ノルウェーで3児の子育て中! 編み物作家のマイさんに聞く暮らし。パパ友が当たり前? 冬場の1~2歳の服は? 【北欧パパと日本で子育てvol.18】

こんにちは。ライター・エッセイストの桒原さやかです。この連載ではスウェーデン人夫と日本で子育てしている日々のこと、子育てしながら気がついたことや考えたこと、またそれをわたしがどう捉えているのかというところまで書いていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

連載18話目は、わたしも以前暮らしていた、ノルウェーに在住のマイさんにインタビュー!

お話を聞いたのは、ノルウェーに住んで10年目となるマイさん。現在は、0歳、5歳、8歳の男の子のママでありながら、編み物作家として、北欧の編み物文化を取り入れた作品もつくっています。

今回は0歳から2歳までの子育てのこと、マイさんに聞いてみました。

どこにいっても、子どもがいるのが当たり前

マイさんが住む、北ノルウェーの街の景色。

――以前ノルウェーに住んでいた頃、夫が働いていた会社ではよく子どもたちがオフィスに遊びに来ていました。デスクでお行儀よく座っていたり、ときにキャッキャと走り回っていたり。まだそのとき私には子どもはいませんでしたが、子育てしやすい国だと感じていました。実際にノルウェーで子育てしてみてどうですか?

マイさん:バスにはベビーカー専用のスペースがあり、ベビーカーを持ってバスに乗ると、大人はもちろん、中学生くらいの子どもも、当たり前のようにささっと場所を譲ってくれます。また、息子が生まれたばかりのとき、近所に住んでいる小学生の男の子がわざわざ家まで来て、赤ちゃんを見に来てくれたこともありました

親ではなくて、子どもだけで見に来てびっくりしたんです。

カフェでも乳幼児をよく見かけたりと、どこにいっても子どもがいるのが当たり前で、社会全体が子育てに協力してくれていると感じます。あとは、父親の子育て当事者意識が高いことにも驚きました。

育児中の楽しみは、Netfilxで好きなプログラムを見ながら編み物をすることだというマイさん。毛糸のズボンやセーターはどれも色合いもかわいい!
冬は2か月ほど太陽が昇らない極夜がある。こちらはいちばん太陽が近づく、お昼の12時頃の一枚。この時期は特に夜泣きなど子育ての疲れが、体にもメンタルにも堪えます。

ノルウェーにはパパ友がいる?

――父親の育児当事者意識が高いというのは、具体的にどんなところでしょうか?

マイさん:保育園のイベントでもパパがいるのは当たり前ですし、送り迎えはパパが担当している家庭も多いです。家事も、子育ても夫婦で完全に分業しています。

ノルウェーでは、両親合わせて49週間の育児休暇があります。また、15週間ほど父親しか取得できない期間が設けられています(パパクォーター制)。平日の朝、ベビーカーを押しながら歩いているパパを見かけるのは普通の風景です。カフェで赤ちゃんを抱っこしながらおしゃべりしているパパたちもよく見かけます。まさに、“パパ友”みたいな感じです。

ノルウェーでは、育児中の親たちが子どもの病気や学校行事などに参加するために、当たり前に仕事を休めます。(年間10日間「子ども疾病休暇」があり、その休暇は有給扱いとなり、100%給料が支払われます)

父親も3か月育児休暇を取得

マイさん:一人目が生まれたときは、私自身も子どもとできるだけ一緒に過ごしたくて、2歳くらいまでは保育園に預けずにいようと思っていました。でも、ノルウェーの友人たちにそのことを話すと、「なんで? どうして仕事しないの?」と、不思議がられたことを覚えています。

ノルウェーでは1歳くらいになると、ほとんどの子どもが保育園に入り、両親共に仕事に復帰するのが当たり前なんです。両親で育児をするのがスタンダードなので、ワンオペ家庭をサポートするような行政サービスはほとんどありません。また、専業主婦(夫)という立場がないので、仕事になかなか就けないと、自分を責めてしまうところはあると思います

今は夫が働いて私が子どもを見ていますが、8か月になるときには夫とバトンタッチする予定です。そこから、私が仕事に復帰して、今度は夫が3か月ほど子どもとの時間を過ごす予定です。ノルウェーでは、父親も育児にしっかり参加して、親たちも好きなことを楽しんでいます

休みの日も、ソリやスキーやスノーボードなど雪遊びをしています。
真冬の時期に、1歳〜2歳くらいの子が外で過ごすときの服装。薄めのウールのインナーを着て、その上からウールのズボンとセーターを着込み、さらにスキーで着るようなジャンプスーツを着るのが基本のスタイル。外に出かけるだけで一苦労です。

子どもとの時間だけじゃなく、夫婦の時間も大切に

――親たちも好きなことを楽しんでいるというと、どんなふうに過ごしているんでしょうか?

マイさん:基本的に8時から仕事がはじまり16時には終わるので、平日でも家族の時間や自分の時間を持っています。

また、夫婦の記念日には、子どもを預けて、レストランで食事をする人も多いです。両親が近くに住んでいる場合は、おじいちゃんおばあちゃんに子どもを預けている人もいますし、ベビーシッターにお願いするのも当たり前です。

自分がベビーシッターをしていた子どもが大きくなったとき、今度はベビーシッターとして自分の子どもをお願いしているという例も聞いたことがあります。子どもを通して、地域で輪が続いていて、そんなところも面白いです

冬になるとあちこちにライトが灯り、温かい雰囲気。

なによりも、家族が一番

マイさんのお話を聞きながら思い出したのは、16時になるとパタッとパソコンを閉じて、まっすぐ保育園に向かうノルウェーのパパたちの姿。仕事モードから家族モードへの切り替えの鮮やかさに、毎回驚かされるのです。

北欧では、なによりも家族が一番。
休日だけではなく仕事の日も、毎日の生活のあらゆる場面で感じることです。

家族がうまくいけば仕事もうまくいく。
仕事がうまくいけば人生もうまくいく。

そんな考え方が北欧では根付いているのかもしれません。マイさん、今回はありがとうございました!

冬の北ノルウェーの景色。

マイさん
ノルウェーの北極圏で、男の子3人の子育て中。編み物作家として、北欧の編み物文化を取り入れた作品を日々制作している。Instagramでは、初心者でも「できた!」が増える、編みかた動画を更新中。

Instagram @polar_knittingjourney

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プロフィール

桒原さやか ライター・エッセイスト

イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
自家焙煎のコーヒー豆と小冊子のお店「Hej Hej COFFEE(ヘイヘイコーヒー)」はじめました。

文・構成・写真/桒原さやか

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