「世界初!? アルビノカタツムリのふか」「日本でも宝石って採れる?」身近な疑問から生まれた小学生の自学ノート作品に森川正樹先生が講評

「小学館の図鑑NEO」と小学館の育児メディア「HugKum」が共催する「自由研究コンクール」。今年も3部門で作品を募集中です。応募締切は10月31日(金)/当日消印有効。昨年は3653件もの応募があり、子どもたちの創造性あふれる作品が集まりました。

今回は、特に注目の「自学ノート部門」について、2024年度の優秀作品をご紹介します。審査員の森川正樹先生(関西学院初等部教諭・『小学生の究極の自学ノート図鑑』著者)の講評とともに、お子さんの作品づくりのヒントをお届けします。

自学ノートとは? 子どもが夢中になる学びのカタチ

自学ノートとは、子どもが自分の興味のあることを、自分で決めたテーマで学びを広げ、B5のノート見開き(2ページ)にまとめるもの。「学び=極上の遊び」を体験できる、新しい学習スタイルです。

関西学院初等部の森川正樹先生は、長年自学ノート指導に取り組んできました。「小学生くらいの子どもって、なんでも遊びにする天才なんですよ。自学ノートに熱中してくれれば、学びで遊びを感じてもらえる」と語ります。

関西学院初等部・森川正樹先生

自学ノートには3つの大きなメリットがあると森川先生は話します。

「勉強はさせられるものではない」という感覚を得られる

できた作品を「認められる喜び」で、素直に机に向かう癖がつく

何にでも興味を持って追求するので、知的好奇心が増す

本記事では実際に2024年度自由研究コンクールで受賞した作品に加え、最終選考まで残った作品を森川先生の講評とともに紹介します。

どんなテーマやデザインが選ばれたのかぜひ参考にしてくださいね。

2024年度最優秀賞作品「ぼくのお母さんについて」 6年生 岩崎拓真さん

身近な存在であるお母さんをテーマに選んだ作品が、最優秀賞に輝きました。

森川先生講評

「テーマが、『ぼくのお母さん』という時点で、興味をひかれます。一番身近な存在だけれども、私たちはきちんとお母さんにお礼を言ったり、向き合ったりできていないかもしれないよね。自分を育ててくれているかけがえのない存在、お母さん。この自学を全国のお母さんたちに届けたい! お母さんから怒られる回数を減らしていく…ぜひ実行していってくださいね! 笑 作者視点、読者視点を意識しているのも6年生としてさすがです。お見事!!」

入賞作品に見る、子どもの探究心

「日本でも宝石って採れるの!?」3年生 長尾美咲さん

丁寧で綺麗なイラストとわかりやすい写真が特徴の作品です。実際にガーネットを採りに行った体験が、調べるだけではない学びの深さを生み出しました。

森川先生講評

「丁寧で、綺麗なイラスト、わかりやすい写真…と、素敵な自学だなあ!!

実際にガーネットを取りに行っているところが、調べるだけではなくさらに良いね! 先生も行ってみたくなりました!!」

「知ってた?!そうなのマンホールのえがら」4年生 山中真希さん

身近なマンホールに注目した視点が光る作品。八王子市のマンホールについて、色に意味があることを発見しました。

森川先生講評

「八王子市のマンホール、カッコいいねえ!! マンホールの色に意味があったとは驚きでした。

真ん中のマンホールのイラストが強烈に心に入ってきて、素敵なデザインの自学だなあ、と感心します!」

「『わたしの自学』の自学」6年生 上杉あまねさん

6年間続けてきた自学ノート自体を振り返る、メタ的な視点の作品です。

森川先生講評

「6年間続けてきた『自学』は君の宝物です。

自学ノートもそうだけど、君の中に蓄積された情報の取り扱い方や、表現の仕方、新しい知識、考え方など全てが大きな宝物だね。これからも自学を続けてください!!」

「人権スゴロク」4年生 長岡杏珠さん

大切なことをスゴロクにして学びやすくした工夫が評価されました。

森川先生講評

「大切なことをスゴロクにして学びやすくしているね。

マスの中に、『自学コンテスト』のことが出てきていて面白かったです。学ぶ、という権利を多いに楽しんでいるね。」

最終選考まで残った素晴らしい作品たち

「おもちについて」6年生 近藤環菜さん

近藤さんが魂を込めて何日もかけて完成させたというこの作品。おもちの歴史や由来、お正月に関してなどおもちにまつわることを幅広く調査してまとめています。

森川先生講評

「タイトルのデザインやおもちキャラのイラスト、紙面をいっぱいに埋めた情報など、素晴らしい自学ですね!

おもちはおいしいだけではなく、日本の文化にも関係しているし、危険な食べ物1位でもある…魅力的な食べ物だね! あなたの自学は大いに人を楽しませているよ!」

「ECO・箱・発酵」5年生 田仲陽香梨さん

地球温暖化に対して、コンポストという観点からごみを減らすことについて調べた作品。実際に段ボールコンポストを作って実験しました。

森川先生講評

「地球温暖化に対して、コンポストという観点からごみを減らすことについてしっかりと調べていて感心します。

実際に段ボールコンポストを作って実験しているのも、手を抜かない素晴らしい自学です! 貴重な学びになったね!!」

「シャリッ コリッ 霜柱」6年生 西愛結奈さん

自学のデザインにこだわり、実際に霜柱を作る実験に挑戦。さらに食べられる霜柱にも挑戦しました。

森川先生講評

「自学のデザインにもこだわって作ったんだね。

実際に霜柱を作った実験がすごい!

色付きは難しいんだね。食べられる霜柱にまで挑戦していることに頭が下がります!!」

「手を合わせましょう いただきます」4年生 槇納陽莉さん

徳島県の給食のご当地メニューや給食の歴史を調べた作品です。

森川先生講評

「徳島県の給食のご当地メニュー、素敵だなあ。

ふしめんじる、飲んでみたいです。

給食の歴史を知ると、毎日の給食にも感謝して向き合える気がするね。」

「ウミガメ」3年生 小林奈央さん

ウミガメの迫力と美しさを表現した作品。環境問題にも目を向けています。

森川先生講評

「ウミガメの迫力、美しさ、情報…と驚きです。

ウミガメがクラゲと間違えてビニールを食べてしまうことがないようにしたいね。水族館に飾ってもらいたい作品!!」

「学校の先生のひみつを調べる ひみつ学校」4年生 竹澤咲子さん

先生の仕事について調べた作品。学校系のイラストが素敵です。

森川先生講評

「先生のことを調べているから、先生もドキドキしましたよ!

真ん中の学校も、周りの学校系のイラストもとても素敵です。いろいろあるんだよ、先生の仕事ってね!(笑) 調べてくれてありがとう!」

「世界初!? アルビノカタツムリのふか」4年生 嶋谷優花さん

卵から育てたアルビノのカタツムリの記録という、貴重な研究です。

森川先生講評

「卵から育てたアルビノのカタツムリの記録なんて、すごい自学で本当に驚きです!!

これは貴重な、立派な『研究』だね。

カタツムリの卵を発見すること自体が珍しいよね。」

「食べて調べよう!~スイカの種のヒミツ~」6年生 原山萬理さん

スイカ、メロン、カボチャの種の数を実際に数えて比較した実験的な作品です。

森川先生講評

「面白い実験だなあ…実際には1kgあたり、スイカがメロンやカボチャに比べて種が一番少ないなんて、意外でした!

お腹いっぱいになりながら種を集めるのは大変だったね!」

今年も応募受付中! 豪華賞品も

2025年度の自由研究コンクールは、図鑑部門、自由研究部門、自学ノート部門の3部門で作品を募集しています。応募締切は10月31日(金)/当日消印有効。

最優秀賞には賞状と図書カード3万円分、その他にもタカラトミー賞(SORA-Q)、SMBCコンシューマーファイナンス賞(VJAギフトカード2万円)など豪華賞品をご用意しています。

今年新設された「学級賞」では、団体応募の中から特に努力が認められる学級に、賞状と森川先生オリジナルシールを贈呈します。

学校から戻ってきた作品で応募できますし、郵送でもデータ化しての応募もOK。この夏のお子さんの力作を、ぜひご応募ください。

応募はこちらから

【10月31日まで】学校に提出した作品も応募できる! 「自由研究コンクール」図鑑部門・自由研究部門・自学ノート部門の3部門で受付中、団体応募もOK《小学館の図鑑NEO×HugKum》
本コンクールは、子どもたちの「好奇心」と「探究心」を育み、自ら学ぶ楽しさを体験してもらうことを目的としています。小学1年生から6年生を対象...

お問い合わせ先

自由研究コンクール事務局

Email: jiyuukenkyu@shogakukan.co.jp(平日10:00~17:00)

TEL: 03-3230-5470(平日10:00~17:00)

著/森川正樹|1760円(税込)

 本書は、子どもが真似したくなるような「自学ノート」を図鑑的に見せ、自学への意欲を引き出します。原寸に近い大きさで掲載されているノートでは、びっしりと書き込まれた一文字一文字まで読むことができ、テーマの選び方、文章の書き方も知ることができます。学校でも家庭でも、子どもも大人も読んでほしい「これからの学び方」図鑑です。

コメントをくれたのは

森川正樹先生 関西学院初等部教諭

兵庫教育大学大学院言語系教育分野(国語)修了。教師塾「あまから」、読書会「月の道」を主宰。国語科の実践に力を注ぐ。令和2年版学校図書国語教科書編集委員。著者に『小学生の究極の自学ノート図鑑』(小学館)など。
森川正樹の”教師の笑顔向上”ブログ」で、日々の教育関連情報を発信中。

文・構成/HugKum編集部

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