【お菓子で自由研究】ふくらむ・かたまるの不思議を追いかけよう《自由研究テンプレート付き》

前回の最後に、こんな問いを出しました。
「ケーキがふんわり焼けるのはなぜだろう?」
その答えは——「重曹」や「ベーキングパウダー」にあります。
重曹(じゅうそう)は、お酢や牛乳などの酸性のものと混ざると、二酸化炭素の気泡を発生させます。この気泡が生地の中に閉じ込められ、熱を加えるとふくらんで、あのふんわりとした食感が生まれるのです。
これはまさに、理科の実験で見たことがある反応ですよね。
第2回のテーマは「おやつづくり=実験」。「かたまる」「ふくらむ」などおやつをつくるときに起きている「変化」を自由研究にするアイデアをご紹介します。

前回の記事はこちら

【お菓子で自由研究】おやつづくりは工作だ! 食べられる作品をつくろう 自由研究テンプレート付き
今回から3回にわたって紹介するのは、野村友里さんの著書『とびきりおいしい おうちおやつ』(小学生からのたのしい料理)。この本は「レシピ本大...

この本は、ゼリーにアイス、和菓子やケーキ、焼き菓子のほか、ネギハムもちやオニオンリング、トマトパイなどのしょっぱいおやつなど、約50のレシピが掲載されています。そのどれもが、おいしくて簡単!

すべてのレシピは、レストランやグローサリーショップも営む野村友里さんによるもの。「食べることは生きること」という考えを大切にされていて、レシピの合間には、「食」に対するメッセージも挟まれています。

このレシピでつくるおやつは本当においしくて、まるでお店の味。子どもの自信につながり、おやつづくりが苦手な大人にもぴったりです。

さらにレシピだけではなく、お菓子の材料のもとのすがたを紹介したり、「甘いって何だろう?」と考えさせたり。そのまま自由研究のテーマにも使えそうなアイデアも満載です。

工作や理科の実験のような要素がたくさんあるおやつづくり。さっそく自由研究のアイデアを見ていきましょう。

おやつづくりは、ふくらんだりかたまったり層ができたりと、熱を加えたり冷やしたりすることにより、様子が大きく変化します。その変化に着目し、「ふくらむおやつ」とこの本で紹介している「かたまるおやつ」で、変化の様子をまとめます。ちなみに「かたまる」おやつには、

・冷やしてかたまる
・ゼラチンでかたまる
・卵の持つ力によってかたまる

ものがあり、実験としてまとめるには最適です。具体的にみていきましょう。

キッチンで起きていることは、全部「変化」だ

おやつをつくるとき、材料はさまざまな変化を起こします。大きく分けると、次の4つのパターンがあります。

変化のパターン実験におすすめのおやつ
熱を加えるとふくらむ黒糖蒸しがし、バナナレモンブレッド
冷やすとかたまるいちごアイス、マンゴーアイス、バナナオレンジアイス、さといもアイス
ゼラチンの力でかたまるギモーヴ(マシュマロ)、レモンゼリー、いちごのゼリー、ソルティドッグジュレ
卵の力でかたまるカスタードプリン、もものクラフティ

今回はこの4パターンを、実際のレシピを通して追いかけていきます。

ふくらむおやつ①「黒糖蒸しがし」

仕組みを知ろう

黒糖蒸しがしは、重曹と酢が反応して生まれる気泡と、蒸し器の湯気の力でふくらむおやつです。

ふくらむための条件は2つ。

  1. 重曹と酢がしっかり反応していること
  2. 蒸し器の中が十分に熱くなっていること

ここで多くの子どもが経験する失敗が「蒸し器の温め不足」です。蒸し器をしっかり温める前に型を入れてしまうと、湯気の力が足りずにうまくふくらみません。

ある小学生のレポートには、こんな記録がありました。

「1回目:ぜんぜんふくらまなかった。蒸し器に入れるのが早すぎたと思う。2回目:今度はしっかり湯気が出てから入れた。ちゃんとふくらんだ! 湯気が出つづけるくらいの火の強さが必要だとわかった。」

これが自由研究の理想的な記録です。失敗→原因を考える→もう一度試す→うまくいく。このサイクルこそが、科学的な思考の基本なのです。

自由研究のヒント

やってみよう: 火の強さを変えて(弱火 vs 強火)、ふくらみ方に違いが出るか比べてみよう。


つくったおやつ:重曹の力でふくらむ!「黒糖蒸しがし」

子どもにとっては「おやつに味噌?」と少し驚く材料かもしれません。おやつの自由さを知るとともに、日本の伝統的な調味料が万能であることも発見につながりますね。この蒸しがしは、重曹の力で割れ目がつくほどふくらみます。

ただし重曹を入れすぎると苦くなるので気をつけましょう。蒸し器にもくもくと湯気が出てから生地を入れ、湯気が出つづける状態を保つのがポイントです。

参考にしたのはこのページ

学校に提出するときは、実際につくって感じたことや工夫したことなどを写真とともにまとめるのがおすすめです。

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ふくらむおやつ②「バナナレモンブレッド」

バナナレモンブレッドは、ベーキングパウダーの力でふくらむおやつです。蒸すのではなくオーブンで焼くことも、黒糖蒸しがしとの違いです。

同じ「熱を加えるとふくらむ」でも、蒸すのと焼くのでは食感がまったく違います。 蒸しがしはしっとりもっちり、ブレッドはふんわりサクッと。この違いを比べてみるのも、立派な実験です。

「バナナレモンブレッド」は、レモンが爽やかに香り、さっぱりといただけます。夏の朝食にもぴったりですよ。

かたまるおやつ:3つの違いを比べてみよう

「かたまる」という変化にも、実はいくつかのまったく異なるメカニズムがあります。3種類のおやつを通して比べてみましょう。

かたまるおやつ①「いちごアイス」——冷やしてかたまる

いちごアイスは、生クリームと牛乳を混ぜて凍らせることでかたまります。冷凍庫の中で水分が氷の結晶になり、全体が固まっていくのです。

ここで面白い実験ができます。

  • 生クリームを多くしたアイス→濃厚でなめらか
  • 牛乳を多くしたアイス→さっぱりしてシャリシャリ

生クリームと牛乳の割合を変えるだけで、食感がまったく変わります。「割合を変えると何が変わるか」を記録すれば、比較実験のレポートになります。

つくったおやつ:冷やしてかたまる!「いちごアイス」

ミキサーにすべての材料を混ぜるだけであっという間にできてしまうこのレシピ。ミキサーがなくても、フォークでいちごをつぶせばつくれます。冷凍いちごを使ったら、さらに手軽にできますね。生クリームと牛乳の割合は自由に変えられるので、ぜひ好みを見つけてみてください。

参考にしたのはこのページ

学校に提出するときは、実際につくって感じたことや工夫したことなどを写真とともにまとめるのがおすすめです。

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かたまるおやつ②「ギモーヴ」——ゼラチンの力でかたまる

ギモーヴとは、フランス語でマシュマロのこと。「マシュマロって家でつくれるの?」とおどろく人も多いのですが、実はゼラチンと砂糖と卵白があればつくれます。

ゼラチンは動物の骨や皮からとれるたんぱく質で、温めると溶け、冷やすとかたまるという性質があります。混ぜているうちにだんだん弾力が出てくる変化を、ぜひ手で感じてみてください。

つくったおやつ:ゼラチンの力でかたまる!「ギモーヴ」(はちみつレモン味とブルーベリー味)

左ははちみつレモン味で、右はブルーベリー味。たっぷりと果汁が入っていて、大人のお茶うけにもなるおやつです。

混ぜていくとどんどん弾力が出てきて、あっという間にかたまります。

参考にしたのはこのページ

ゼラチンの力でかたまるおやつとしてほかにおすすめなのは、「いちごのゼリー」「レモンゼリー」「ソルティドッグジュレ」。「ソルティドッグジュレ」は、塩をつけていただく、ちょっと大人の味です。

学校に提出するときは、実際につくって感じたことや工夫したことなどを写真とともにまとめるのがおすすめです。

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かたまるおやつ③「カスタードプリン」——卵の力でかたまる

カスタードプリンには、ゼラチンが入っていません。では、なぜかたまるのでしょうか?

答えは卵のたんぱく質にあります。卵は熱を加えると、たんぱく質が変性して固まります。これは「ゆで卵がかたまる」のと同じ仕組みです。プリンは、この卵の力だけで全体をかたまらせているのです。

さらに、カラメルソースは砂糖と水だけでできています。砂糖を熱すると溶けて液体になり、さらに加熱すると茶色くなって苦みが出る——これも「熱による変化」の一種です。

つくったおやつ:卵の力でかたまる!「カスタードプリン」


このプリンはまさにお店の味! プリンを家でつくると、牛乳と卵と砂糖というとてもシンプルな材料でできていることがわかります。材料を知ることも、学びになりますね。

参考にしたのはこのページ

学校に提出するときは、実際につくって感じたことや工夫したことなどを写真とともにまとめるのがおすすめです。

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自由研究レポートのまとめ方

第2回のレポートでは、「変化の前と変化の後」を写真で記録することを意識しましょう。

記録するポイント具体例
変化の前の写真混ぜる前の材料、加熱前の生地
変化の後の写真ふくらんだ蒸しがし、かたまったプリン
比較実験の記録生クリーム多め vs 牛乳多めのアイスを並べた写真
失敗の原因「なぜうまくいかなかったか」を自分の言葉で書く

失敗の原因を「考えたこと」として書くことは、評価につながります。「失敗しました」で終わるのではなく、「〇〇が原因だと思う。次は〇〇を変えてみたい」と書くことで、科学的な思考力が伝わるレポートになります。

次回予告

おやつの材料には、粉と油分と水分という「基本の組み合わせ」があります。この組み合わせを自分で変えたら、どんなおやつができるでしょうか?

最終回は、あなた自身が「発明家」になる回です。 第1回でつくり、第2回で気づいた。では第3回は——自分だけのおやつを発明しましょう!

最終回はこちらから

【お菓子で自由研究】「マイおやつ」を発明しよう! 粉・油・水分の組み合わせ次第で自分だけのおやつ実験ができる!あんこづくりも
第一回から読む この本は、ゼリーにアイス、和菓子やケーキ、焼き菓子のほか、ネギハムもちやオニオンリング、トマトパイな...

子どもも大人も、笑顔にする手作りおやつのレシピがたくさん!

野村友里 小学館クリエイティブ 1760円(税込)

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2024年、料理レシピ本大賞「こどもの本賞」を受賞し15万部の人気作となった『とびきりおいしいおうちごはん』の第二弾、三宅瑠人のイラストによる、絵本仕立ての一冊です。

文/HugKum編集部

小学生の自由研究まるわかりナビ!

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