親への反抗は子どものSOS!「ただの反抗期でしょ」はNOT免罪符。高学年~思春期の子どもへの「過保護・過干渉」注意報【教えて!石田勝紀先生|後編】

親が言わないと宿題はしないし、片付けもできない。その割には、最近親に反抗的な態度をとってくる…。自分の更年期と反抗期が重なって最悪!それって仕方がないことですか?
日本全国のママさん/パパさんの味方、教育専門家の石田勝紀先生に、「過保護」や「過干渉」について相談してみました。今回は主に思春期の親子にありがちな質問【後編】です。石田先生、子どもの反抗的な態度にイライラが止まりません!

前編では苦手なことへの関わり方や祖父母の過干渉について伺いました

子どもの苦手は手伝うべき?見守るべき?「過保護・過干渉」について、mama cafe主宰の石田勝紀先生に訊いてみた!《前編》
Q.「過保護」はOKで、「過干渉」はNGですか? POINT:過保護→過干渉へのスイッチングが問題。子どもとの関わりは成長と共にア...

Q.小学生と中学生で、親の介入の割合はどう変えていけばいい?

POINT:思春期が介入を減らすタイミング!子どもの成長と共に少しずつ変化を

一般的に、反抗期と呼ばれる時期が、親が子どもとの関わり方を変えなければならなくなるタイミングかと思います。女の子は小学5年生ごろ、男の子は中2の夏以降です(※個人差あり)。この時期はホルモンバランスの変化の他にも、脳が著しく成長する時期でもあり、大きく変化していきます。普段の関わりで子どもが反抗的な態度をとってきたら、親御さんが対応を変える時期です。

子どもは成長と共に”自分でやりたいこと”  “自分でできること”が増えていきます。今までの経験で「この子は私が言わないとやらない」と錯覚していると、成長の芽を潰してしまうことにもなりかねません

親が言うほど、頑なな態度を取られるように

やろうと思っている時に、「そろそろやりなさい」って言われるとやる気をなくしますよね? それは親御さんは、お子さんが小さい時からの名残でやってしまう。先回りして “言っちゃう”  “やっちゃう”に注意してください。お子さんによっては、早い段階からテキパキと自分のことが自分でできてしまう子もいます。そういうお子さんは、どんどん自分でやらせていって大丈夫です。

子どもへの関わり方は、常にアップデートしていかなければなりません。試してみてダメならば戻ればいい。その繰り返しです。

Q.過保護・過干渉での子どもからのSOSはどう表れますか?

POINT:反抗的な態度がサイン。自分がイライラしていたら、それもSOSの一つ

子どもが親に反抗的な態度をとってくるのは、対応を変えてほしいという気持ちの表れです。子どもは成長しようとしているので、親御さんのほうが変わるべきタイミングと思ってください。

また、自分がイライラしているのもSOSの一つです。自分がイライラするのは、更年期などによるホルモンバランスの乱れもありますが、ひとつには子どもへの接し方を間違えているからです。

子どもの態度にイライラが止まらないときもあるけれど…

どうしても子どもに口出しをしてしまう親御さんは、言い方を変えていきましょう。強い口調で「宿題やったの?」と聞くのと、ニコニコしながら軽く「宿題やったの?」と聞くのでは、同じセリフでも受け取り方が違ってきます。反射的に問いただす前に、いちど立ち止まり、頑張って笑ってみて。

自分のマインドセットがイライラや怒りモードになっていないか確認しながら、声掛けを少しずつでいいので変えてみてください。子どもだけでなく、自分の姿も振り返ってみましょう。

Q.過保護・過干渉が続いた場合のリスクを教えてください

POINT:自分で決める力が育たない恐れが。失敗や間違いこそが成長のチャンス

親世代の不良がわかりやすい例です。家庭内で厳しくされているから、外で暴れてしまう。全て家庭内に原因があるんです。最近では、進路のことや習い事の判断、勉強のやり方を勝手に親が決めてしまう、などが多い事例でしょうか。

なんでも親が決めてしまうと、自分で決定する力が育たなくなってしまいます。さらに、失敗しないように先回りしてなんでもやってしまっていると、自立心までも育たなくなってしまいます。これは子育ての上で非常にリスキーです。

子どもたちは失敗や間違いを繰り返しながら成長していくことを忘れないでください。

学校での面談でも、子育てが過保護・過干渉に陥っていないかチェックできる

POINT:家ではきちんと、学校で荒れていたら要注意!

学校の先生との面談でも、過保護度・過干渉度をチェックすることができます。

お家でダラダラしている子は、学校ではきちんとできている場合がほとんどです。逆に、家ではきちんとできているのに、学校では注意されることが多い場合は、赤信号。かなりお子さんにストレスがかかってしまっている証拠です。親子の関係性が悪いと、子どもは外で悪さをするようになります。先生との面談は、学校と家庭との意見をすり合わせる場。学校で荒れているようならば、親子関係を見直しましょう

「家ではきちんとしています!」と言いたくなるけれど、学内で荒れていたら要注意のサイン

私が主催する『Mama cafe』に参加し、親子関係を見直していただいた後は、みなさん笑顔でお家に帰ります。でも、残念ながら3日しか持ちません(笑)。それでもいいんです。“関わり方を変える”↔︎”戻る”を繰り返しているうちに、どんどんブレ幅がなくなっていきます。

愛情のある子育てを軸に、子どもの成長を見守って

前編でもお話ししましたが、子育ての基本は”自分ファースト”!  親御さんがイライラしたり疲れていたら、まずは自分をしっかり労って。

そして、愛情のある子育てに基本的に間違いはありません。ただ、心配のあまり子どもの手助けをしすぎたり、思春期に入っても幼児期と対応を変えていないようであれば、少しずつ接し方を変えていってみてください。

【前編】どこまでが「過保護」?「過干渉」?

https://hugkum.sho.jp/686446

お話を伺ったのは

石田勝紀先生
東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。20歳で学習塾を始め、これまで4000人以上の生徒に対し、「心を高める」「生活習慣を整える」「考えさせる」の3つを柱に指導。東洋経済オンラインで「ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?」は長期人気連載となり、累計1.2億PVを突破している。2016年からママさん対象に「カフェスタイル勉強会〜Mama Cafe」を全国で主宰し、年130回以上実施し、累計1.5万人のママさんと対面での相談を受けてきた。毎日配信している音声配信Voicyでは「Mama Cafeラジオ」を配信しフォロワーは2万人。
NHKあさイチ、フジテレビ「めざましテレビ」、日テレ「ZIP!」、TBS「あさチャン!」、「ガイアの夜明け」等、メディア出演多数。書籍は31冊出版。
石田勝紀YouTubeオフィシャルチャンネル
Voicyパーソナリティ
公式ブログ石田勝紀先生の公式HPは>こちら

文・構成/鬼石有紀

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