空を飛ぶエコ燃料!家庭の使用済み油を飛行機の燃料に変える、未来のエネルギー『SAF』はどうやってできる?製油所見学に行ってきた!

PR /コスモエネルギーホールディングス

「SAF(持続可能な航空燃料)」という言葉を聞いたことはありますか?今まで捨ててしまっていた家庭の使用済み油を航空燃料にリサイクルするという取り組みです。ママパパに伝えたい「空のエコ革命」。今回は日本で唯一のSAFの大規模製造装置がある、大阪府堺市のコスモ石油堺製油所をHugラボファミリーが見学してきました。

SAFってなに?家庭の使用済み油で飛行機が飛ぶってほんと!?

「SAF(サフ)」とは、使用済み油から作られるSustainable Aviation Fuel (持続可能な航空燃料)の略称です。
SAFは、今までの航空燃料に比べて、CO₂の排出量を約84%(※1)も削減できる、地球に優しいエコ燃料。

日本政府は2030年までに温室効果ガス(GHG)の5%削減を目標とし、SAF供給を義務化する方針を示しているほど注目されています。

※1 ICAO(国際民間航空機関)の算出に基づく、コスモエネルギーグループが採用する使用済み油を原料とするSAF製造プロセスにおけるCO2削減効果。

家庭の使用済み油が飛行機の燃料に変身!

SAFの原料は化石資源ではなく、使用済み油、微細藻類、木くず、サトウキビ、古紙など。中でも今原料として注目されているのが、家庭の使用済み油の活用です。

そこで今回はHugラボファミリーと一緒に、おうちで使った油がSAFにリサイクルされるまでの仕組みを勉強してきました。
今回協力してくれたのは、田中さんファミリー。

今回はHugKumの読者組織Hugラボとして活動中の田中ファミリーが体験!

使用済み油がどうやって飛行機の燃料になるのか体験!

まずは使い終わった油をペットボトルに入れよう

いつもは捨ててしまっていた油が飛行機の燃料になるなんてワクワクする!
  • まずは使い終わった油を、回収しやすいペットボトルに詰め替えます。
    普段は週1-2回は揚げ物をするという田中さんファミリー。写真は1回分の使用済み油とのこと。
  • 簡単だと思っていた移し替えですが、いざチャレンジしてみると口の小さいペットボトルへの入れ替えは予想外に難しく、1回目は失敗!
  • 2回目は写真のような「じょうご」を使い、無事移し替えることができました。

ふたをしっかり締めたら、準備完了!
今回は約1ヶ月で500㎖ペットボトルに満タンの油が集まりました。
大家族や揚げ物が大好きなおうちなら、あっという間にたくさんの油が貯まるかもしれませんね。

使用済み油を持ってコスモのサービスステーションへ

お出かけ前に給油するため、家族でコスモのサービスステーション(SS)にやってきました。
今回立ち寄ったのは大阪府堺市にあるセルフステーション長曽根。ここで用意した使用済み油の回収をしてもらいます。
※2025年8月現在東京都内、大阪府堺市、吹田市のすべてのコスモのサービスステーションで回収可能

家庭の使用済み油がここから飛行機の燃料になるため回収されます。

サービスルームの中にある回収BOXへ。BOXがどこにあるのかちょっと不安だったけど、すぐに見つけられました。サービスステーションの方に声をかけ、BOXに入れていただきます。これなら簡単で、給油のたびに持ってくることができそうです。

セルフステーション長曽根では、すでに月間30~50リットルの使用済み油が回収されているそう。
この取り組みが全国にも広がるとうれしいですね。

サービスステーションで回収した使用済み油は、回収拠点に集約され、全国で集められた使用済み油とともにトラックに載せられ堺製油所へ。
その後は製油所内の大きなタンクに貯められ、SAF製造装置で飛行機の燃料に生まれ変わるんです。


国産SAFを製造するコスモ石油株式会社堺製油所へ

日本初のSAF製造装置を見学してきた!

これがSAFをつくる製造装置!
  • 今回見学したのは2024年12月に完成した、コスモ石油堺製油所のSAF製造装置。
  • 原料調達からSAF製造、販売までのサプライチェーン全体でISCC CORSIA認証とISCC EU認証を日本で初めて取得し、温室ガス排出削減効果が国際的に認められています。すでに日本初の国産SAFの大規模生産に取り組んでいます。
製油所内でもひときわ目を引く大きな使用済み油の受け入れ施設
SAF製造装置は24時間モニタリングルームで管理されています。モニターのボタンで操作ができるそう。

この装置に入った使用済み油は、たった1日でSAFになって出てくるんだそう。今までは捨てていた油が、回収すると飛行機の燃料に生まれ変わるなんて、すごい技術ですね!

年間約3万キロリットルのSAFが生まれる

茶色い使用済み油(左)と透明なSAF(右)

SAFは、透き通った液体。よく気をつけて匂いを嗅ぐと、かすかに灯油のような香りがする程度で、見た目は水と区別がつきません。
使用済み油はSAF以外にもナフサやバイオディーゼルなどに生まれ変わり、ほとんど廃棄するものは出ないんだとか。世界的にも珍しいこの製造技術も、地球に優しい取り組みですね。

できあがったSAFは配管を通って桟橋近くのタンクへ。その後停泊している船に積まれて、そのまま飛行機の待つ空港へ出発!
あのペットボトルの油が本当に飛行機に使われるなんて、最初は信じられなかったけど、実際に製油所を見学して、いろんな人の話を聞くと実感が湧いてきました。

SAFについて学んだ後は、気になることをQ&Aで解決!

おおいに学びになったサービスステーションと製油所の見学を終え、親子で感じた疑問点をコスモエネルギーホールディングスに質問してみました。

Q:どれくらいの使用済み油の回収量で飛行機が飛びますか?

実際の航空燃料に使えるSAFの割合は最大50%と決まっています。家庭から出る使用済み油の量は限られているので、それだけで世界中の飛行機をすべてSAFで飛ばすことはできません。 SAFでもっとたくさんの飛行機が飛ぶよう、使用済み油の回収にぜひご協力をお願いします。

Q:自分が住む街の身近な回収スポットを探すにはどうしたらいいですか?

この看板が目印!

2025年8月現在、東京都内、堺市、吹田市のコスモのサービスステーション、堺市内のイオンモールなどで回収が始まっています。
最新情報はこちらから検索
(※リンク先のSS検索のサービス絞り込みで「廃食用油回収」を選択し、絞り込むと、回収できる場所を探すことができます)

将来的には家庭ゴミのように、決められた日に家の近くに使用済み油を出しておくと収集車が回収してくれる、そんな身近な仕組みを目指しているんだそう。早く実現できるといいですね。

Q:使用済み油を持って行くときに気を付けることはありますか?

しっかり冷まして入れよう

①まずは調理後、常温になるまで使用済み食用油を冷ます。
② ペットボトル(スクリューキャップ式)など、しっかりとふたが閉まる容器に使用済み油を入れる。
未使用・未開封(期限切れ)の油も出すことができます。
③ 回収拠点に設置する回収BOXに容器ごと入れる。

※注意事項
・ 容器に入れる際に、食品などの”かす”をできる範囲で取り除いておく
・ 回収対象は家庭から排出された常温液体の植物油のみ(動物性油脂、常温固体のものや鉱物油は不可)
 ◎:サラダ油、ごま油、米油、オリーブオイル、えごま油など
 ×:牛脂、ラード、ショートニング、バター、マヨネーズ、ドレッシング類、パーム油、鉱物油など

油をペットボトルに詰めるのも、最初はちょっと難しいかも?必ず大人と一緒にやってみてください。
せっかく集めた油がしっかり役立てられるよう注意事項を守って、家族で無理なく取り組んでみてくださいね。

家族で「エコ」について考えるきっかけに!

SAFが本格的に導入されるためには多くの使用済み油が必要です。
しかし現在、家庭の使用済み油の多くは捨てられており、飲食店などから回収された使用済み油についても年間10万トン以上が国外に輸出されているといわれています。

身近でできることを続けることで簡単に取り組める、家庭からの使用済み油のリサイクル。近くに回収拠点がない場合は、飛行機を使うときにSAFを使う航空会社を選ぶのも応援のひとつです。

  • たくさんの方の手を経て続けられる、きれいな空と自然を残せる取り組み。毎回捨てていた使用済み油を回収することをきっかけに、「自分ごと」として地球にやさしいプロジェクトに家族で取り組んでみませんか?

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写真/安河内聡 取材・文/寄田真生子 構成/HugKum編集部