「With コロナ時代の⼦どもの⾷事」どうしたら?専門家のアドバイスとQ&Aに学ぶ

 パパママの悩みを解決! 子どもの食事Q&A

「お菓子ばかり欲しがる」「せっかく作っても食べてくれない」など、子どもの食に関する悩みはいろいろ。親御さんの悩みに専門家がアドバイスします。

 Q.⼦どもがお菓⼦を欲しがるので、つい与えてしまいます

A.お菓子の買い置きはNG! おやつのメニューや与える量も見直して

お菓子のダラダラ⾷べが習慣になっているならば買い置きはせず、子どもから⾒えるところにはお菓子は置かないように。 また10 時と 15 時というように、親⼦でおやつを⾷べる時間を決めましょう。

1⽇のおやつのエネルギー量の目安は1〜2歳で 100150 ㎉、3 歳以上は 150 250 ㎉です。量は、⾷事に影響しない程度にします。

ポイントは、①⽔や⻨茶などの⽔分と、おやつを組み合わせる(ジュースとチョコレート菓子など、甘いもの同士の組み合わせはNG)、②カルシウム不⾜を補うために、⽜乳・乳製品を意識して与える、③スナック菓子などではなく、おにぎりやサンドイッチ、ヨーグルト、フルーツなどを与えて、食事で摂りきれない栄養素を補うことです。

また⼩学⽣になったら食の自立を促すために、適量や組み合わせ、おやつの時間のルールを教えていきましょう。

 Q.⼦どもに朝⾷を⽤意しても⾷べません。どうしたらいい?

A.味噌汁やシチュー、サンドイッチ、おにぎりなど食べやすいものがおすすめ

ママやパパが⼀緒だと、朝食を⾷べる子もいます。また早起きして、お腹を空かせることも大切。自分で作ると食べるようになる子もいるので、サンドイッチ用のパンと具材を用意して、子どもにサンドイッチを作らせるのも一案です。

また味噌汁やシチューのような⽔分のあるものは、のど越しがよく、野菜などもやわらかくなるので⾷べやすく、⾷欲をそそります。 サンドイッチやおにぎりなど、⼿で食べやすいものもおすすめです。

朝、忙しくて作る時間がないときは、レトルトなどのスープを利⽤したり、バナナやヨーグルト、納豆などでも構いません。また⼣⾷のときに多めに汁物を作り、残りを冷蔵庫に入れておいて、朝⾷のときに温め直して食べさせてもいいです。

 Q.栄養バランスのとれた⾷事を作るコツは?

A.主食、主菜、副菜、汁物の順に決め、調理法も同じにならないように

献⽴を考えるときは、次の順番で決めていきます。

主⾷(ごはん・パン・麺・シリアル)を決める。

主菜(⾁・⿂介類、⼤⾖・⼤⾖製品、卵)を決めて、ゆでる、煮る、焼くなどの調理⽅法も決める。

副菜(野菜、いも、海藻、きのこ)を主菜の調理⽅法と同じにならないように決める。

汁物・スープ (主菜、副菜に利⽤していない⾷材)を決める。

また彩りがある緑⻩⾊野菜やフルーツは、栄養があるだけでなく、料理の⾒た⽬も華やかになり、⾷欲を増す効果があるので積極的に取り入れましょう。

保育園や小学校などの献⽴表も、メニューの組み合わせの参考になります。総菜を使うときは主⾷、主菜、副菜が並ぶように意識しましょう。

 Q.せっかく栄養バランスを考えて作っても、全部食べてくれません

A.食べ残しや好き嫌いにとらわれず、食事の楽しさを優先しましょう

ママがせっかく作っても、⼦どもはバランスよく⾷べないことが多いです。

また初めてのメニューは警戒したり、「⾷わず嫌い」で食べないこともあります。しかしママ・パパ、先⽣などから「おいしいよ。食べよう」と誘われたりすると、安⼼して食べるようになる子もいます。

なかには「好き嫌いをなくす!」と頑張るママもいますが、子どもは成長するに従い、だんだん我慢を覚えていく過程があります。そうした時期が来ると、苦手なものも頑張って食べるようになるので、今は、苦手なものは無理に食べさせる必要はありません。調理⽅法(切り⽅、固さ、味付けなど)や環境(友達と⾷べる、⾷べる場所を変える、お弁当箱に⼊れてみるなど)を⼯夫しながら、長い目で⾒守りましょう。残さないことよりも、まずは⾷材に興味をもたせたり、楽しく⾷べることを優先してください。

 Q.家庭で⾷に興味をもたせるには、どうしたらいいの?

A.箸やお皿を並べるなど、お手伝いをさせてみて!

普段の⽣活のなかで、箸や食器を並べたり、一緒に料理を作るなど食に関するお手伝いにチャレンジを!

また親子で散歩をしながら「トマトがなっているよ。見て!」と畑や近所のおうちの家庭菜園を見たり、⼀緒にお店に食材を買いに行ったりするのもおすすめです。

保育園や小学校でも、さまざまな⾷育が⾏われていますが、こうした工夫をすることで家庭でも食に興味をもたせることはできます。

 Q.⼦どもと⼀緒に⾷事を作ると、どんなメリットがある?

A.段取りが学べたり、親子の絆が深まるなど、さまざまなメリットがあります

新型コロナウイルス感染症の流行により、⼈と⼈との直接的な交流が少なくなっています。さらに学校教育の現場でも、オンライン授業の導⼊などによって、以前より実体験を通して学ぶ機会が少なくなっています。

そうした中、親子で一緒に⾷事を作ることにはさまざまなメリットが。たとえば①⾷材に関する知識が増える、②さまざまな調理法が学べる、③段取りや協⼒の⼤切さが学べる、④できあがった料理を感謝して頂くことができる、⑤子どもに家庭の味が伝承できる、⑥⾃分は人の役⽴っていることが実感できる、⑦親⼦の絆が深まるなどです。

「⼦どもと⼀緒に⾷事の準備をすると時間がかかる」「失敗が増える」と嫌がるママもいますが、最初は大目に見てあげて。何度か経験を積むと、次第に⼿際もよくなり、失敗の回数も減っていきます。初めから上⼿にできる⼦は少ないです。失敗した経験も成⻑の糧になると考えて、まずは簡単な料理からチャレンジしましょう。

 Q.⾷を通じて⼦どもの⼼に寄り添うには?

A.親子の会話を楽しむなど、楽しい雰囲気作りを大切に

コロナ禍で、多⼈数での外⾷制限が続いている今だからこそ、これまで以上に家族での⾷事の時間を楽しんで欲しいですね。

 私たちは⾷事が終わったとき、何気なく「あぁ、おいしかった!」と言うことがありますが、「おいしかった!」というのは、食事の味ばかりでなく、⾷卓の雰囲気がよかったり、家族との会話が楽しかったことなども含んでいます。食を通じて、子どもの心に寄り添うには、楽しい雰囲気の中で食事をすることが大切です。

しかし子ども1人だけで食事をするなど、家庭での⾷事の在り方は多様化しています。もし忙しくて時間がないときは、お惣菜などを上⼿に利⽤して構わないので、親子で⼀緒に食事をすることを優先してください。⼦ども1人だけで⾷事をせざるを得ないときは、誰かがそばにいて声をかけるなどの心配りをするだけでも、⼦どもにとっては食事の時間が楽しく、豊かなものになります。

出典: 日本小児保健協会サイト

構成/麻生珠恵 写真/山本彩乃

子どもの食を考えよう!

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