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新入学準備、部屋づくりはどこから考える?
春を前に、新しい生活を思い描く時期。小学校入学を控えたご家庭では、「準備は何から始めたらいいの?」と、気持ちが少し焦りやすい時期でもあります。それは、わが子が小学校生活を楽しく、安心して過ごせますようにという、どの家庭にも共通する願いがあるからだと思います。

私自身、中学1年生の長女、小学4年生の長男、小学2年生の次男の3人の子どもを育てています。成長や暮らしの変化に合わせて、キッズスペースや収納の形を見直してきました。
今回は、わが家の経験を踏まえながら、新入学を控えたご家庭はもちろん、小学生のいるご家庭に向けて「キッズスペースのレイアウトと家具選び」についてお伝えします。
子ども部屋は、最初から「完成させなくていい」
「入学前に子ども部屋を完成させなければ」と感じる方も多いかもしれません。でも、小学校生活は始まってみないと分からないことばかり。先回りして整えすぎず、あとから変えられる余白を残しておくことが大切です。

持ち物やプリントの量だけでなく、子どもの気持ちや体力面の変化も、入学前には想像しきれません。それは2年生以降も同じ。担任の先生やクラスの雰囲気によって、感じ方や負担は変わっていきます。
特に4月から5月は、「小学校に行って、無事に帰ってくる」だけで十分です。ランドセル置き場や学用品収納も、入学時点では「仮」でOK。最初から完璧を目指すより、「変わって当たり前」という前提を、親子で共有しておくと安心です。
下校後から登校まで、家でやることは意外と多い
新しい環境に少しずつ慣れてきたら、下校後から翌朝の登校までの流れを整えます。
1. 置く:帰宅後、ランドセルや上着、学用品を置く
2. 出す:ランドセルの中身を出し、必要なものを分ける
3. 持って出る:翌朝、忘れ物なく家を出る
この3つが無理なく回っているかどうかが、大切なポイントです。前日に準備していても、翌朝に持っていくのを忘れてしまえば、仕組みとしてはうまく機能しているとは言えません。
この流れの中には、親へのプリントを出す、時間割を確認する、体操着や上履きなどの洗濯物を出すといった細かい行動も含まれます。疲れて帰ってきた子どもにとっては、ひとつひとつが意外と大きな負担になります。
「置きっぱなし」は収納見直しのサイン
思った以上にやることが多い小学生ですが、もちろん最初から完璧にできなくて大丈夫。下校後に力尽きて、決めた場所に置けない日があってもOKです。

いくら声かけしても、決めた場所以外に何日もランドセルや上着が「置きっぱなし」になっているとしたら、子どもに合わない収納を設定している可能性もあります。それは、子どもを責めるより先に、収納の仕組みを見直すサインなのかもしれません。
細かい収納方法や見た目の完成度は、後回しで構いません。子どもの様子に寄り添い、ルールを見直しながら、夏休みなど落ち着いたタイミングで整えていくくらいがちょうどいいと感じています。
家具を選ぶなら「汎用性のあるオープン棚」
ランドセルや学用品の収納家具は、必ずしも新たに購入する必要はありません。大物家具は一度購入すると買い替えにくいので、慎重に選ぶことをおすすめします。
家に作り付けの収納や余っている棚があれば、まずはそれを使ってみるところからでも十分です。実際に使ってみることで、新たに家具を買う場合のサイズ感や必要な収納量も見えてきます。

小学生向けに「ランドセルラック」のような専用家具を検討する方も多いと思います。でも、ランドセルの置き方が変わったり、教科書やプリント、学用品が増えたりと、小学校生活は想像以上に変化が多いもの。用途を限定した専用家具は、成長とともに使いづらくなることもあります。
そこでおすすめしたいのが、汎用性のあるオープン棚です。扉や引き出しがなく、仕切りやボックスで使い方を調整でき、後から組み替えられるもの。暮らしや成長の変化に合わせて役割を変えられる家具を選ぶと、長く付き合いやすいです。わが家のキッズスペースと学用品収納の変遷をご紹介します。
成長に合わせて、少しずつ変えてきた収納

わが家では、リビング横の部屋をキッズスペースとして使っています。長女が1〜2歳の頃から、無印良品の「パイン材ユニットシェルフ」をおもちゃ収納として使い始めました。組み立てが簡単で、中にボックスを入れたりや側面にフックをひっかけたりと収納量を調整できます。

使い勝手が良かったため、長女が小学生になるタイミングで、同じシリーズの高さ120cmタイプを1台買い足して学用品収納に。当時、ランドセルは棚の側面にフックでひっかけていました。

棚に少しゆとりがあったため、長男が小学1年生になるタイミングで2人でシェアして使うように。壁から少し離して、両側に物をひっかけられるようにしました。
次男の入学に合わせて、キッズスペースの学用品収納は長男と次男でシェアすることに。

6年生の長女には個室を用意し、学用品収納は新たに無印良品の「スタッキングシェルフ」を購入。後からレイアウトを変えられること、奥行き28.5cmで圧迫感が出にくいこと、部屋に合うブラウンカラーが選べたこと。これらの点から、この棚を選びました。

昨年の夏、電子ピアノの購入を機に、キッズスペースのレイアウトを変更しました。使用頻度が下がってきたおもちゃは作り付けのクローゼットの中におさめ、衣類はIKEAの「TROFAST (トロファスト)」と山善の「L字ハンガー」に収納。長男の学用品は、パイン材ユニットシェルフの高さ120cmの帆立(主に家具の内部を仕切る縦板)を2本追加購入し、1台の棚に組み替えました。
次男のエリアは、もともと持っていた無印良品の「パイン材ローテーブル・折りたたみ式」を棚の下部に差し込みました。タブレットで遊んだり、宿題をしたり。兄弟それぞれの居場所と収納場所をゆるく分けました。


長女が中学生になり、学用品や部活グッズなど、物がグッと増えました。現時点では棚のレイアウトは変更していませんが、必要があれば拡張することもできるので、今後も長く使えそうです。
わが家の様子からお分かりいただけるように、収納は子どもの成長に合わせて少しずつ変わります。模様替えしたり、部屋を移動したりして使う可能性もあるので、汎用性のあるオープン棚がおすすめなのです。
学習用デスクも「急いで決めなくていい」
学習用デスクについても、「小学生になったら必ず自分の机で勉強するもの」と、最初から決めてしまう必要はないと思っています。
特に低学年のうちは、親が学習の様子を見たり、声をかけたりする場面も多いので、リビングやダイニングなど、親の目が届く場所での学習が合う子も少なくありません。

わが家でも、子どもたちの勉強は長くダイニングテーブルが中心でした。長女が中学受験に取り組んでいた高学年の頃も、ダイニングテーブルに教材を広げ、そばでサポートしながら勉強することが多かったです。

現在小学2年生の次男は、学用品収納の下段に差し込んでいる折りたたみテーブルで宿題やタブレット学習をしています。これはもともと家にあり、リビングやキッズスペースなど場所を変えながら使っていたものです。
また、長男のデスクとして使っているのは、コロナ禍に親の在宅ワーク用として購入したミニデスク。以前は長女の部屋にありました。小さく移動しやすいので、場所や使う人を替えながら使い続けています。


長女が中学1年生になり、中間テストを控えたタイミングで学習用デスクを購入しました。サイズや機能は本人と相談しながら決めました。個室のインテリアに合うものを選べて満足しています。
学習用デスクも、棚と同じく買い替えにくい家具です。小学校の入学準備として急いで用意するよりも、まずは今あるものを使いながら子どもの様子を見る。必要になったときに選ぶくらいが、ちょうどいいです。
今と、その先を見据えた部屋づくり
小学校に慣れるまでは、親の手助けが必要な場面も多く、共有スペースのほうが安心なこともあります。一方で、成長に伴い少しずつ「自分の領域」が必要になってきます。
だからこそ、小学校入学の新生活に合わせて急いで個室を完成させたり、家具で固めすぎたりせず、変えられる余白を残しておくことを大切にしています。
新入学に限らず、学年が上がるタイミングや「最近少し使いづらくなってきた」と感じたときも、暮らしを見直すよい機会です。最初から整えすぎないこと、うまくいかなかったらルールを変えること。生活が回ることを優先しながら、少しずつ整えていけば十分だと思っています。
次の記事では、学用品収納やラベリングなど、実際に生活が始まってから役立つ細かい工夫についてご紹介します。
新生活に役立つ片付け・分類の仕方など細かな工夫がよく分かる!

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