【2024中学受験】苦しかった2月1日からの4日間「受験させなきゃよかった…」連続不合格も最後の大逆転!娘の勇気に救われた母の想い

今春、中学受験を終えたばかりのⅯちゃん(東京都在住/小6女子/4月から私立共学校に進学予定)。受験スタート(1月校)の滑り出しは上々でしたが、2月はまさかの展開に⁉ お母さんが、思いもしなかった壮絶なドラマを語ってくれました。

順調スタートの1月から一転、辛かった2月本番

祖父母、塾の先生などにもらったお守りと、イギリスに住む親友姉妹からの手紙をジップロックに入れて試験会場へ

前受け校では順調な滑り出しも、思わぬ事態に

―1月校は受験されましたか。

受けました。東京で受験できる地方の私立校を2回、さらに千葉県の女子校、合わせて2校合計3回受けて、3つとも合格をいただきました。

―滑り出しは上々ですね。

順調なスタートにホッとしました。でも、2月は思いもかけない状況になったんです。

―2月1日の受験プランを教えてください。

午前は、第一志望校のB校(一般クラス)を受験しました。午後はお守り校のC校を受験。

―その結果は、当日発表されましたか?

合否は両校とも当日発表されたのですが、夫婦で話し合って、あえて見ないことにしました。

―あえて見なかったのですか? 結果が気になりませんでしたか?

実は、私は見るべきだという考えで、夫とは意見が食い違いました。でも、もし×なら、翌日以降も受験は続きますから、結局、家族みんな誰も見ないことに決めました。そうしたものの、やはり私は結果を知りたかったのですが、ダメだった場合にはきっと感情が顔に出てしまうと思いました。そして、私の動揺がすれば、きっと子どもも気づくだろうと思い、我慢しました。

―1日目の結果を見たのはいつですか?

2日目午前中の試験を終えた後、ランチのときに見ました。

―結果は?

B校は×、午後のお守り校のC校は〇でした。

―2日の受験はどう組みましたか。

午前はÐ校(大学付属)、午前はB校(特進クラス)にチャレンジしました。

―発表は当日でしたか?

はい、当日の夜でしたが、両方とも×。B校は難しいコース(特進クラス)だったので、まあ難しかったのだろうなとは思いましたが、Ð校は模試でも8割合格の判定が出ていたので、「何で⁉どうして⁉」と家族みんなで落ち込みました。子どもも「できた」と言って、試験会場から出てきたのに…。

―予想していなかった不合格には、気持ちが追い詰められてきますね。

はい。家族みんな、精神的に追い詰められてきました。

―3日の受験プランを教えてください。

午前は、もともと受験しない予定で、出願していませんでした。午後は、第一志望のB校(一般コース)を再受験。当日夜に結果は出ますが、本人とも話し合って、やはり翌日まで結果を見ないことに決めました。というのは、4日は午前に女子校のE校、午後にA校受験を考えていて、「2日のB校の結果次第だね」と言っていたのですが、結果は2日は××。ここへ来ると、もう本人もかなり自信を無くしちゃっているので、3日目の結果を見ないで受験したいというので、あえて結果を見ないで4日目を迎えました。

―その4日の結果はいつ出たのでしょうか。

B校は4日夜の発表予定で、A校の発表は翌日5日です。B校の発表は、当日の夜、見ました。

―近年、受験前日の23時ぐらいまで志願できる学校が多いようですが、4日目の合否によって、5日目の受験を考えましたか。

5日は、もうどこも受けるつもりはありませんでした。親子ともに気に入っていたC校に進学してもいいと思っていましたし、4日の夜は、「受験終了、おつかれさま」ということで、家族でしゃぶしゃぶを食べに行きました。

―3日と4日に受けたB校の結果は?

家に帰って、結果を見たら、3日も4日も×。その時点で、本人メンタルはズタボロだったようです。黙ってお風呂入っているので、こっそり様子を伺ったら、しくしく泣いていました。

「C校に進学することはみんなに言わないで」娘の発言に打ちのめされた2月4日

―これまで頑張ってきた子どもが泣いているのは、本当に切ないですね。

私も泣きました。ああ、頑張ったのに、報われなかったなと。さらに衝撃的だったのは、娘から「自分がC校に進学することを、近所の人とか学校の人とか、誰にも言わないでね」と言われたことです。大人と同様、子どもも偏差値で学校を評価するというか、いつの間にかランク分けをしていて、本人にとっては不本意な学校に進学するのを恥ずかしいと思ってしまう…。その価値基準を与えてしまったという事実に打ちのめされました。

―中学受験を考える親にとって、考えどころですね。

うちの娘は、まあ、通い始めたら、元気に通うだろうとは思っていましたが…。でも、その夜は、受験をしたこと自体が間違っていたかもしれないとは思いました。親ができることは、今後は偏差値じゃない評価軸も提示して、子どもを幸せにしてあげることかなと。この先、留学してもいいし、別の価値観を持ってほしいなとも思いました。

―お父さんの様子はいかがでしたか?

夫も眠れず、明け方くらいまで起きていました。熱心に娘の受験に取り組んできただけに、自分のせいで受験校やスケジュールを間違えた…と悔やんでいたようです。特に、第一志望校にこだわりすぎたかも…と。安全圏でもないのに、何回も受験させて、本人に悔しい思いをさせたのは自分のせいだと思ったようです。

―そのときのお母さんのお気持ちも聞かせてください。

もう後悔してもしょうがないから、前向きな気持ちになろうと気持ちの切り替えを考えていました。5日から娘は小学校へ通うし、父も母も仕事があるし…。

倍率6倍越えの厳しい戦いを終えて

―4日に受験したA校の発表は、5日でしたね。

本人は、出来たつもりの試験が×だった経験から、4日の試験の出来については何も言いませんでした。それに、4日以降は倍率がすごく高くなります。A校も、去年は7倍、今年も6倍ほどでした。加えて、A校対策の過去問も、ほぼやっていなかったので、厳しい闘いだと期待はしていませんでした。

―発表を見たときの状況を教えてください。

5日の昼に、夫だけが見ました。なんと、A校合格していました!強烈な倍率を勝ち抜いての合格、よく受かったなと。小学校が終わってそのままお友達の家で遊んでいた娘のキッズ携帯に電話して「ちょっと話があるから帰ってきて」と言いました。「え、何で帰らなきゃいけないの?」と言いつつも帰ってきたので、合否を知らないふりをして、一緒に「合格」の文字を見ました。

―念願の合格ですね!

4日間で7校受験、ようやく本人が満足する合格をいただくことができました。でも、後から娘と話したら、「ママ、結果を知ってたでしょ」と言われました(笑)。バレていたみたいですね。

「夫婦それぞれ、得意なところをやればいい」絆が深まった中学受験

冬休みの学校の宿題の書き初めで書いた目標を壁に貼って頑張った

「諦めなくてよかった」最後までわからない中学受験

―波乱万丈の中学受験でしたが、今、どう思いますか。

正直、受験が終わって2週間経ちましたが今は虚脱しています。感情の起伏が激しい日々が続いたので。自分が何もしてあげられない状態で、もがき苦しんで泣いている子どもの背中見ているのは、つらかったです。まだまだ、疲れがとれません。

―お父さんの様子はいかがですか。

夫は本当に喜んでいます。説明会、体操服や制服の採寸などを通じて、家族みんながこの学校に通うんだなという気持ちが高まっています。

―娘さんの様子も教えてください。

今は、楽しく遊んでいます。スキーに行ったり、おじいちゃんやおばあちゃん、親戚とごはんを食べたり、友達とイベントに出かけたり…。USJにも行きたいと言っているので、計画中です。

―中学受験を振り返って思うことは何でしょうか。

親子ともに成長できたのは良かったと思います。それに、夫婦の絆も深まったかな。ふだん、夫は仕事が忙しくあまり家にいないので、家事も育児も私がワンオペ状態でしたが、中学受験に関しては、しっかりやってくれたと思います。私主導で中学受験をしていたら、夫のように冷静ではいられなかっただろうなと…。中学受験をきっかけに、夫婦それぞれ、得意なところをやっていけばいいのかなと思いました。

―これから中学受験をする親子へのアドバイスをいただけますか。

学校見学を通じて、偏差値では測れない、魅力のある学校がたくさんあると分かりました。学校見学に行けるチャンスは数年しかないし、お子さんの個性とか方向性を考えて合う学校と出会えるように、いろいろ見学されることをお勧めします。

―最後に、中学受験とは?

ずっと夫主体で、私はサブ的な感じで関わってきましたが、最後の最後、2月1~4日の4日間は、自分の首を絞められているような苦しさを感じました。やはり、中学受験は親子で取り組むものですね。受験校選びとか、倍率の情報とか、親のサポートは欠かせないと思いました。また、どれだけ親がサポートしても、すんなり受験を終える子もいれば、長引く子もいます。

―いろいろな経緯があり、一人ひとり結果も違いますね。

実は、4日間で7校も受けるのは体力も気力も厳しかろうと、「4日目午後のA校の受験は止める?」と言ったのです。すると、娘は「全然大丈夫、受けに行くよ」と言って、見事にA校の合格を勝ち取りました。娘が進学するA校は、最初に学校見学に行き、親子でいいなと思っていた学校なので、我が家としては第一志望校と同等の学校です。親のほうから受験を諦めさせなくて本当によかった、娘の勇気が合格をたぐり寄せました。受験は何があるかわからないけど、最後まで親子で頑張ることが大切だと思います。

 

最後まで諦めなかった気持ちの強さ、頑張り続けた勇気は、Ⅿちゃん自身の心の財産になったはず。中学受験を通して夫婦の絆が深くなったことも、お父さんとお母さんにとって、大きな収穫でしょう。Ⅿちゃんも、お父さんお母さんも、本当にお疲れさまでした。

さあ、新しい春が来ます! Ⅿちゃん、これからも前を向いて、頑張ってね!

Mちゃんの中学受験ストーリー前編はこちら

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取材・文/ひだいますみ

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