【女子御三家中学受験】小3の夏からSAPIXへ。直前期に伸びた!小5で始まった成績不振期「中だるみ」から抜け出すまで〈前編〉

Sさん(東京都在住)は、女子御三家中学へ通う娘さんをもつワーキングマザー。数年前に中学受験をした動機から、塾選び、志望校の決め方、成績の推移など、体験談を2回にわたりお伺いしました。※今年度以前の受験記につき、現在とは異なる点があります。

小3の夏からSAPIXに通い始めたら、意外なメリットもあった!

――Sさんはご夫婦ともに地方出身で中学受験の経験がないそうですが、娘さんに中学受験をさせようと思ったのはどうしてなのでしょう?

Sさん(以下S):娘は負けず嫌いな性格で競争心が強く、中学受験が向いているタイプだと思いました。大学や就職先で出会った同級生や同僚のうち、首都圏出身者のわりと多くは中学受験を経験していました。私も夫も田舎でのんびりとした小・中学時代を過ごしましたが、そのぶん高校に入ってから勉強が大変だった。そのことから娘には中学受験に挑戦してもらい、早いうちから勉強と向き合ってほしいと考えるようになりました。

――塾は小3の夏休みから、SAPIXに通い始めたそうですね。

S:負けず嫌いな娘は競争が激しい環境でもなじみやすいと考え、SAPIXを選びました。小3の夏期講習から通い始めたのは、共働き家庭であってもはじめの何度かは一緒に塾に通えるスケジュールを確保できそうだったからです。平日に小3の子どもひとりでいきなりバスに乗って通塾するのは難しいと思ったので、変則的なスケジュールである夏期講習から通い始めたほうが都合がよかったのです。

ただ、通常より数カ月早めに入塾したのはほかにもメリットがあったように思います。入塾テストの結果を受けて、ちょうど真ん中のクラスからスタートしたのですが、徐々にクラスアップして、新小4の最初のクラス分けテストでは最上位クラスになることができました。数カ月間かけてSAPIXのテスト形式に慣れたのだと思います。結果的に、自信をもって新小4のスタートを切ることができました。

使い終わった塾のテキストは、教科別に100円ショップで購入した段ボールボックスに番号順に並べて収納。あれこれ凝るよりシンプルな収納がいちばん使いやすかった。

成績ダウン…5年後期から「中だるみ期」に突入

――その後、SAPIXでの成績は順調でしたか?

S:5年生の夏までは順調で、上下しつつも上位クラスである「α(アルファ)クラス」の中ほどをキープしていました。しかしその後は成績が少しずつ落ちていきました。得意だった地理が終了し歴史に入ったり、天文など理科の苦手な単元が増えていったり、今までなんとなく解けていた国語の問題が読解力不足で解けなくなったり。算数も立体図形など苦手な単元がどんどん増えていきました。同時にやる気を失い「中だるみ期」に陥ってしまいました。このときは少し早めの小3の夏から通い始めたことを後悔しました。新小4のタイミングで受験勉強を始めていたら、中だるみを感じなくてもよかったのかも……と。

――それは親としても心配ですね。どう対応されたのでしょうか?

S:理科はYouTubeなどで苦手な単元の解説を見つけてきては一緒に観ました。小5の後半から全ての教科が難しくなったように思うので、せめて歴史マンガをもっと早くから読み進めておけばよかったなと思います。その時間を算数や国語に使えればよかったなと。

私も夫も中学受験は未経験なので、特に算数の「旅人算」「流水算」のような中学受験ならではの解法を教えることができませんでした。SAPIXのテキストの解説はいたってシンプルでそっけなかったので、これだけを頼りに伴走できる親御さんはすごいなと思います。今ならAIの力を借りることで少しは解説がしやすくなったかもしれませんが。

国語に関しては、今思えば娘の精神年齢が低めだったことが原因だったのかなと思います。早生まれの娘は、ただでさえ発達において中学受験で不利な面があり、それが最も顕著に表れたのが国語だったのかなと。中学受験では間に合いませんでしたが、中学生になった今では国語はむしろ得意科目になりつつあり、時間とともに解決することもあるので親は気にしすぎないことも必要なのかなと思います。

――成績低迷期はどのように抜け出せたのでしょうか?

S:低迷期は小6の秋まで続きました。入試まで半年を切っていました。夏前のクラス分けテストでは今まで経験したことのないクラスに大幅ダウンしました。偏差値でいうと10ポイント以上落ちたことになります。それで娘も「このままだとまずい」と気づいたようです。夏休みは熱心に勉強し、夏期講習に食らいついていました。秋のはじめのクラス分けテストでは久しぶりにαクラスに戻れたものの、相変わらず模試の結果はさんざんでした。実力としては、秋になってもまだ低迷していました。

――そうなると志望校選びにも影響してきますね。

S:SAPIXでは個人面談は小6の前期と後期に1度ずつ、計2回しかなかったのですが、前期の面談で女子御三家のうちの一校をすすめられました。学校見学に行って感じた娘の感触と、秋以降に取り組みはじめた過去問の相性を見ながら志望校を決めました。11月に受けた第一志望の女子御三家の学校別模試の合格率は50%、ちょうどボーダーライン上でした。

「合格点に達しているかわからない…」女子御三家ならではの不安との戦い

――過去問はどのように取り組みましたか?

S:SAPIXでは過去問は一部をのぞき、秋以降に各家庭でやってくださいという方針でした。第一志望校は11年分、第二志望校も10回分以上取り組みました。この2校をしっかり対策することで、どちらか一方には合格できることを目指しました。第3志望校以降は2~3回分ずつ取り組みました。

過去問を解くうえで女子御三家ならではのつらさがありました。それは「合格点が発表されていない」ということです。これは地味にこたえました。合格点に達しているかどうかが分からないので、いくら過去問を解いても安心できないのです。合格点が分かっていればもう大丈夫だろうと、他の学校の対策に時間を割くことができるのにとモヤモヤしました。さらに女子御三家の問題は独自性も高めで、慣れるまでに時間が必要でした。

――秋以降の成績は順調でしたか?

S:模試の結果は秋までは不調でしたが、冬以降に向上しました。このタイミングでやっと苦手な単元も克服できるようになり、完成形に近づいてきたのだと思います。結果論ではありますが、この時期の子どもたちの進化は目覚ましいものがあるので、夏までの成績だけでは測れないと感じました。

一方で、SAPIXでは直前期まで男女混合クラスも継続されていたので、女子校志望であっても、男子校向けの難しいレベルの算数にも付き合わされてしまっている感がありました。この時期は志望校対策に専念したいのに……と歯がゆく感じることもありました。

――6年の秋頃まで続いた低迷期ですが、成績の大幅ダウンを機に自ら発奮。冬に近づくにつれて成績向上の兆しも見られるようになりました。そんな中、いよいよ受験が目前に迫ってきます。後編では、その後のS家の中学受験のエピソードをお伝えします。

【女子御三家中学合格】6年生で成績急降下…それでも諦めず合格を勝ち取るまで。「最後まで娘を信じた」ことで得られたもの〈後編〉
【前編】小3の夏から通塾開始。「中だるみ」を経て上下する小6の冬までの様子はこちら 1月校受験を経て、2月校の受験がスタ...

あわせて読みたい

【合格率20%未満から御三家合格】内部進学をやめて中学受験を決意。散々な成績でも平然としている息子に母は?
通っていた私立小学校との相性が合わず、中学受験に挑戦することに ――ご長男は大学付属の私立小学校に通われていたそうですが、中学受験を...

取材・文/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事