯を済ませて寝る態勢を整えたほうがいいのか、悩んでいます。 [ 女性 ]

1歳半までのお昼寝は基本、午前と午後の2回。1歳半以降は1回で、2時間〜3時間くらいが理想です。

お悩み例の場合、3歳ですとお昼寝はまだ必要な時期なので、1日のスケジュールを見直してみましょう。「お昼寝はしない」と言い出しても、夕方に寝てしまうと夜の睡眠に影響するので、朝から「幼稚園から帰ってきたらねんねだよ。起きたら◯◯して遊ぼうね」と予告しておき、なるべく帰宅後すぐに眠れるように整えていけるといいですね。

日本の住環境や文化が子どもの「睡眠」に影響している!?

海外では多くの国で子どもの睡眠についての研究が進んでいます。特に、子どもの睡眠を大切にしている国は、幸福度も高いという結果が出ています。

残念ながら日本は、子どもの睡眠時間が短く、幸福度も最低クラス。親が睡眠不足で疲弊してしまっていると、ちょっとした子どものわがままもサラッと交わしたり、「大丈夫だよ」「そんなときもあるよね」と受け止めたりしづらいですよね。

「子育ては寝られなくてしんどい」と思ってしまうと、子どもを産むことが怖くなってしまいます。私のコミュニティにも、「第一子で育児が大変だったので、第二子、第三子と産みたいけど怖くて産むことができない」と相談しにいらっしゃる方も少なくありません。

逆に言えば、子どもの睡眠の環境の整え方や睡眠習慣を正しく学ぶことによって、少子化を少しでも変えられるのではないかと私は考えています。

子どもの“セルフねんね”で、親子ともに睡眠不足を防ぐことにつながります。

日本の住環境は子ども部屋を作ることが難しいこともあり、さらには家族で川の字で寝るのが理想だと思われている文化もあります。ですが、“セルフねんね”は子どもに寂しい思いをさせながらするものではありません。子どもを自立させるために突き放すことではなく、子どもの本来持っている自立心を育むことです。自立を促すという視点で見てみると、子どもの当たり前の成長の一つと捉えることができます。

上手に自立を促し、親子で良質な睡眠をとって、心身ともに健康な毎日を過ごせることを願っています。

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お話を伺ったのは

よしおかゆうこ(吉岡祐子) 乳幼児睡眠コンサルタント

(株)BABY SLEEP SCHOOL 代表取締役。2014年にオーストラリアで長女を出産し、ネントレに出会い毎日が変わった経験が、睡眠コンサルタントとしての活動の原点となる。2018年に出産した次女は、生後すぐから良い睡眠習慣をつけ、現在に至るまで、2人の子どもを「寝かしつけゼロ」で育てている。ワンオペ育児の方や働くママにも、時間的・精神的にゆとりのある毎日を提供することを目標として、姉と助産師のコンサルタント3人で睡眠知識の普及に取り組み、たくさんの親子を寝不足から救っている。

現在は乳幼児ママ向けのオンラインサロン運営や雑誌・WEB、講演、オリジナル商品の「くるまるおくるみ」やマンスリーカードの制作、企業とコラボした睡眠アイテム開発等、幅広く活動中。

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生後すぐ~6歳までのお子様を対象として、オンラインコミュニティの運営や個別コンサルテーションを実施し、睡眠改善のアドバイスを提供。インスタグラムではねんねのヒントを発信中。
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■「くるまるおくるみ」と「マンスリーカード」については>>こちら

文・構成/鬼石有紀

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