目次
豆まきはいつやるといい?
まずは豆まきをする日付や時間帯、豆を食べるタイミングなど、節分の流れを見ていきましょう。もちろん、無理にこの通りにやらなくても問題ありません。ここからは、一般的な「豆まき」の行い方をご紹介します。
豆まきをするのは節分の日
2月3日は節分。そもそも「節分」とは、鬼に豆をぶつけて追い払い、新年を迎える立春の前の日の行事のことをいいます。旧暦の二十四節気では、立春は新年の始まりとされていたからです。豆まきで邪気や魔物を取り払い、新年に幸運をもたらすという意味で、立春の前日に豆をまくようになりました。
豆まきは何時頃するの?
鬼は真夜中の丑寅の刻に来ると言われていますので、夜に行うのが基本です。今の時間でいうと、夜中の1時から5時頃となってしまいます。さすがに真夜中に豆まきをするわけにはいかないので、夕飯前などに家族そろって行うご家庭が多いのではないでしょうか。
豆まきの豆を食べるのはいつ?
豆まきの豆を食べるタイミングは、豆まきが終わってからがふさわしいでしょう。新年の厄除けを願って、年齢よりも1つ多く豆を食べます。ただ、地方によっては年齢に合わせた数や、2個多く食べたりするところもあります。このような豆や豆の食べ方を「福豆」「年取り豆」といいます。福豆を体内に入れて、家族の健康や幸福を願いましょう。食べきれないときは、熱いお湯を注いで飲む「福茶」にしていただく方法もあります。
※毎年、節分の時期には乳幼児による豆の誤飲の事故が起こります。以下の記事を参照に、5歳までは乾燥した豆を食べさせない、などの注意を守りましょう。
豆まきの由来や意味
なぜ節分に豆をまくようになったのでしょうか。豆まきの由来とその意味について紹介します。
豆まきはいつから始まった?
豆まきの始まりは古く、室町時代から行われていたといわれており、古代中国から伝わった「追儺(ついな・おにやらい)」という行事が元とされています。
身分の高い貴族が鬼役の家来たちを追いかけるという、宮中で行われていた鬼払いの行事が、室町から江戸時代にかけて庶民のあいだにも浸透していき、「豆まき」という形に変わって現代まで引き継がれているようです。
節分に豆まきをする理由
節分には、文字の通り「季節を分ける」という意味があり、「立春、立夏、立秋、立冬」の前日を指します。特に、立春は旧暦の二十四節気において新年の始まりを意味するため、重要視されるようになりました。その後、主に立春の前日を「節分」と呼ぶようになり、豆を投げてその年の厄を祓う行事が行われるようになります。
豆をまく理由としては、昔から日本には穀物をまくことでお祓いやお清めをする風習があったことが挙げられます。節分に用いられる大豆は五穀の一つで、米よりも大きく、床や壁にぶつけたときの音も大きいことから、邪気を祓うのに使用されたとも言われているようです。また、「魔物の目をめがけて豆を投げれば、魔を滅ぼす」=魔滅(まめ)と言う響きと似ていることから、豆は魔滅に通ずるいう説もあります。
豆まきの豆の選び方や作り方、やり方やルール
古来から続く豆まきには、様々なルールがあります。ここでは、豆まきで使用する福豆の選び方からその作り方、豆まきの正しいやり方など、節分のルールなどを紹介します。
福豆の選び方
節分の豆まきで使われる豆は「福豆」と呼ばれ、本来は升に入れて神棚に供えます。升を使うのは、「力が増す」という言葉にかけて、縁起がよいと考えられているからです。
福豆として使われる豆は、必ず炒った大豆を使います。豆まき後に拾いそこねた豆からやがて芽が出てくると、縁起が悪いと考えられているため、豆から芽が出てこないように炒るようになりました。
市販されている節分用の豆のほとんどが、すでに炒ってある大豆ですが、自分で大豆から準備するのなら、事前に炒って升に入れて、豆まきの直前まで神棚に供えておきましょう。
豆まきのやり方
まずは、家の玄関や窓を開けて「鬼は外!」と言いながら豆まきをスタート!
部屋の奥から窓や玄関の方へ鬼を追い出すようにしていき、最後は玄関も窓も閉めて「福は内!」と言いながら、部屋の中に豆をまいて福を呼び込みます。
豆をまき終わったら、まいた豆を拾って、自分の年齢の数より1個多く豆を食べて家族の健康や幸せを願います。
詳しくはこちらで解説していますのでチェックしてみてくださいね。
豆まきの豆の代わりにこんなものもおすすめ
豆まきの豆は炒った大豆を使うのが一般的とされていますが、大豆以外の豆を使用している地域や、子ども向けにアレンジしたものを使用するなど、時代に合わせてさまざまに変化しています。理由としては、煎り大豆だと小さくて掃除が大変だから大きい豆を使う、なんてこともあるようですが、代わりにどんなものを使用しているのでしょうか。
落花生
豆まきに、煎り大豆ではなく落花生をまく地域も多くあります。この豆の違いは地域の特性が大きく関係しています。大豆をまく地域は、関東、東海、関西、中国、四国など関東より南側に多く見られます。落花生をまく地域は、北海道、東北、新潟、鹿児島、宮崎など北寄りの県と九州の一部に見られます。
北の地域は雪が降るので、大豆だと小さくて雪に埋もれてしまい、見つけづらく掃除も大変ということから、大きい落花生をまくようになったと言われています。ただし、九州の一部が入っているのは、鹿児島に落花生の生産地が多く存在するため、身近なものが使われるようになったということのようです。
個包装の豆
最近は少量に小分けされた個包装タイプの豆もスーパーなどで多く見られます。豆をまいた後でも衛生面を気にせず食べることができ、大人数でシェアするのに便利であると人気があがっているそうです。
個包装のお菓子
豆が苦手だったり、アレルギーのある子どもには、お菓子が個包装になったタイプがおすすめです。かわいいパッケージに入ったあられのお菓子や、大豆のまわりに砂糖やチョコをコーティングしたものなど、さまざまな商品が発売されているので、用途や一緒に行う人の好みに合わせて節分の福豆をさがしてみても面白いかもしれません。
節分の豆まきと合わせてしたいこと
楽しい節分を過ごすために、豆まきと合わせてやりたいことを紹介していきます。子どもと一緒に節分をさらに楽しんでみませんか。
豆入れを作る
豆まきの豆は升に入れてまくのが正式ですが、子どもが升を持つのも大変なので、かわいい豆入れを手作りして、オリジナルの豆入れを使うのおすすめです。ご家庭にあるもので簡単に作れますので、ぜひチャレンジしてみてください。
鬼のお面を作る
この季節になると、保育園や幼稚園で鬼のお面を作るところも多いようです。持ち帰ったお面をパパやママにかぶらせて、子どもたちが豆をまく役で楽しむのもいいですね。しかし、鬼のお面はお家でも簡単に作れます。鬼のお面以外にも節分にまつわる工作はたくさんあるので、以下を参考に作ってみてください。
節分や豆まきの絵本を読む
絵本を使って、節分の由来や豆まきのやり方などを子どもに説明するのもおすすめです。以下の記事では、節分にまつわる絵本を紹介しています。お気に入りの一冊を見つけてみてください。
豆まきのうたを歌おう!
家族みんなで豆まきのうたを歌うのも楽しそうですね。「おにのパンツ」など、豆まきにまつわるうたを歌うと盛り上がること間違いなし! その他にも、以下の記事では節分の歌に合わせた手遊びなどを紹介しているので、楽しみながら鬼退治をしてみませんか。
余った豆のおすすめアレンジレシピ
「豆まきの豆が余ってしまった!」そんなときに便利な、大豆を使ったおすすめアレンジレシピを紹介していきます。どれも手軽にできるものばかりなので、ぜひチャレンジしてみてください。
小松菜とにんじんのドライカレー丼
栄養価の高い小松菜とにんじんを使ったドライカレーです。丼にすれば、ご飯と一緒に野菜も豆もたっぷり食べられます。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
【A】
豚こま切れ肉 350g
玉ねぎ 1/2個
にんじん 1/2本
小松菜 1/2束
にんにく(みじん切り) 小さじ1
しょうが(みじん切り) 小さじ1
大豆(ドライパック) 1缶(110g)
バター 大さじ1(20g)
【B】
カレー粉 大さじ1と1/2~2
トマトケチャップ 大さじ1と1/2
中濃ソース 大さじ1と1/2
顆粒スープの素 小さじ1
塩・こしょう 各少々
ご飯 茶碗3杯
◆作り方
【1】【A】は細かく刻む。
【2】フライパンにバター、にんにく、しょうがを入れて中火で熱し、香りが立ったら玉ねぎ、にんじんを入れて炒める。
【3】【2】に豚肉を加えて炒め、色が変わったら大豆、【B】を加えて炒め、水1/2カップを加えて汁けがなくなるまで煮詰める。最後に小松菜を加えてしんなりするまで煮、ご飯にかける。
教えてくれたのは
みないきぬこさん
女子栄養大学を卒業後、料理研究家のアシスタントを経て2007年独立。料理家、フードコーディネーターとして料理雑誌や広告、メニュー開発など、幅広い分野で活躍中。女の子のママでもある。
『ベビーブック』2014年2月号
体にやさしいごろごろミルクスープ
寒い節分の季節におすすめの具だくさんスープです。ミルクを使った優しい味わいなので、朝にもぴったり。心も体も温まります。
◆材料
(4人分)
ささみ 3本
玉ねぎ 1/2個
にんじん 40g
じゃがいも 2個
ゆで大豆 60g
ブロッコリー 1/2株
片栗粉、オリーブ油 各大さじ1
昆布 5cm
水、牛乳 各500ml
粉チーズ 大さじ2
塩 小さじ1
◆作り方
【1】筋を取ったささみ、玉ねぎ、にんじんは1.5cm角、じゃがいもは3cm角に切る。ブロッコリーは食べやすい大きさに切る。ささみは片栗粉をまぶす。
【2】鍋にオリーブ油を入れて熱し、【1】を中火で炒める。
【3】【2】に昆布と水を入れて火にかけ、アクを取りながら10分ほど加熱する。
【4】【3】の昆布を取り出し、ゆで大豆を加え、材料に火が通るまで加熱する。
【5】【4】に牛乳、粉チーズを加えてさらに熱し、塩で味を調える。
教えてくれたのは
渥美まゆ美さん
あつみまゆみ/管理栄養士。フードコーディネーター。健康運動指導士。保育園勤務で子どもの料理提供に関わる。料理講師やセミナー講師などフリーランスで活動後、「株式会社Smile meal」を設立。食育など食と健康に関わる活動を行う。2児の母。
『めばえ』2018年1月号
ひじきの煮物
家庭料理の定番「ひじきの煮物」は、栄養が豊富で、箸休めにはもってこいの一品。常備菜として保存にも便利です。
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
ひじき(乾) 10g
にんじん 30g
油揚げ 15g
大豆(水煮) 大さじ3
ごま油 小さじ1
【A】
水 100cc~
酒 大さじ1
砂糖 小さじ2
しょうゆ 小さじ2
みりん 小さじ1
◆作り方
【1】ひじきはサッと洗って汚れを落とす。たっぷりの水に入れて、15~30分おいて戻す。ざるにとって水けをよくきる。
【2】にんじんは皮をむき、せん切りにする。
【3】油揚げは、両面に熱湯をかけて、油抜きをし(油臭さを除き、カロリーを落とせる。味のしみ込みがよくなる)、縦半分に切ってせん切りにする。
【4】鍋にごま油を熱し、【1】~【3】を加え、にんじんがしんなりするまで、中火で4分ほど炒める。
【5】大豆を加えてサッと炒め、【A】を加えて煮る。
【6】ひと煮立ちして、アクが出たら除き、2~3分煮る。しょうゆ小さじ1とみりんを回し入れ、全体を混ぜて落としぶたをし、にんじんがやわらかくなるまで、弱めの中火で8分ほど煮る。
【7】仕上げに残りのしょうゆを回し入れ、火を強めて1分ほど煮る。ふたをしてそのままおく。
◆ポイント
ひじきは、たっぷりの水で、ゆっくり時間をかけて戻す。
戻った状態。完全に戻っていないと芯が残ることがある。
教えてくれたのは
ABC Cooking Studioさん
ABC Cooking Studioは、初心者の方にもおすすめの、料理・パン・ケーキ作りが楽しく学べる女性専用の料理教室です。少人数レッスン、復習にも最適なイラストレシピ、 HPや携帯からの予約など、システムが充実。入会金不要、1回完結の「1dayレッスン」や授業の雰囲気を体験できる「体験レッスン」を毎日開催しています。
『ベビーブック』2012年9月号
豆まきで福を呼び込もう!
古くから伝わる伝統行事「節分」と豆まきについて解説しました。節分は、豆まきだけでなく、豆まきと合わせて楽しめる行事もたくさんあります。最近は乳幼児の節分の豆による事故も問題になっていることもあるので、家族みんなで安全に福を呼び込みましょう!
文・構成/HugKum編集部