発達障害、知的障害のある娘を育てる母の新学期の工夫。単語帳を連絡帳代わりに、お道具箱に片付ける道具の写真を貼って混乱を回避!

我が家には軽発達障害と軽度知的障害を持つ17歳の娘がいます。 この記事では、娘が幼かった頃に我が家で困っていたことや、それを解消するために実際に工夫してみたことについてを紹介します。娘と似たような特性のお子さんを育てていらっしゃる方の参考になれば幸いです。

混乱しがちな新学期の準備

あっという間に進級、進学の時期になりましたね。この時期はみなさんバタバタとお忙しく、また子ども達もソワソワと不安定になりがちな季節ではないでしょうか。発達障害と経度知的障害のある我が家の娘も、この時期は体調、メンタルともに崩れがちでした。今回は、娘が小学校から今までに、この時期なるとやっていた新学期の準備について、書いてみようと思います。

娘について

娘は軽度の知的障害と自閉、多動、注意欠陥、強度行動障害などの特性を持っている17歳です。
小さな頃は少し落ち着きがないかな? こだわりが強いところがあるな? という違和感程度。5歳で発達障害の診断はつきましたが、知的に大きく遅れているような感じがなく、発語もしっかりしていたため、14歳まで知的障害の診断はありませんでした。小学校も3年生までは普通級でしたが、私が強く希望し、何度も心理士面談などを受け、3年生の途中でようやく支援学級へ転学することができました。

したくができずパニックになる娘のための、視覚で分かる新学期準備のテクニック

ひらがなや簡単な漢字は読めはするものの書字障害があって正確に理解ができていなかった娘は、翌日のおしたくが全くできずパニックを頻発したり、整理整頓が苦手で、お道具箱の整頓や持ち物の管理が全くできなかったりなど様々なトラブルがありました。そこで、小学校に入学してから今まで、親子で行っている工夫をご紹介します。

①教科で使うもの全てを写真に載せた時間割

前回の記事でもご紹介しましたが、新学期の時間割が決まると、大きめの画用紙に教科書の持っていく道具を全て写真にした時間割を作りました。これにより、どの教科で何を準備すれば良いかが一目でわかるようになりました。

国語なら「教科書、ノート、漢字ドリル」、算数なら「教科書、ノート、三角定規」など、教科ごとに必要なものの写真が貼られています。

②単語帳を連絡帳代わりに

低学年のうちは大きめサイズの単語帳に教科書の写真や体操服の写真を貼って連絡帳の代わりに使用していました。書字障害のある娘は、先生が黒板に書いた時間割を書き写すことに苦労していました。そこで、単語帳にあらかじめ時間割を書いておき、先生が書いた時間割通りに「こくご」「さんすう」などのカードを選んで、時間割の順にリングに通していくしくみに。

こうすることで、連絡帳を無理に書かなくても、次の日の予定がわかるようになりました。娘にとって、翌日のしたくのハードルが下がりパニックを減らすことができました。

これまでの担任の先生が娘の特性を理解してくださり、こういったものを使わせてくれたことに感謝しています。

黒板に書かれた持ち物を書き写せなくても、書かれている教科のカードをピックアップできれば予定が分かります。
リコーダーや水筒など、イレギュラーな荷物用のカードも用意しました。

③お道具箱の底にしまう場所の写真を貼る

学校生活が進むにつれて、先生からは「お道具箱の中身が汚い」「整理ができていない」「持ち物の管理ができていないようだ」などと指摘が入るようになりました。
どうしたらお道具箱の中身をうまく片付けたり管理したりできるようになるのか…。考えながら娘の行動を見ていると、指示がハッキリしている事柄は問題なくできていることに気がつきました。たとえば電車に乗る時、足元のマークにしっかり並ぶことはできます。でも並ぶ場所がわからなかったり、そもそも並ばないといけないのかどうかなど指示がない場所では動けなかったり、適切な行動が取れないことが多かったです。

そこで、お道具箱のふたと底にしまうものの写真を貼ってみることにしました。
すると、完璧とまではいきませんが、以前よりもずっと片付けや管理ができることが増えました。

しまい方の写真をフタの上に1枚
もう1枚は、底に貼りました

④教科ごとに使うものを、100均にあるチャック付ファイルに入れて一元化する

学年が上がるにつれて、教材や提出物、プリント類が増えると、今度はそれを紛失したり、適切に管理できず破損したりが増えました。
ひとつの教科につき、少なくとも教科書、資料集、ノート、ドリルなど2〜3冊は管理しなければならない教材があり、そこに、宿題のプリント、直し用のテスト用紙、三角定規や分度器、コンパスなどたくさんの補助教材がついてきます。

娘はとにかく複数のものを管理することがとても苦手だったので、100円ショップなどにあるチャック付きのファイルを用意し、そこに教科ごとに使うものを全て一元化し入れること、と決めました。
その授業で使ったもの、配布物は必ずそのファイルに入れます。
そうすることで、ファイルひとつを管理すれば良いので、管理もしたくも簡単になりました。
「算数のプリントがない…」といったときも、まず「ファイルを見てごらん」と声をかけたら大抵はファイルに入ってた、ということが増え、ファイルを探せば大丈夫という安心感を得ることにつながりました。

17歳になった今も継続。その教科に使う小物も一緒にしまうことで授業前の迷いが減ります。

見てすぐわかると安心につながる

娘にとって視覚支援はとても有効でした。頭の中は混乱してしまっても、目に見える形誘導してあげることで、整理でき、安心につながるようです。
発達障害は当事者の数だけ特性があるものと思います。我が家の場合はこういった工夫でそれまでよりも随分と学校生活を送りやすくなったように感じました。

今回紹介させていただいたものは、100円ショップの商品で対応可能なので、ぜひ試してみてください。

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文/Ai 構成/HugKum編集部 

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