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大好きな「カプセルトイ」をテーマに、情報やイラストをノートいっぱいに詰め込んだ作品

――「カプセルトイ」をテーマに選んだ理由を教えてください。
彩葉さん:カプセルトイはどの世代にも人気なので、誰が読んでも楽しめると思って選びました。私もカプセルトイが大好きで、ミニチュアのコスメなどをたくさん集めています。学校でも友達どうしで、「こういうのが出たよ」と、よく情報交換しています。
――確かに、カプセルトイのお店に行くといろいろな世代のお客さんがいますよね。調べる中で、「これは知らなかった!」と発見したことはありますか?
彩葉さん:カプセルトイを回すと「もう1回やりたい!」となることがよくあると思うのですが、この現象に「ディドロ効果」という名前があると知ってびっくりしました。このような現象があるからカプセルトイはどの世代にも人気なのかなと思いました。
また、カプセルトイのカプセルには、子どもが口に入れても窒息しないように穴が空いているということも初めて知りました。小さなところまで工夫されていてすごいなと思いました。

――真ん中に描かれたカプセルトイマシーンのイラストや、タイトルの文字はインパクト抜群でした!どんなところを工夫してノートをまとめましたか?
彩葉さん:普段のノートもマーカーなどを使って書くのが好きなので、色を選んだりするのも楽しかったです。タイトルの濁点の部分をカプセルの形にするなど工夫しました。あとは、ただ調べたことを書くだけではなくて、その文章の下に自分の意見や感想も書くようにしました。
「コンビニ」や「たまごっち」も!6年生から始めた自学ノートは身近なテーマが満載

――自学ノートはいつ頃から始めたのですか?
彩葉さん:6年生になってから、クラスで取り組むことになり、そこから11個のテーマをノートにまとめました。「たまごっち」や「東京ディズニーランド(R)」、「コンビニ」など身近なテーマを取り上げました。クラスの中でも上手にできると表彰されるので、頑張って書きました。

――どれも読みたくなるテーマですね!テーマはどんなふうに考えたのですか?
彩葉さん:身近なものや、いつも行っているのに全然気にしていなかった場所などを思い出して、「これにしよう」と決めています。
――見開き1ページを仕上げるのに、どれくらい時間をかけていますか?
彩葉さん:6〜7時間くらいかかります。最初にレイアウトをこんな感じがいいかなと考えて、下書きしてから書き始めます。でも書いているうちに書きたいことがたくさん出てきて、最初に考えたレイアウトから変わることもよくありますが、真ん中に大きく絵を入れるというスタイルは決めています。

彩葉さんのお母さん:ずっと集中してノートに向かっているので、本当に好きでやっているんだなと感じますね。実は、同じクラスにライバルのお友達がいて、負けたくないという気持ちもあるようです。仲が悪いわけではなくて、お互い刺激し合うような関係で取り組んでいましたね。

――それは大きなモチベーションになりますね。担任の先生からはどんなアドバイスがありましたか?
彩葉さん:「他の人の作品を真似して、自分の個性に変えるっていうのはいいことだよ」と言われたことです。それを聞いてから、レイアウトを真似してみたり、真ん中だけじゃなくてちょっと違うところにもイラストを入れてみたりしています。本みたいに楽しめるページができるように意識しています。

子育てでは、忙しくても子どもの「見て!」の気持ちを大切に
――お母さまは彩葉さんの自学ノートをご覧になって、どんな感想を持ちましたか?
彩葉さんのお母さん:発想も色使いも「私にはできないな」と思いました(笑)。テーマについて「これはどうかな?」という話は聞いていましたが、全部自分で考えて、最後までやり遂げていましたね。
――お母さまから見て、彩葉さんはどんなお子さんですか?
彩葉さんのお母さん:手先がすごく器用で、小さい頃からレジンで小物を作ったり、厚紙やダンボールでミニチュアの化粧品を作ったり、中で音が鳴る仕掛けを考えたり……作業に没頭するのが好きな子です。小学校1年生のころはちょうどコロナ禍で家にいる時間が長くて、絵本を作ったり、私や友達の誕生日にイラストや装飾を描いたノートをプレゼントしたりしていたのもよく覚えています。そういうことが小さい頃から好きでしたね。
――子育てではどんなことを大切にされていますか?
彩葉さんのお母さん:子育てで意識してきたのは、保育園のころから「見て、見て!」と言われることが多かったので、できるだけ見てあげるようにすることです。仕事もあり、時間はあまりなかったですが、そういった時間はとるように意識していました。

仲良しの子が選ばれても「悔しい」!児童同士で高め合った「自学ノート」
自学ノートの指導をされた、担任(当時)の吉松奈々先生にも伺いました。
――クラス全体で「自学ノート」に取り組むことになった理由とねらいを教えてください。
吉松先生:自学ノート自体は高学年をもつたびに取り組んでいました。コンテストに応募し始めたのは3年前からです。学校という狭い世界ではなく、日本中で評価されることは子どもにとって大きな自信となります。また、自分の好きを追究することで、自分は何が好きで、どんなことにやりがいを感じるのかと自分を俯瞰して考えることができてくるのではないかと考えています。クラスでは、会社活動(係活動のようなもの)にも力を入れています。先の見えない時代を生き抜く子ども達には、日常が変化しても自分を見つめ、流されず、自分の頭で考えて突き進んでいってほしい、そんな力をつけてほしいと願っています。
――紙谷さんの作品をコンクールに応募いただいた理由を教えてください。
吉松先生:クラス全員分応募しました。32名全員応募したので紙谷さんのものを特別選んだわけではありません。正直、最優秀賞に選ばれると思っておらず、「学級賞」が昨年度からできたのでそれを目指そうとクラスで話していました。
――紙谷さんの応募作品をはじめて見たときの感想を教えてください。どんな点が優れていると感じましたか?
吉松先生:日々自学ノートに取り組むにあたっては、最後のまとめで自分の考えを書くことが大切だと伝えていました。ネット情報をそのまま書きうつしてしまう人もいたため、得た情報に対する自分の私見やこれからのことが書かれている「感想」はとても良いと感じました。
――紙谷さんの作品について、回を重ねるうちにどんなところに成長を感じましたか?
吉松先生:追究内容が明確に変化しています。追究する観点が増え、初めはそのもの自体の情報だけでしたが、回を重ねることに、その効果や未来につながる視点も増えました。好きな物を起点として、心理や経済や社会まで世界が広がり探究が見られるようになりました。
――「自学ノート」のアドバイスとして、児童にはどんなことを指導していましたか?
吉松先生:高学年であればゴールデンウィーク明けから自学ノートを開始します。初めに独自の評価観点を明示し、毎回クラスでの自学交流、もしくはコンテストを開いていました。アプリでお互い良い点を伝え合い、いいねの数で優勝を決めます。人の良いところはどんどん真似することを指導していました。
――児童同士で切磋琢磨していく様子は、いかがでしたか?
吉松先生:紙谷さんのすごいところは「誰よりも素直」であるところです。高学年ともなると全てにおいてアドバイスや指摘は伝える状況や言葉を選びます。彼女は特にはっきり伝えても素直に吸収してくれる柔軟な人間性を持っていました。ですから伸びる人だと感じていました。その彼女がどんどん進化する自学ノートを持ってくるため、クラスの子どもも刺激をうけているようでした。日々の先生評価が待ちきれないようで「自学ノートまだ?」とよくせかされました。
また、仲良し同士でも高め合える関係を築く必要があることをクラス全体に伝えていました。馴れ合いで群れているだけでなく、お互いのもちあじを取り入れお互い進化できる友だちを選びなさいと言っていたため、仲良しの子が選ばれても「悔しい」という発言が聞こえてきて、高め合える集団になっていることがうれしかったです。
中学校では部活が楽しい!ガチャガチャの企画をする仕事にも興味津々
――中学校生活はどんなことが楽しいですか?
彩葉さん:ソフトテニス部に入部して、楽しんでいます。前期は委員会に入れなかったので、後期は文化委員か保健委員に入りたいなと思っています。文化委員は、遠足の行き先とかを決められるので面白そうだなと思っています。
――将来の夢はありますか?
彩葉さん:やりたいことがいっぱいあって、まだ具体的には決まっていません。でも、カプセルトイの商品を考える仕事も面白そうだなと思っています。
――ありがとうございました。今は小学4年生の弟さんも自学ノートに取り組まれているそうで、学校でも彩葉さんの自学ノートがお手本として紹介されているのが自慢なのだとか。カプセルトイのように自分の身近にある大好きなことをテーマにすると、楽しく取り組むことができそうです。これから自学ノートを始める方もぜひ参考にしてみてください!
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取材・文/平丸真梨子