【中学受験大手4塾比較】SAPIX・日能研・早稲アカ・四谷大塚に子どもが通った先輩ママ座談会。データ分析力からお弁当の有無まで! 塾選びで後悔しないためのポイントを語ります

子どもの中学受験を考えはじめたとき、最初の壁になるのが「どの塾を選ぶか」という問題。まずは、校舎数も多い大手塾を考えがちだけれど、それぞれ何が違うのか、わが子に向いているのはどこか、なかなか判断できないもの。今回は、【SAPIX・日能研・早稲田アカデミー・四谷大塚】に実際にお子さんを通わせ、中学受験が終了した先輩ママ4人に集まっていただきました。塾を選んだ経緯から、通ってわかったリアルな特徴、本音のデメリット、これから塾を検討する親御さんへのアドバイスまで、じっくり語っていただきました。

参加いただいたママのプロフィール

SAPIXママ
お子さん3人ともSAPIXへ。好きなことにはとことん突進するタイプの第3子の娘さんがこの春、中高一貫校に入学。

日能研ママ
2児の母。中3の娘が日能研を経て中高一貫校へ。現在小学5年生の息子は野球との両立が理由でSAPIXに通塾中。

早稲アカママ
2児の母。マイペースで好きなことには全力の一方で、決められたことを継続するのが苦手な中3の娘が早稲田アカデミーに通い中高一貫校に。上の子は中受経験なし。

四谷大塚ママ
ひとりっこ。楽観的で自己肯定感高めの中2女子の母。四谷大塚に通い、中高一貫伝統女子校へ。

何を基準に決めた? 自宅からの距離、お弁当の有無、帰宅時間も重視

──お子さんのタイプと、入塾までの経緯を教えてください。

SAPIXママ:当時、娘はクラシックバレエを習っていて、その習い事との両立を考えた塾にしたいと。上の子2人もSAPIXだったので私もおおよそのイメージがつき、自然な流れでSAPIXかなと思いつつも、全部で3校の入塾試験を受けました。

決め手は進学実績の高さ。共働きなので、夜のお弁当持参が必要な塾は難しいという条件もありました。「しっかり受験対策をしてくれる場所に入れたい」という気持ちで、最終的にSAPIXに。

四谷大塚ママ:私自身、塾に通ったことがなく、ほぼ娘にお任せ。SAPIX、栄光ゼミナール・四谷大塚の3校を実際に見に行って、本人が「なじめそう」と感じたのが四谷大塚。夫が子どもの頃に、四谷大塚に通っていたという縁もあり、決めました。

早稲アカママ:コロナ禍の影響もあり、一般的な「新4年生」のタイミングからちょうど1年遅れて入塾。自宅から通える範囲の日能研も候補でしたが、入塾テストを行った教室に張り出されていた席順の表に、友人たちの名前を発見。学校での関係が、そのまま塾につながっていくといやだな、と感じてしまって。

早稲田アカデミーは学区がほんの少し離れていて、近隣でも知らない子たちと一緒という雰囲気が本人には新鮮に映り、にぎやかな雰囲気も気に入り、「ここなら通えそう」と娘自身が決めました。夕食のお弁当や軽食などは持っていかないのも共働きには◎。

日能研ママ:SAPIX、グノーブル、日能研を検討したのですが、入塾テストでSAPIXとグノーブル、日能研すべてに落ちてしまって。都会の受験の入口から洗礼を受けた感じでした…。

そこで夫が奮起し、家で少し勉強をさせてから受け直し、合格したのが日能研。縁を感じてそのまま入塾を決めましたが、今思えば娘の意向をあまり聞いてあげられなかったな、と思います。比べる余裕もなくて。幸い、娘がとても楽しんで通ってくれたので助かりました。

予習型or復習型? 実際に通ったから分かる、それぞれの特徴

【SAPIX】圧倒的な情報量。積極的に「使い倒す」覚悟で臨む塾

──SAPIXに通って、どんな特徴を感じましたか?

SAPIXママ:教室でひたすら勉強に向かうスタイルで、ひと言でいうと「受験のための箱」のような印象はありました。

4科目が休憩なしで連続して行われ、例えば、社会が終わったらすぐ国語の先生が入ってきて、次は理科の先生…という流れ。授業と授業のあいだは2〜3分の切れ目もなく、トイレは手を挙げてから行く形式です。小学生にここまで必要なのだろうかと、正直ふと立ち止まることもありました。

授業スタイルは復習型で、その日習った内容が翌週のテストで問われ、さらに月1回の復習テストにつながっていく。このサイクルが絶え間なく回り続けます。宿題の量もとにかく多く、受験が終わったあと、娘のテキストを処分するのは大変でした(笑)

一方で、先生は個性豊かな方がそろっていて、子どもたちの間で人気の先生の話が毎回出てくるほど。上の子2人も同じ塾だったので、「その先生知ってる」と話が盛り上がることもありました。「箱」とはいっても、先生との関わりからの楽しい記憶もあります。

日能研ママ:(下の子がSAPIXなので)比べてみると、SAPIXはデータの分析力が突出していると感じます。保護者会でも「この分野はこういう切り口で出題される傾向がある」と過去問データをもとにした細かい分析があり、先生がわが子専用の正答率一覧を作って見せてくれたこともありました。

SAPIXママ:情報量は豊富ですよね。こちらから積極的にアクセスすれば、それに応えてもらえる塾ですので、払っているお金を取り戻すつもりで、質問教室を活用する、先生に電話で相談するなど、能動的に動くのが良いと感じました。

わが子も苦手科目や成績の伸び、志望校についてなどを個別に相談したら、親身になっていろいろと対応してくれて。最初は追いつくのに必死でしたが、食らいついていったことで秋以降にぐんと成績が上がっていきました。

【四谷大塚】先生との距離が近く、個性がぶつかり合う塾

──四谷大塚に通って、どんな特徴を感じましたか?

四谷大塚ママ:授業はにぎやかで、楽しそうな雰囲気がありました。「予習シリーズ」をベースにした予習型のスタイルで、先生の個性が色濃く出るのが四谷大塚の特徴だと感じています。校舎長も担当の先生も、「自分はこう思う」とはっきり意見を伝えてくれる方が多く、先生との距離の近さを感じました。

お正月に塾のみんなで合格祈願初詣に行くイベントもあるなど、娘もとても楽しそうに通っていました。本番の2月、受験2日目の夜、思うような結果が出なかったときに塾に電話をすると「今すぐ来てください」と言っていただいて。急いで向かい、翌日の対策を一緒に考えてもらいました。そのとき先生に「お子さんが選んだことを成功させていきましょう」と言ってもらえたことは、今も忘れられません。

デメリットがあるとすれば、先生の個性に依存する部分が大きいため、合格までの最短ルートの描き方が先生ごとに違ってくるのかな、と感じました。

SAPIXママさんの話やちまたで聞く話や印象から、SAPIXはどの校舎でも一定の品質が保たれているように感じていますが、四谷大塚は校舎や先生によって雰囲気が変わるように思います。お子さんと相性が合えば、先生との関係が大きな強みになりますね。

【早稲田アカデミー】求めれば必ず返してくれる、面倒見のよさ

──早稲田アカデミーの印象を教えてください

早稲アカママ:入塾の体験授業で、先生が娘のことを的確に捉えてくださったのが印象に残っています。1年遅れの入塾でどう追いつくか、間に合うのか、など親としては不安が多かったのですが、その説明まで含めて、丁寧に対応していただいたことが決め手に。

クラスは一番下からスタートして、上がったり下がったりを繰り返していましたが、友達同士でシビアな競争が起きる雰囲気はあまりなく、それが娘には合っていたと思います。そういう競争が起こるクラスもあるのかもしれませんが…。「塾が楽しい」と言って通い続けてくれたことが、なによりでした。

先生の面倒見の良さを本当に感じていて、特に娘が苦手だった算数の先生からは頻繁に連絡をいただきました。親の状況も把握してくださっていて、家での「なんで分からないの?」という衝突が起きないように、先生が間に入ってくれている感覚がありました。

受験本番の期間も、2月1日から4日まで最後まで寄り添っていただいて、最後の弱点克服とともにメンタル面でも心強く、娘も立て直せました。

好きな先生のノートを今も大切にとってあって、中学に入ってからも現代文を読む際に参考にしているようです。先生との出会いで、勉強への向き合い方に刺激をいただいたのでしょう。ただ、クラスが上がると担当の先生が変わるため、気に入っていた先生と離れることで、娘も寂しそうにしていましたね。

【日能研】先生との距離が近く、塾が「楽しい場所」になる

──日能研はどういう雰囲気でしたか?

日能研ママ:我が家も、娘が「塾って楽しい」と言って通い続けてくれたのが、何より良かったことです。1クラス15〜20人ほどの規模で、先生との距離が近く、娘の口から「○○先生がね」という言葉が毎日のように出てきていました。受験が終わってからも先生に電話したり会いに行ったりするほど、子どもにとって特別な存在になっていたと思います。

印象に残っているのが、年に一度行われる先輩生徒との交流会。娘が志望していた学校の先輩が来てくれて、その制服姿を見て「入学したらあのマフラーがほしい」とモチベーションが上がったことも。

受験当日には、オンラインで先生が応援メッセージを配信してくださり、学校に向かう電車の中で娘とイヤホンを片方ずつ分け合いながら聞いていたら、不思議と涙が出てきて。先生方の思いが、子どもにもしっかり届いていたと感じた瞬間でした。

デメリットとしては、お弁当が必要な日がある点でしょうか。授業時間が長い日は夕食代わりのお弁当が必要で、夏休みは2食持参することも。我が家も共働きですが、働いている親には、少し負担を感じる場面がありました。

また、親が具体的な情報を持って相談に行けば先生はしっかり答えてくれますが、塾側からどんどん提案してくれるスタイルではないので、親自身がある程度調べておく必要があります。

6年生では個別指導や家庭教師も利用

──6年生になると、塾以外のサポートを加えるご家庭も多いと聞きます。実際はいかがでしたか?

SAPIXママ:うちは子ども3人それぞれ個別指導や家庭教師を取り入れた時期がありました。正直なところ判断は難しいですが、助けられたのも確かです。ただ、周りには3つ掛け持ちというご家庭もありましたね。

四谷大塚ママ:本番が近くなると、課金することで安心感を得ようとするのは、親の気持ちとしてとてもよく分かります。でも、それはゴールが「合格すること」になってしまっているときに起こりやすいような気もしていて。

うちは娘が自分で「算数が間に合わない、個別に行かせてほしい」と言い出したので、最後の2か月だけ個別に通わせました。本人が「このままではまずい」と気づいて動くことができたのは、良い経験でしたね。

早稲アカママ:うちは、小6の秋から4か月、家庭教師の先生にお願いしました。算数の分からない部分を一緒に見ていると、親子でぶつかってしまうから第三者のプロに入ってもらうことで、その衝突を防ぐ目的もありました

経済的な負担は増えますが、家庭の関係を守るためのコストとして考えていました。

生活リズムや子どもの自主性。塾選びで大切にしてほしいのは?

──これからお子さんの中学受験塾を選ぶ保護者に向けて、大切にしてほしいこととは?

SAPIXママ:授業の終了時間は確認した方が良いポイント。SAPIXは休憩がない分、終わる時間が夜9時と早めでした。小学生ですから、帰宅してご飯を食べて、その日のうちに眠らせてあげたい。生活リズムを守れる設計かどうかも、大切な選択基準に。

また、家庭学習をどれだけ求められるかも塾によって異なります。「塾に任せてOK」なタイプと「家でここまでやってください」というタイプがあるので、家庭の負担感をあらかじめ確認しておくと、入塾後のギャップが少なくなりますね。

早稲アカママ:費用の話も大事ですね。小学4・5年生の段階ではある程度見通しが立ちますが、6年生になると土日の志望校別特講や直前対策が加わり、費用が大きく跳ね上がります。さらに個別指導や家庭教師をプラスするご家庭もあり、「6年生になったときにいくらかかるか」を最初から想定した上で選ぶことをおすすめします。入試の試験料や入学金など、その後も続くので…。

日能研ママ:ほかの習い事をどうするかは、子どもと一緒にしっかり話し合ったほうがいいですね。下の子の塾選びでは、「野球を6年生の夏まで続けたい」という強い希望がありました。日能研は4年生の段階から土曜日に授業があったので息子には合わず、娘とは別の選択になりました。

受験のために好きなことを諦めるのか、続けながら受験に向かうのか。子どもが納得できる形で決めることが、その後の踏ん張りに直結すると感じています。

早稲アカママ:うちも最後までピアノの習い事は続けました。塾通いの他をすべて諦めた、というのはあまりにも寂しいと。結果的に、気分転換になっていたようです。

四谷大塚ママ:ご家庭で大切にしたい条件がそろったら、最終的には子ども自身の選択を大事にしてあげてほしいですね。「雰囲気がなじめそう」でも「家から近い」でも。

親が選んだ塾だと、うまくいかない時期に「ここに決めたのはパパ・ママじゃないか」という気持ちになりやすい。本人が腹落ちして選んだ塾なら、しんどい時期も「自分で決めた」という覚悟で向き合うことができるはず。

終わった今だから思う「中学受験は何のため?」

早稲アカママ:みなさんのお話を伺い、どの塾の先生も、働いている場所が違うだけで、子どもへの思いは変わらないんだなと感じました。

受験本番のあの数日間は、親子ともに一生忘れられない時間になりましたが、中学受験を終えたからこそ語れることも多く、実際に通っている間は、この塾でよかったの? という迷いもなかったわけではありません。

SAPIXママ:そうですね。クラスの昇降があるたびに、親も一緒に揺さぶられることもありました。

「中学受験は人生の一過程にすぎない」というマインドを保っていないと、子どもより先に親の方が消耗してしまう。どんと構えていることが、結果的に子どもを守ることにつながると感じましたね。

四谷大塚ママ:合格することがゴールではないんですよね。我が家は、その子が幸せで楽しいと思える人生を歩めることをサポートするのがゴールだと思っていて、そこから逆算すると、偏差値やクラスの昇降に振り回されることがいかに消耗することかが分かります。

娘がつらそうな顔をしているとき、幸せになるためにやっていることなのにどうしてこんな顔をさせているんだろう、と気づく瞬間がありました。そこに親がいつ気付けるかが、受験を親子で乗り越えられるかどうかを左右すると感じました。

日能研ママ:本当にそうですよね。我が家の場合は、娘が塾を楽しんでくれたことが、中学受験を支える土台になっていたと振り返っています。

先生との出会い、友達との出会い、悔しくて泣いた夜。そういった経験が、中学・高校での娘を形作っていくのだと感じました。

座談会を終えて…

皆さんで塾選びを語る中で見えてきたのは、中学受験が「家庭として何を大切にしたいのか」を問い直す機会でもある、ということ。合格だけをゴールにするのではなく、その先の学校生活や親子の関わり方まで見据えたとき、塾選びの軸も少しずつ見えていくようです。

この座談会を通して、塾選びに正解はないと感じました。4人の先輩ママたちの言葉に共通していたのは、「子どもが楽しいと思える場所を、子ども自身に選ばせてあげてほしい」という願いでした。

入塾を決める前に、問い合わせや資料請求などをし、体験授業に参加するのもいいかもしれません。お知り合いにその塾へ通った経験のある親御さんがいたら、話を聞くのもありでしょう。お子さんの「ここならやれそう」という感覚を、大切に。それが見つかったら、あとは伴走するだけなのでしょうね。

こちらの記事もおすすめ

「佐藤ママ」の中学受験塾選びの基準は? 合格を目指すための塾とのつき合い方も
塾は慣れる期間を考えて、ゆっくりスタートがおすすめ ―佐藤さんのおうちではいつ塾に入りましたか?  佐藤 わが家の子ど...

この記事を書いたのは

羽生田由香 ライター

子育てや教育、人物インタビュー、暮らしにまつわるテーマを中心に取材・執筆。子どもの小・中・高受験を通して、国立・私立・公立それぞれの学校生活も経験してきました。迷いや悩みも含めた子育ての実感を土台に、“今、知りたい”に応える記事を心がけています。

編集部おすすめ

関連記事