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「どうしてうくの? うかないの?」14種類の実験をまとめた40ページの大作!
――この自由研究のテーマを選んだ理由を教えてください。
未羽さん:家族でバーベキューをしたときにバケツの水でスイカを冷やしたら、スイカがずっと水に浮いていて、とても驚きました。プールでも、私より重いお父さんは上手に浮くことができて、軽いゴーグルが水の中に沈んだのが不思議だなと思いました。それで、「どうして重いものが浮き、軽いものが沈むのだろう?」と興味を持ち、浮き沈みについて調べてみようと思いました。
――野菜の浮き沈みから、未羽さん自身がお風呂で浮く実験まで全部で14の実験に取り組んだのですね。どのくらいの期間がかかりましたか?

未羽さん:1日1つずつ実験をし、14日かかりました。実験以外でも野菜を収穫したり、参考図書を読んだり、研究を書くのを合わせると、夏休みはほぼ毎日研究をしていました。
――「土の下で育つ野菜は浮かない」などの発見もありましたね。

未羽さん:浮くと思っていたものが沈んだりして意外な発見がいっぱいありました。野菜は、土の上で育つものは浮き、土の下で育つものは浮かないことを発見しました。完熟のトマトは沈むけれど、そうではないと浮くという違いにもびっくりしました。
――特に心に残っている実験はどれですか?

未羽さん:色水の実験です。塩を5gずつ増やしただけでは、5色の層にならず全ての色が混ざってしまったけれど、塩の量を30gにしてたくさんの差をつけたところ、2色の層になり、家族みんなでとても喜んだことを覚えています。失敗することの大切さを学ぶこともできました。
――40ページもの自由研究をまとめるのは、どんなところが大変でしたか?

未羽さん:伝えたいことや実験結果を分かりやすく、見やすくまとめるところが大変でした。実験結果の表を統一したり、写真に吹き出しをつけて、会話文のようにしたりする工夫もしました。字を丁寧に書くことも意識しました。
家族みんなで一緒に楽しむ姿が印象的! レイアウトの工夫にも注目
――ひいおじいさんと一緒に野菜を収穫したり、妹さんも一緒に実験をしたりと、ご家族みんなで自由研究を応援している様子も伝わってきました。未羽さんはどんなふうに自由研究に取り組まれていましたか?
未羽さんのお母さん:4歳下の妹と一緒に笑顔で楽しく、自主的に自由研究に取り組んでいました。曽祖父と一緒に野菜を収穫したのも心に残っているようで、そのときのことを絵日記にも書いていましたね。

娘は小1のときにもアリの自由研究をしたのですが、本当に実験が大好きなんだなと改めて実感しました。実験に使う物を選ぶときも、たくさんアイデアが出てきて、私も成長を感じてうれしかったです。レイアウトも「こんなふうに配置したい」と自分で工夫していましたね。
――お母さんはどのようにサポートされましたか?
未羽さんのお母さん:実験が滞りなくできるように、材料の準備や写真撮影をサポートしました。楽しく研究が進められるよう、前向きな言葉掛けをするように意識しました。

この研究を仕上げるために夏休みのたくさんの時間を使いましたが、完成したときや受賞できたときの喜びが大きく、本当にやってよかったなと思いました。
――予想を立てたり、考察をしたりと、2年生とは思えないしっかりとしたまとめ方でした。
未羽さんのお母さん:自由研究のまとめ方の本を読んで参考にしました。あとは幼稚園の頃から、科学作品展をよく見に行っていて、「こういうふうにまとめたら素敵だね」と親子でよく話していました。実は私も小学生の頃に6年間自由研究をやっていて、保管していたものがあったのでそれを見せたりもしたんです。
――そうなのですね! どんな自由研究だったのですか?
未羽さんのお母さん:カエルの種類によってジャンプ力がどのくらい違うのかを調べたりしていました。
――そちらもすごく気になる実験です! ご家族で夏休みの間に取り組まれた未羽さんの自由研究の受賞が決まったときはどんなお気持ちでしたか?

未羽さんのお母さん:学校から帰ってきた娘に伝えたら、すごく喜んでジャンプしていました! 家族もみんなで大喜びでしたね。祖父母も泣いて喜んでくれました。自由研究で使った野菜の収穫をさせてもらった曽祖父が去年の秋に亡くなったのですが、天国の曽祖父に受賞の報告ができとてもうれしかったです。
――未羽さんはこれから自由研究で調べてみたいテーマはありますか?
未羽さん:今年は自学ノートを作ってみたいです。去年入賞した作品を見て、私も好きなことについてあんなふうにまとめてみたいと思いました。
「読書通帳」は28冊目に! さまざまな検定にもチャレンジ
――普段の未羽さんの好きなことや、最近ハマっていることはありますか?
未羽さん:読書することが大好きで図書館の読書通帳をつけています。通帳は1冊に50冊の本を記録できるもので、それが1〜2年生では24冊、3年生になって4冊目に入りました。学校の図書室にも毎日行っていて、最近は長い物語も読めるようになりました。

絵を描くことも好きで、絵日記を描いたり、自分が描いたイラストをプラバンのキーホルダーにしたりして残しています。

最近ハマっていることは、いろいろな検定を受けることです。英語検定や漢字検定、珠算検定、習字検定などを受けています。次の級を目指して勉強を頑張っています。
――好きなことがたくさんあるのですね! 将来の夢はありますか?
未羽さん:薬剤師になりたいです。量を計算したり、混ぜたりするような科学が好きなので、薬剤師を目指したいなと思いました。また1人でも病気の人を救いたいので、この仕事に就きたいと思いました。
子どもと同じ目線に立つことを大切に。ピアノも英語も親子で一緒に楽しむ
――普段の未羽さんは、どんなお子さんですか?

未羽さんのお母さん:目標を決めて最後まで諦めずに何事も一生懸命に頑張る子です。これまで学校へ1日も休まず登校したり、習い事も休まず行ったりしています。ピアノは毎日欠かさず練習していますし、学校の勉強や家庭学習もコツコツと丁寧に継続して頑張っています。
――子育てにおいて大切にしていることはありますか?
未羽さんのお母さん:何事も一緒に共有し、同じ目線に立つことを大切にしています。ピアノの発表会で親子で一緒に連弾をしたり、検定の問題を一緒に解いて対決したり、一緒にかけっこやなわとびの練習をしたりすることもあります。自分も体験することによって、今どこが難しいのかなとか、いろいろなことに気づけるようになりました。最近は妹もピアノを習い始めたので、今度の発表会では3人での連弾にも挑戦してみたいです!

また、子どもの話を聞く時間をたくさん作っています。学校や習い事の話も、そこに自分が一緒にいるような気持ちで話を聞いています。1番の応援団、味方としていつも子どもの気持ちに寄り添うようにしています。そして、好きなことをするためには、いつも元気に健康で過ごすことが大切だと思うので、日々の体調管理にも気をつけています。
――未羽さんにどんな人になってもらいたいですか?
未羽さんのお母さん:思いやりがあり、誰からも愛されるような優しい人になってもらいたいです。夢や目標を持ち、それをかなえられるように日々精進してもらいたいです。
――ありがとうございました。実験の楽しさと家族の温かさがぎゅっと詰まった未羽さんの自由研究。お二人のお話から、観察力や考察力、そして、家族で楽しく取り組む姿が伝わってきました。
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昨年のほかの受賞作品もチェック
取材・文/平丸真梨子


