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今年のドラえもん映画は中世ヨーロッパで幻の宝石をめぐって大冒険!
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』ストーリー
数十億円の価値がある絵画が発見されたニュースを横目に、夏休みの宿題で、パパをモデルにして絵を描き続けるのび太。でもなかなかうまく描けません。「出来上がった絵でも降ってこないかなぁ」とつぶやきながら寝転んでいたのび太に、突然絵の切れ端が落ちてきたからびっくり!
ひみつ道具「はいりこみライト」を使い絵の中に入って探検していると、不思議な少女・クレアと出会います。彼女の頼みで<アートリア公国>を目指すドラえもんたちでしたが、そこはなんと、ニュースで見た絵画に描かれた、中世ヨーロッパの世界! そしてこの世界には<アートリアブルー>という幻の宝石が眠っているそう。
絵の中の世界で幻の宝石のひみつを探るドラえもんたち。しかし、公国に伝わる“世界滅亡”の伝説がよみがえってしまい、大ピンチに!!

育児インフルエンサー・木下ゆーきさんに聞く、映画の魅力や親子での楽しみ方は?
今回、育児インフルエンサー・タレントとしてパパママから高い人気を誇る、木下ゆーきさんにこの映画の感想をインタビューさせていただきました。木下さんのお子さんはテレビアニメ『ドラえもん』を毎週欠かさず観ているドラえもん好き。12歳になる息子さんはお友だちとドラえもんの映画を観に行くこともあるのだそう。

――今回鑑賞された感想をお聞かせください。
木下さん:どんでん返し的な展開が幾重にもあって、飽きずに最後まで観られる作品だなと感じました。
また、絵画がテーマということで浮世絵が出てきたり、フェルメールの『牛乳を注ぐ女』、ムンクの『叫び』などの名画が出てくるシーンがたくさんあって。今回、子どもたちとは一緒に観られなくてまずは1人で鑑賞したのですが、最近家族で名画の陶板複製画がある「大塚国際美術館」に行ってきたので、長男が見たら「あの時の絵だ!」とわかるだろうなと思いましたね。
この映画を観た後、美術や歴史の教科書に本物の絵の写真が出てきたら、「ドラえもんの映画で見たやつだ」と、頭にすっと入ってくるだろうな、それもいいなと思います。

絵画の過去など学びの入り口に
木下さん:ほかにも、絵が上手な少年・マイロが、作中の時代にはまだ絵の具がないため、生卵を使って描いていたシーンがありました。
僕が子どもの頃に『Mr. ビーン』を観ていたら、Mr. ビーンが美術作品を間違って消しちゃって、慌てて描き直そうと生卵を調合していたんですね。子どもの頃は「なにをやってるんだろう」くらいにしか思っていなかったんですけど、大人になり、絵画の歴史を知ったあとで「Mr. ビーンのあのシーンはそういうことだったんだ」と気づいたんです。
それと同じように、絵画の過去を知ることができたり、歴史の勉強にもなるような要素もたくさんあったと思います。舞台が13世紀の中世ヨーロッパなので「13世紀って1200年代なんだよ」など…学びの入り口にもなる作品だなと感じました。

「のび太の絵に対するパパの言葉がすごくよかった。パパの偉大さを感じます」
――心に残ったシーン、好きなセリフはありますか?
木下さん:いつもは乱暴者のジャイアンがみんなのために活躍する…というようなところは、友情を感じました。公国の王や王妃の子どもに対する親子愛の部分も印象的でしたね。友情や親子愛がたくさん出てくる映画でした。
のび太の絵に対するパパの言葉もすごくよかったな。
うちの長男も、のび太のように絵を描くことがすごく苦手で…。うちでは子どもが描いた絵に対して「すごいね」と声をかけることはよくしているのですが、図工が苦手、特に絵を描くのが嫌いという息子に対して、うまい下手じゃなくて「好きって気持ちを持って描くことが大事だし、それだけでいいんだよ」というような言葉を自分はかけてあげられていないなと。のび太のパパの偉大さを感じましたね。
それに、のび太のパパは仕事で疲れていたのに、子どもに優しい言葉をかけてあげてえらいなぁって。仕事で疲れていたら、つい「疲れているからあとにして」って言いがちですよね。
のび太への一言もよかった。パパが出てくるシーンは終始よかったですね。ドラえもんの映画は親子で見ることが多いと思うので、大人も学ぶところがありますね。

「親として大事な部分を思い返せて、パパ目線でもすごく楽しめました」
――これからご覧になる方に、木下さんの見どころを教えてください。
木下さん:子どもに対する言葉のかけ方や、自分が何気なく発した言葉が今回ののび太のように意外と心に残っていたり、響いていることを改めて気づかされる映画でした。
自分の時間と心に余裕があるときは、ご飯を食べさせること一つとっても”遊び”の要素を取り入れることを意識してやっていますが、それをずっとやってあげられる余裕がないのが子育て。言葉がけに関して、なにも気にしない…できない日もあります。
片付けてほしいときに片付けてくれなかったら「出ているおもちゃ全部捨てるよ!」って言ってしまうこともあります。もっと優しい言葉をかけてあげられたらなぁって、自分を改めて思い返すことができました。
パパもママも親として共通して大事な部分、忘れかけていた部分を思い返せるシーンがありますし、僕自身がパパなのでパパ目線ですごく楽しめました。
――ぜひ親子で観ていただきたいですね。ありがとうございました!
ドラえもんの映画の魅力である、わくわくするひみつ道具の数々やハラハラ・ドキドキするような冒険はもちろん、親としても学ぶところが多いと感じた今回の映画ドラえもん。特に、木下さんが言うようにのび太のパパがいい味を出しているのにも注目です。この春休み、ママはもちろんパパもお子さんと一緒に劇場でご覧になってみてはいかがでしょうか。
シリーズ45周年記念作品『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
原作:藤子・F・不二雄
監督:寺本幸代
脚本:伊藤公志
キャスト:ドラえもん:水田わさび、のび太:大原めぐみ、しずか:かかずゆみ、ジャイアン:木村昴、スネ夫:関智一、クレア:和多田美咲、マイロ:種﨑敦美、チャイ:久野美咲、パル:鈴鹿央士、アートリア王妃:藤本美貴、アートリア王:伊達みきお(サンドウィッチマン)、評論家:富澤たけし(サンドウィッチマン)
主題歌:あいみょん「スケッチ」(unBORDE/WARNER MUSIC JAPAN)
挿入歌:あいみょん「君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」(unBORDE/WARNER MUSIC JAPAN)
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©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2025

元シングルファーザーで3児のパパ。子育てインフルエンサー、タレントとして、ママパパに向けたクスッと笑える育児コンテンツをX・Instagram・YouTubeで発信している。チャイルドカウンセラー資格あり。SNSの総フォロワー数は170万人以上。著書に『#ほどほど育児 失敗したっていいじゃない』(飛鳥新社)、『世界一楽しい子育てアイデア大全』(KADOKAWA)がある。
X:@kinoshitas0309 Instagram: kinoshitayuki_official TikTok:@kinoshitayuki_official YouTube:@kinoshitayu-ki 公式HP:「ゆーきさんち」
文・構成/長南真理恵