佐賀の21世紀型藩校で「グリコの創意工夫学」開講!小学生のクリエイティブなアイデアに脱帽

アクティブな学びを体験できる!21世紀型藩校「弘道館2」とは?

明治維新150周年に向けて、前年の2017年~から佐野常民や大隈重信といった多くの偉人たちが学んだ藩校(鍋島直正、島義勇、佐野常民、副島種臣、大木喬任、江藤新平、大隈重信)「弘道館」を今のかたちに生まれ変わらせた21世紀型藩校「弘道館2-藩校しようぜ。-」を設立した佐賀県。

弘道館の名前の文字通り「道を弘(ひろ)げる」ことができるような、学校や塾などとは少し違う、まなびの場として、様々な講演会やワークショップを開催しています。

その「弘道館2」の特別講座として、誰もが知っているおかしのグローバル企業、江崎グリコ株式会社を講師に迎え、小学4〜6年生向けのクリエイティブなイベントが開催されると聞き、HugKum編集部も取材に出かけてきました!

実は佐賀生まれ!小学生向け「グリコの創意工夫学」に潜入

江崎グリコ株式会社といえば大阪にある企業ですが、実は100年前、創業者の江崎利一さんが佐賀で始めた事業がきっかけ。

1919年、有明海の牡蠣の煮汁からグリコーゲンを採取し、それを入れたキャラメルの開発を開始、1922年に三越にて売り出したのが、「一粒300メートル」のキャッチフレーズで有名な「栄養菓子グリコ」なのです。

江崎さんの生家はグリコ創業の地として、いまでも佐賀県の蓮池という場所に残っています。

佐賀市内から車で20分ほどの場所にグリコの創業者、江崎利一氏の生家が
グリコのトレードマークにはこんな歴史が!

生家はいま、公民館として地元の方々に親しまれているそうですが、敷地内には江崎利一さんとグリコの歩みも記してあります。

グリコのトレードマークといえば男性が手を上げてゴールするこれ! ですが実は、創業時の大正11年からはこんなに変遷が。男性の表情はよりやわらかくなり、体つきも細マッチョ→がっしり体型に変化しているのがわかります。

小学生が3時間だけグリコ社員に!特別講座スタート

グリコを代表するポッキーは子供から大人にまで大人気!

さていよいよ、佐賀県内のバルーンミュージアムにて、小学生を招いての特別講座のスタートです。今回の参加者31名は、約7倍の倍率をくぐり抜け、当選したラッキーな小学生たち。

グリコ社員の方がプログラミングアプリ「グリコード」の使い方を説明

ふだんなかなか出会えないグリコ社員の方々から会社の歴史を学んだり、グリコが開発する新しいプログラミングアプリの説明を受けたり。前半はさまざまな形でグリコという企業についてインプットしました。

この日のために特別に用意された資料には、マンガなどで子どもでも分かりやすくグリコの歴史が解説してあります。
この日の議題となったグリコ(キャラメル)のパッケージにしっかり向き合う小学生たち。

講座の途中では、グリコを代表する商品であるポッキーなどが配られ、食べながらの受講。なじみのおかしのパッケージが出てきた瞬間に、子どもたちの表情はふっとゆるみ、リラックスしていました。

もしキミが社員なら、アソビグリコにどんなオモチャをつける?

そして講座の後半は、実践ワーク。「グリコの社員になって、アソビグリコにつけるオモチャの新しいアイデアを考えよ。条件は、グリコのオモチャの箱に入ること」というミッションに対し、まずは個人個人でアイデアを出します。

江崎利一さんの「ヒントは身近なところから」「人の役に立つことを考える」といった発想術にヒントを得ながら、

「パズルを1ピースずつ入れると、集めたくなるかも」
「季節にあった木でできたクリスマスツリーが入っていたらうれしいのでは」
「お守りシールやひとことアドバイスが入っているとやる気が出る」
「小さいけど書ける文房具が入っていてほしい」

など、参加の小学生から楽しいオモチャのアイデアが次から次へと発表されました!

その後はテーブルごとのグループに分かれてのワーク。

6年生がリードしながら、みんなの意見を引き出し、まとめました。それぞれのアイデアシートに書いた意見を一生懸命、友達に説明し、ひとつのアイデアに絞り込むために頭を悩ませ、みんなで力を合わせて意見を集約させていく姿勢は大人顔負け!

最後に、グループでひとつにまとめた意見をプレゼンシートに記入し、発表!5つのグループが独創的なアイデアを出してくれました。その一部がこちら。

 

Cチームの「ボールコロコロ大ぼうけん」。ボールを使った迷路のおもちゃを入れよう、というアイデアです。「迷路をすることで集中力を高めることができる」という意図は、江崎利一氏の「人の役に立つことを考える」という教えにぴったり。

大人がうなったアイデアチームの「生きかえった!絶めつ動物」のオモチャアイデアは、トキやイリオモテヤマネコなど、絶滅が危惧される動物たちのオモチャと小さな説明書を付け、説明書をスマホにかざすとさらに詳しい説明画面が現れるというもの。自然環境について学べたり、リアルなオモチャとデジタルを連動させたりといった圧巻のアイデアが詰まっていました。

知ってる?グリコのアプリでプログラミングが学べる!

グリコのプログラミングアプリ「グリコード」

HugKum読者のパパママ世代には、2020年からスタートするプログラミング授業の必修化という話題はとても気になるところ。この日の講座でも説明がありましたが、実はグリコも、ポッキーを使ってプログラミングの理念を学べるアプリ「グリコード」を開発、リリースしています。

このアプリの遊び方は実物のポッキーを並べ、写真を撮ってコードを指示するというとってもユニークで楽しいもの。子どもたちが大好きなポッキーでプログラミングが身につくんです。

未就学のお子さんにはアプリ連動の「アソビグリコ」を

プログラミングはまだ早い、というお子さんには、グリコに付いた木のオモチャをアプリに連動させて遊ぶのがおすすめ!アプリを起動し、カメラで写すと木の動物たちが動いたり、動物についての知識が得られたりして、動く図鑑のような感覚で遊びながら学ぶことができます。

パパママ世代にもなじみがあるグリコのお菓子も、時代とともに進化中。お子さんと一緒に食べて遊んで学んで、といった新しい親しみかたがあることも、今回の特別講座で知ることができました。

まさにアクティブラーニングな学びを提供する「弘道館2」の講座は、今後も継続的にレポートしていきます!

取材・文/HugKum編集部

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