七夕に願い事をするのはなぜ? そもそも願い先は誰?【2023年版】親子の願い事ランキングも発表!

来る7月7日は七夕。保育園や学校、スーパー、ショッピングモールにまで笹飾りが設置されるのも、七夕ならではの光景です。短冊に願いごとを書く機会もきっとあることと思われますが、そもそもなぜ七夕には「願いごとを書く風習」があるのでしょうか? 今回は、七夕の願い事にまつわる逸話やお願いの仕方、ママパパやお子さんたちが書く予定の「2023年の願い事」をまとめてみました。

七夕に願い事をするのはなぜ?

七夕では笹の葉に、願い事を書いた五色の短冊を吊るしますよね。まずはこの涼しげな初夏の風物詩の由来や、願い事をする風習の起源についてお伝えしていきます。

七夕といえば織姫と彦星

七夕は、1年に1回、織姫と彦星が天の川を渡って会うことができる日です。この二人が7月7日の「年に1回」しか会えないことにも、ちゃんと理由があります。

織姫とは、その名前の通り、秋の豊作を願う際に、神様が着る着物を織る女性のこと。天の神様は、一生懸命にはた織りをしていた織姫と、牛の世話をよくする牛飼いの彦星を結婚させました。しかし、二人は二人で過ごすことが楽しくて、仕事もせずに遊ぶようになってしまいます。そこで怒った神様は、間に天の川を挟むことで二人を引き離してしまったのです。

そんな織姫と彦星ですが、哀れに思った神様が、七夕の日にだけ二人が会えるように計らってくれました。これが、二人が「年に1回」だけ会える理由です。そうして二人は、七夕の日のために、日々真面目に仕事をするようになりました。

願い事は中国の乞巧奠(きこうでん)が由来

では、なぜ七夕にお願い事をするのでしょうか。このことには、「乞巧奠(きこうでん)」という中国の風習が関係しています。乞巧とは、「技巧を授かるよう願う」「上達を願う」という意味。つまり、乞巧奠とは、織姫にあやかり、はた織りや裁縫の上達を願う儀式を指します。この儀式が、現在の七夕の「願い事をする風習」につながっていると考えられています。

笹飾りをするのはなぜ?

竹は、成長がとても早いことから、生命力の象徴であったといわれます。また、その葉は殺菌力が強いため、古くから魔除けとして利用されたりと、神聖なものとして扱われてきたそう。そこで、笹の葉を使って、そこに飾り付けをするようになりました。

笹飾りに使われるあみ飾りやひし形つなぎは、この儀式で使われた布製の飾りが元になっているのだとか。

願い事を叶えてくれるのは誰?

願い事を書いて吊るしてはいるものの、誰が願い事を叶えてくれるのか、考えたことがある人は少ないかもしれませんね。七夕の願い事は、いったい誰に向けたものなのでしょうか。

七夕のお願い先は織姫

先述してきたとおり、中国の風習だった「乞巧奠(きこうでん)」は、織姫にあやかり、自身のはた織りや裁縫の上達を願うものでした。つまり、お願い先は織姫なのです。

七夕の願いを叶えるのは自分

お願い事と言うと「○○できるようになりますように」のような形式で書くことが大半ではないでしょうか。しかし、七夕の願い事には、もともと新年の抱負のような、自分に誓いを立てるようなニュアンスがあったと言われます。

そのため、努力するのはあくまでも自分。織姫にお願いをして、あやかりつつも、それを実現できるかどうかは自分次第なのです。願い事、というよりは、自信を奮起するきっかけと捉えるのが正しいかもしれません。

七夕の願い事の仕方やルール

七夕にはどんな願い事を書くのがいいのでしょう?  漠然と書いている人も多いことと思われますが、そもそもルールはあるのでしょうか。

七夕は習い事の上達を願うといい

元々の風習では、はた織りが上手な織姫にお願いをすることから、手芸の上達を願ったそう。そこから、手習いや芸事が上手になるようお願い事をする人が増えたそうです。

また、短冊に自分の字で願い事を書くことから「字が上手になりますように」「習字が上達しますように」といった、字に関する願いごとも適しているようです。確かに、小さい子でも短冊には自分で願い事を書くことが大半ですよね。

健康や子どもの成長を願うのもOK

竹には「穢れを祓う」力があると信じられてきたことや、笹飾りの竹が勢いよく成長する様子を子どもの成長に重ねられることから、七夕には身体・健康についての願い事もぴったりです。家族みんなでお願いしてみましょう。

願い事のほかに七夕でやること

七夕は、準備から星空観測まで、子どもも存分に参加できる点が魅力的なイベントです。七夕に際して、家族で楽しめることをまとめてみました。

七夕飾りをする

外せないものといえば、やっぱり七夕飾り。笹の葉への飾りつけは、折り紙とはさみで簡単に作れるため、子どもが自分でできるのが嬉しいですよね。たくさん飾り付けをしたら、五色の短冊を用意して、みんなで願い事を書きましょう。

星(天の川)を見る

七夕といえば、星空観察も欠かせません。都市部では天の川まではなかなか見えませんが、きれいに光る星を観察するだけでも気分が盛り上がりますよね。東の空に輝く、「夏の大三角」を構成するベガが織姫、アルタイルが彦星です。星座盤を片手に探してみましょう。

行事食を食べる

七夕によく食べられるものといえば、そうめん。諸説ありますが、ここにも中国の風習の名残があるそう。言い伝えでは、7月7日に亡くなった帝の子どもが霊となって疫病を流行らせたため、子どもの好物だった索餅(さくべい)をお供えしたところ、疫病の流行が治まったとされています。

索餅とは細い糸を束ねたような小麦粉のお菓子で、そうめんの原型とも言われるものです。それを平安時代の貴族が取り入れた際に、喉越しのいいそうめんに変えられ、無病息災を祈願して7月7日に食べるようになったのだとか。

そうめんは、天の川に例えることもできる、れっきとした七夕の行事食なのです。

▼関連記事はこちら

【七夕の人気メニュー】行事食のそうめんや、可愛い&涼しげなアレンジレシピ・デザートまでお届け!
7月7日は七夕ですね。織姫と彦星の素敵なストーリーもあって、子どもと天の川が見えるかどうか、盛り上がる家庭も多いのでは。また、季節のイベント...

【2023年版】ママパパの願い事人気ランキング

HugKum編集部では、今年も「七夕の願い事」をアンケートで調査しました。以下では、ママパパから寄せられた願い事をランキング形式でご紹介します!

1位:家族のこと

ママパパの願いごとにもっとも多かったのは、『家族のこと』。アンケートのコメントには「家族の幸せ=自分の幸せだから」と考える声が多数寄せられました。昨今、感染症や災害など、日々心配事が絶えません。平凡でも構わないので、とにかく家族が健やかに楽しい毎日を過ごせたら、それだけで幸せですよね。

家族みんな健やかに楽しく暮らせますように 家族が身体的にも健康で、それぞれ楽しみがあったりやりがいを持って生活しているのが1番幸せなことだから。 (30代・神奈川県・子ども2人)
家庭円満で個々の願いが叶いますように。みんな願いは違うけど幸せになってほしいから(40代・埼玉県・子ども2人)
家族全員仲良く幸せに暮らせますように 自分だけでなく、子供・旦那にも幸せに暮らしてほしいから。(30代・群馬県・子ども1人)
平凡な毎日が送れるように。コロナや地震、物価高騰により、平凡であることが難しく感じられるから。 (40代・神奈川県・子ども2人)
家族みんなが元気で健康にすごせますように。結局、病気もせずに元気で育ってくれることが一番だと思うから。(30代・埼玉県・子ども3人)

2位:健康のこと

2位は『健康のこと』でした。育児中は自身の健康に気遣う間がなく、体調が気掛かりになってきた、というママパパは少なくないようです。願い事に掲げることが、健康管理を見直すきっかけになると良いですね。ほか、親御さんやお子さん、家族みんなの健康を願うとの声もありました。

生活習慣病になりませんように。今後の生活のために大切なことだから(50代・大阪府・子ども2人)
心身ともに健康に過ごせますように 本厄だから (30代・埼玉県・子ども2人)
家族や親族が健康に過ごせますように。 心身ともに健康なら楽しい1年を過ごせると思うから。(40代・埼玉県・子ども3人)
コロナやインフルエンザなどにかからずに元気に過ごしてほしい。 学校の行事がたくさんあるので、体調を悪くすると参加できずに、楽しい思い出が残せないから。(40代・静岡県・子ども2人)
知人に闘病中の方がいるので、その方の治癒と健康をお願いしたい 病気が早く良くなって欲しいと思うので (30代・埼玉県・子ども2人)

3位:子どものこと

3位は『子どものこと』でした。健康や、将来のことなど、子どもに関する心配ごとも尽きません。子どもが健やかに幸せに暮らしていけることは、親にとってはなによりの願いではないでしょうか。

怪我や病気をする事なく、健康で過ごせますように。健康はすべての基本だと思うので、健康なくして、他の願いは叶えられないと思うので、 (30代・京都府・子ども1人)
元気に自分が進む道が明るいように。子供が大切だから (40代・秋田県・子ども2人)
戦争や紛争、飢餓や犯罪に巻き込まれる事なく、普通で良いので幸せな大人になって欲しい。 戦争を身近に感じるから (30代・兵庫県・子ども2人)
運動も勉強もできるようになって欲しい。心配だから (40代・千葉県・子ども2人)
柔道で怪我をしないように。 受け身失敗が多い (40代・神奈川県・子ども1人)

4位:給料やお金のこと

『給料やお金のこと』は4位に。お給料は変わらないのに、物価が高騰していて辛い…というのは、昨今、大部分の育児家庭が抱える深刻な悩みです。そのためか、家族の幸せな暮らしのために、まずは「給料が上がりますように」と願う声が多く見受けられました。なかには「宝くじが当たりますように」と願う方も!

業績が上がって昇給しますように。物価高騰がひどい (30代・千葉県・子ども2人)
貯蓄に回せるぐらいの黒字給与が欲しい。貯蓄が出来てないから (40代・山口県・子ども2人)
給料が増えますように 家族が増えたら、お金がかかるから (30代・大阪府・子ども1人)
宝くじが当たりますように。宝くじが当たれば今のお金に関する悩みがすべて飛びそうな気がするから 働いて給料が上がってほしいのはそうだけど、ここで願うにはちょっと違う気がするので宝くじにした (30代・大阪府・子ども2人)

5位:日本や世界のこと

5位には『日本や世界のこと』がランクイン。日本国内のことはもちろん、世界で起こる紛争も決して他人事ではありませんよね。家族が今後も幸せに暮らすためには、まずは日本が、世界が、平和であってほしいものです。

世界が平和になりますように。いいと思うから (40代・大阪府・子ども2人)
世界平和。平和が一番 (40代・鹿児島県・子ども1人)
日本、世界平和。他人事ではないから (40代・東京都・子ども2人)

6位:夫婦のこと

『夫婦のこと』は6位に上がりました。ママとパパが良い関係を築けていると、お子さんも穏やかに過ごせるもの。夫婦間での「会話が減ってきた」というお悩みとともに、「仲良くいたい」という、夫婦円満に関する願い事が寄せられています。

仲良くいたい。会話が減ってきたから (30代・三重県・子ども1人)

7位:欲しい物のこと

そのほか、『欲しい物のこと』についての願い事も挙がりました。「今年こそはこれを買う!」「推しのライブに行く!」など、欲しい物・行きたい場所などを目標に、日々頑張れているママパパはきっと少なくないはず。

推しのライブにたくさん行きたい(30代・京都府・子ども2人)

8位:仕事のこと

なかには、『仕事のこと』を願うママパパも。『給料やお金のこと』と同様に、仕事がうまくいくことで、より生活がしやすくなるように、と願う声が見受けられました。

旦那の企業がうまくいきますように。お金のため (40代・神奈川県・子ども3人)

【2023年版】子どもたちの願い事人気ランキング

では、子どもたちは短冊にどんな願い事を書くのでしょうか。ママパパたちから寄せられた、2023年の七夕に「子どもが短冊に書きそうな(書く予定の)願い事」を同じくランキング形式でご紹介していきます。

1位: 欲しいもののこと

多くのコメントとともに多数の票が寄せられた1位は『欲しいもののこと』でした。欲しいおもちゃやゲーム、洋服、行きたい場所等々……。想像するだけで、子どもの夢はひろがるものではないでしょうか。短冊に書いておいてくれると、親としても贈り物をする際の参考にしやすいかも。

たぶん、自分の集めているおもちゃが集められる事か、ディズニーに行きたいだと思います。 よく、話しをしている内容がその二つなので、たぶん、今はそれが願いかなと思います。 (30代・京都府・子ども1人)
今年こそは携帯が手に入りますように。 ずっと携帯が欲しいと言っていたがまだ早いと言って買っていない。 (30代・沖縄県・子ども1人)
お洋服が欲しいとお願いしそう。これが欲しいと言っていたから (50代・大阪府・子ども2人)
ニンテンドーSwitchが欲しい。欲しがっているから。 (40代・埼玉県・子ども1人)
好きなゲームソフトやカードゲームが欲しい。今はまっているから (40代・神奈川県・子ども2人)

2位: 友達や遊びのこと

2位には『友達や遊びのこと』がランクインしました。子どもは遊ぶことも仕事のうち。「友達といっぱい遊びたい!」「〇〇をして遊びたい!」といった、ワクワクするような願い事が多数寄せられました。

行きたい場所の事や友達との事など 行きたいと話していた場所や会いたい遠方の友人がいる為 (30代・埼玉県・子ども2人)
友達とたくさん遊べるようにお願いすると思う まだなにかがしたいとか何かが欲しいとかの欲求はないようで、今はお友達と遊ぶのが楽しいみたいだから (30代・神奈川県・子ども2人)
いっぱい遊びたい 遊びが好きだから (30代・大阪府・子ども1人)
海に行きたい 去年も同じことをお願いしたから (30代・埼玉県・子ども1人)

3位: 勉強や成績のこと

『勉強や成績のこと』は3位に。「100点を取れますように」「成績が上がりますように」のように、テストや成績に関するお願いが挙がっています。ふだんから勉強を頑張っている証拠ですね。

100点取れます様に。テストで良い点取りたいから (30代・岐阜県・子ども2人)
成績があがりますように。テスト勉強頑張っているから (40代・奈良県・子ども2人)
勉強、成績が上がるように 塾でがんばっているから (40代・神奈川県・子ども3人)
勉強が出来るようになりますように テストでいい点数を取りたいから (30代・栃木県・子ども2人)

4位: 将来の夢・なりたいもののこと

4位は『将来の夢・なりたいもののこと』。将来の夢に関するものは、子どもの願い事の定番ともいえます。「プリキュアになりたい」「キングオージャーになりたい」といったアニメ・特撮キャラクターへの憧れが表れたものから、具体的な職業を目標として掲げるものまで、さまざまな夢が寄せられました。

アイスクリーム屋さんになりたい。アイスクリームが大好きで、お店で働きたい (30代・千葉県・子ども2人)
キングオージャーになりたいと書くと思う。 毎日キングオージャーごっこをしているため。 (30代・群馬県・子ども1人)
パティシエになりたい。最近お菓子作りに目覚め、将来の夢はパティシエになることだと言い始めたから。 (30代・神奈川県・子ども2人)
プリキュアになりたい プリキュアが好きだから (40代・栃木県・子ども1人)

5位: 習い事のこと

『習い事のこと』は5位に。「そろばんが上達しますように」「水泳がうまくなりますように」等々、習い事に通っている子は、自分の技芸の上達をお願いする場合も多いようです。習い事に熱心に打ち込んでいることが伝わってきます。

そろばんが上達すること。級が上がること。 そろばんの1級の試験に合格すれば、そろばん教室をやめることができるから。 (40代・静岡県・子ども2人)
強くなりたい。柔道をしているから (40代・神奈川県・子ども1人)
水泳がうまくなりますように。水泳があまり上手ではないので (40代・神奈川県・子ども2人)
絵がうまく書けるようになったり、習い事が上達するようになりますように。 なんとなく思いました。 (40代・東京都・子ども2人)

6位(同率): お金・お小遣いのこと

なかには、『お金・お小遣いのこと』との声もありました。自分でお小遣いをやりくりするようになると、具体的な欲しい物よりも、まずは「お金がほしい」と考えますよね。あとどのくらいのお小遣いがあれば、自分の好きなことができるのか、計画を聞いてあげるのも◎。

おこづかいがほしい。欲しいものがいろいろ買えるから (40代・愛知県・子ども2人)
小遣いが増えます様に。友達と色々な場所に遊びに行く様になったから (30代・熊本県・子ども3人)
お金がほしい…かな 好きなものも食べたいものもやりたいことも我慢させているから (40代・秋田県・子ども2人)

6位(同率): 受験合格

『受験合格』は6位に。小学校も中学年・高学年になると、受験勉強に取り組む子が増えます。志望校に受かるかどうか、不安を抱えている場合も多いのではないでしょうか。「志望校に受かりますように」と短冊に書くことで、自分をさらに奮起できるはず。

志望校に受かりますように 受験に不安を抱えているから (40代・埼玉県・子ども2人)
受験合格 受験生だから (40代・福岡県・子ども2人)

子どもの願い事には「熱中していること」「気掛かりなこと」が書かれる傾向に

今回は、七夕の発祥や願い事を書く風習の由来、みなさんが今年短冊に書く予定の願い事をご紹介してきました。

お子さんの願い事には、今一番に熱中していることや、今一番に気掛かりなことが顕著に表れていましたね。七夕はお子さんが普段どんなことを考えているのか、願い事を通じて知るチャンスです。いやがられなければ、短冊を覗き見てみるのも良いかもしれません。

あなたにはこちらもおすすめ

2023年の「伝統的七夕」とはいつ? 7月7日じゃない⁉ 七夕との違いや目的とは
七夕は7月7日だけじゃない!? 織姫と彦星が1年に一度だけ天の川で会える「七夕」。でも7月7日以外に「伝統的七夕」と呼ばれる七夕があります...
昔から七夕に食べられていたものは?天の川はヨーロッパでは何と呼ぶ?【子ども向け☆季節の知っ得クイズ】
日本には、季節の移り変わりとともに、様々な文化や習慣があります。一年でその時期にしか耳にしないことばも多いので、子どもにはベストなタ...

文/羽吹理美 ほか 構成/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事