【発達障害の子の小学校入学】あんしん通学にはこれ!ランドセル&サポート用品・持ち物準備ボード

さあ、小学校入学!新生活のスタートは、うれしさはもちろんですが、何かと不安を感じることも多いですよね。道具で発達を応援するネットのお店tobiraco(トビラコ)の店主が、発達障害の子の「困り感」を解決する道具をご紹介します。今回は、安心して子どもを学校に送り出せるための学校生活編。どれも、心と体を楽にする工夫があります。

ママが開発した、面ファスナー仕様の軽いランドセル「ことゆくラック」

 

丈夫なナイロン製、重さ700g前後。まるでアウトドア用バッグのような「ことゆくラック」。

開発者の和久田麻衣さんは、娘さんの友人でダウン症の子が使えるランドセルがなかったことに疑問をもち「ことゆくラック」を開発しました。

きっかけはダウン症の子

「ランドセルって、だれもが使えるものだと思っていました」と語る和久田さん。

時を同じくして入学した和久田さんの娘さんからも、ランドセルの使い勝手の悪さに不満が続出。和久田さんは、いよいよ、今のランドセルに疑問をもつようになりました。

支援学校、支援学級の子のお母さんたちからの声を反映し、開発まで2年かかりました

使いやすいランドセルがないなら、作るしかない。そう決意した和久田さんは聞き取りを調査を始めました。特別支援学校や支援学級に入学する前のお母さんたちのサークルに参加したり、発達障害の子のお母さんの話を聞き取ったりして、ランドセルの使い勝手を追求。そして、かつての仕事仲間の影山恵さんと「合同会社ことゆく社」を立ち上げて、本格的な開発、製造に乗り出しました。

 

「ことゆく社」を立ち上げた和久田麻衣さん(左)と影山恵さん。

 

試行錯誤すること2年。ついに、納得のいくランドセル「ことゆくラック」が誕生しました。こだわったのは、軽さ。子どもを疲れさせないランドセルでした。

発売してみると「ことゆくラック」は、障害のあるなしに関係なく子どもたちに大好評でした。

 

 

進化した、ひねらずに開閉できる面ファスナー。ユニバーサルタイプが3月中旬から発売スタート!

 

「ことゆくラック」はさらに進化をとげます。これまでは、軽くひねるだけで開け閉めでき、他のランドセルにはない使いやすさでした。でも、この「ひねり」が難しい子のため、面ファスナー仕様を開発。「ユニバーサルタイプ」として、2021年3月中旬より発売されます。

考えてみれば、カジュアルなバッグに面ファスナーはあたりまえのように使われています。なぜ、ランドセルだけが使われていなかったのでしょうか。私たちは、あまりに長きにわたり「ランドセルは、こういうもの」と思い込んできました。

 

でも、障害のある子や、障害がなくてもランドセルに不満を持つ子たちが「使いやすいランドセル」を教えてくれました。「ことゆくラック」は、ランドセルのあり方そのものを変えてくれる、もしかしたら「革命児」なのかもしれません。

 

 

 

ことゆくラック ベーシックタイプ  ユニバーサルモデル

素材 本体:ナイロン強撚糸ファブリック(テフロン加工) ふち巻きテープ、内側ネームポケット:本革 重さ:スカイブルー 約650g ブラウンピンク 約770g  サイズ:縦340×横260×マチ140mm   価格:29,700円(税込) 開発・製造・販売:ことゆく合同会社  *ひねり錠タイプもあります。詳しくは、ことゆく合同会社のホームページをご覧ください。

ランドセル専用ポーチ「Mew Ranba(ランバ)」で、てぶらで安全な登下校を

 

 

ランドセルの下にセットできるので、荷物の分散を防ぎます

学校へもっていく荷物は多いのに、ランドセルの収納力は意外と少ないと思いませんか。体操服、給食のエプロン、お習字セット、リコーダー、水筒などなど。ランドセルを背負いながら、手に荷物をぶら下げて歩くのは、危険です。荷物を振り回す子もいます。振り回した荷物が他の子にあたってトラブルになることもあります。荷物が分散されていると混乱する子もいます。当然、置き忘れることもあります。これを解決してくれるのが、ランドセル専用のポーチ「ニューランバ」です。写真の様にランドセルの下にセットします。どのタイプのランドセルにフィット。

我が子の荷物の重さに驚いたお父さんが開発した「ニューランバ」

「ニューランバ」を開発したのは、お父さんです。お子さんがランドセルにギュウギュウに詰め込んでいるのを見て、荷物の多さに驚いたそうです。そこで、お子さんたちの意見を聞きながら、ランドセルにフィットする専用ポーチを開発。最初に作ったのはランドセルのサイドにセットできる「てぶラン」というポーチ。文字通り、登下校手ぶらで歩けます。ただ、サイドにセット「てぶラン」は、ランドセルによってはセットできないこともあり、第二弾として「ニューランバ」が誕生しました。

 

体操服、給食用エプロン、水筒、上履きがすっぽり入ります。

 

ショルダーバッグにもなるツーウエイタイプ。

 

ランドセル専用ポーチ NEW Ranba(ランバ)

素材 ポーチ:ナイロン(ハイパロンコーティング加工済) フック:ポリプロピレン サイズ ポーチ:縦150 × 幅240 × マチ180mm 価格 4180円(税込)  開発・製造 未来工房 結 発売元・お問い合わせ 株式会社tobiraco(トビラコ

しまい忘れ、置き忘れゼロのレインポンチョ「KAPAPA(かっぱっぱ)」

レインコートを学校に置き忘れくる息子さんに頭を悩ませたママが開発しました。

レインコートを着て登校したはずなのに、いつも濡れて帰ってくる息子さんを見て「いったい、なぜ?」と不思議に思った和田美香さん。レインコートをしまったり出したりするのがめんどうだから、着ないで帰ってくることに気づきました。

たしかに、使わない時のレインコートは置き場所に困ります。

そこで、思いついたのがランドセルに取り付けることができるレインコート専用ポーチです。

写真を見てください。ランドセルに取り付けられたポーチに、レインポンチョが入っています(写真左)。ランドセルに取り付けたまま、ポンチョを取り出します(写真中央)、ランドセルを背負った上からレインポンチョを着ます(写真右)

 

 

横から見ると、このようにランドセルごとすっぽり全身をカバーしてくれます。

 

 

ポンチョなので、ランドセルを背負った上から着ても、動きは自由。

 

 

ポーチのフックとレインポンチョのハンガーループを取り付けたまま出し入れ。

 

レインポンチョをくるくるとまるめて、ポーチにしまいこむことができます。

 

 

いったん、ランドセルに取り付けたら、しまい忘れや学校に置き忘れということがなくなります。

 

和田美香さんは、HOLUDONA(ホルドナ)株式会社を立ち上げて、KAPAPA(かっぱっぱ)というフランドで、ママ友だちとレインポンチョを開発しました。HOLUDONAとは、息子さんの口癖「ほるどな(なるほど)」からとった社名だそうです。

 

「発明ママ」として活躍する和田美香さん。

KAPAPA(かっぱっぱ) ポンチョ&ポーチ

素材 ポリエステル100% 生地・防水について

・引き裂きに強く、破れにくいリップストップ生地

・耐水圧1000-1200mm程度/中雨くらいの雨に対応の日常使いで、ちょうど良い厚さの防水機能

ポーチ テープ:ナイロン 内部布:ポリエステル サイズ(約):高さ11×横24×まち8cm 価格:4950円(税込) 中国製 開発・製造 HOLUDONA株式会社 開発・製造 HOLUDONA(ホルドナ)株式会社 発売元・お問い合わせ 株式会社tobiraco (トビラコ)

 

忘れ物防止には、「用意するもの」を見える化する「こどもの準備ボード」

身の回りのものから、ランドセルに入れるもの、手提げに入れるものなど、学校へ持っていくものは、大小様々、盛り沢山です。明日用意するものを「見える化」して確認すると、忘れ物を防ぐことができます。

ママたちのあいだでも人気の「こどもの準備ボード」は、子どもが自分で確認しながら用意できます。

写真を見てください。用意するものって、こんなにあるんです。これをひとつひとつマグネットで見える化。用意できたら、マグネットを裏返しに。裏には「できた!」の花まるが。達成感も味わえます。自由に書ける無地のマグネットでカスタマイズもできます。

用意するものをマグネットで見える化。

 

マグネットを裏返すと「できた!」の花まる。

 

こどもの準備ボード

素材 本体:木・スチール 磁石:フェライト磁石、紙 フック:スチール サイズ 高さ220×幅330×厚さ13mm  重さ400g  セット内容:円形マグネット35個 無地5個 フック、紐 価格:1,650円(税込) 開発・製造元 クツワ株式会社 https://www.kutsuwa.co.jp

 

ランドセルに入れる前に、もう一度確認できる、準備シート「ランドセルスポッ!とセット」

ランドセルに入れるものは、いったんぜんぶ並べて「見える化」し、ひとつひとつチェックすると、忘れ物を防ぐことができます。ポイントは、並べるスペースを決めることです。

そこで、おすすめしたいのは「ランドセルスポッ!とセット(準備マット付き)」。専用のスペースにランドセルをセット(ランドセルがスポッ!と入るスペース)し、かぶせふたを開け、準備マットにランドセルに入れるものを並べて、ひとつひとつを確認。そうして、ランドセルに入れていくことができます。

 

 

帰宅後、ランドセルの中身をいったん出す習慣を

ランドセルの底から、1週間前に学校に提出しなければならないプリントがグチャクチャになって出てくる。わりとよく見る光景です。ランドセルの中はカオスになりがちです。

帰宅してからも、「ランドセルスポッ!とセット(準備マット付き)」の活用をおすすめします。ランドセルの中身をいったん、ザッと外に出す。モノを失くしやすい子は、この作業をすると「紛失」がだいぶ減るようになるようですよ。奥底にため込まないで出す。出して見える化するのがポイントです。

 

ランドセルスポッ!とセット(準備マット付き)

素材 本体:ポリエステル・ポリプロピレン マット:ポリエステル・PVC   サイズ 本体:高さ275×幅510×奥行400mm マット:縦725×横725mm  価格:4,950円(税込) 開発・製造元 クツワ株式会社 https://www.kutsuwa.co.jp

 

忘れ物や紛失は、道具次第で軽減することができます。入学、新学年スタートに、学校生活を快適にしてくれる道具を見つけましょう。親子ともにストレスが軽減されます。次回は、学習まわりの素敵な道具をご紹介しますね。

 

教えてくれたのは

トビラコ店主

元子育て雑誌編集者。編集者時代に出会った特別支援学校の先生と現場で効果のあった教材を商品化。「tobiraco」というネットショップで販売。ヒット商品は「きいて はなして はなして きいて トーキングゲーム」「見る目をかえる 自分をはげますかえるカード」。「療育アロマ」も快走中。『発達障害の子のためのすごい道具』(安部博志・著 tobiraco・編集 小学館)が好評発売中!

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