スウェーデンの離乳食はまるでレストラン!? 手作りにはこだわらないけれど、素材にこだわる。【北欧パパと日本で子育て vol.17】

こんにちは。ライター・エッセイストの桒原さやかです。この連載ではスウェーデン人夫と日本で子育てしている日々のこと、子育てしながら気がついたことや考えたこと、またそれをわたしがどう捉えているのかというところまで書いていけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

連載17話目のテーマは、16話目に続いて「赤ちゃん育児」。離乳食や粉ミルクなどについてお届けします。

スウェーデンの離乳食の定番とは?

娘がまだまだ小さい、5か月くらいの頃。スウェーデンに住む両親から荷物が届きました。中を開けてみると、チョコレートやクッキーなどのお菓子とともに入っていたのは、粉ミルクのようなパッケージ。スウェーデン人の夫は、これを見つけるやいなや、「えー!! Välling(ヴェリング)だ〜! なつかしいなぁ」とうれしそうにパッケージを眺めています。

ヴェリングは小麦やトウモロコシなど、さまざまな種類の穀物から作られた粉ミルクのようなもの。スウェーデンでは、離乳食と言ったらヴェリングというくらい、定番中の定番なのだとか。日本でいう10倍粥みたいな存在なのかなと思います。

哺乳瓶に粉を入れて水を入れて混ぜて、レンジでチンするだけ。作り方もとても簡単です。

粉ミルクよりも濃厚でドロドロしているから、腹持ちが良いのもいいところ。寝る前に飲ませるとぐっすり朝まで寝てくれるので、スウェーデンの家庭で重宝されています。1歳から2歳で飲み終わる子が多いようですが、この味が恋しくて小学生くらいまで飲んでいる子も珍しくないのだとか。

我が家の娘も大好きで、毎日たっぷりヴェリングを飲んですくすく大きくなりました。

スウェーデンの離乳食はまるでレストラン?

スウェーデンの大手スーパーで販売している離乳食。ラザニアや、ビーフとお米のストロガノフなど。出典:https://handla.ica.se/ のホームページより。

スウェーデンのスーパーに行ったときに圧倒されたのは、離乳食コーナーの占める面積。棚の上から下までずらりと何列も並んでいて、とにかく種類が豊富なんです。(スーパーの棚の写真がなくてすみません……)

離乳食はボロネーゼやカルボナーラ、魚のグラタンやミートボール。さらには、サーモンのクリーム煮や、リゾット、ラザニア、クスクスまで。まるでレストランみたいなラインナップです。友人宅でもカフェでも、どこに行っても出来合いの離乳食をせっせとあげているところをよく見かけます。

もちろん手作りにこだわる家庭もありますが、出来合いの離乳食を頼る親が非常に多い印象。楽ちんなのはもちろん、栄養バランスも取れていて、オーガニック素材で作られているから安心と考えているようです。

我が家の子どもたちが特に好きだったのは果物をすりつぶしたもの。添加物など含まれていないから安心で、持ち運びもラク。どこでも簡単に食べられるので助かりました。

粉ミルクはお湯じゃなきゃダメなの?

我が家の子どもたちが、粉ミルクを飲んでいたときの話です。70度以上のお湯で粉を溶かして、手の甲にのせて、ぬるくなってからあげる。子どものためとわかりつつも、寝不足に加えて、1日何度も繰り返さないといけないので、ミルク作りもなかなか体に堪えます。

そんなとき夫が「粉ミルクってお湯じゃなきゃダメなの? 水であげたらいいんじゃない?」とサラッと一言。そのほかにも、「哺乳瓶は毎回消毒が必要?」とか、「お風呂は毎日入れなくていいんじゃない?」と言ったことも。大変だけれど、全部やるのが当たり前だと思っていた私は、毎回夫の一言にぎょっとしていました。

子どもにはできることは全部してあげたい。そして何よりも、子どもに何かがあってからでは困るという気持ちもあって、結局は夫の言っていることは聞かず。髪の毛を振り乱しつつも、お湯でミルクをつくり、消毒をして、お風呂も毎日入れていました。

北欧に住むパパママは実際どうなんだろう…

スウェーデンでは実際どうしているんだろう? と思い、あちらに住むママパパに聞いてみることにしました。粉ミルクについては、「毎回熱いお湯で作っていた」という人もいれば、「夏の時期は暑そうだから水であげていた」という人も。また、哺乳瓶の消毒はそこまで気にしていない人が多い様子。お風呂に関しては、その子の様子を見ながら入れていたかな〜とざっくりした感じ。

環境や水が違うからなのか、理由ははっきりとはわかりませんが、家庭によってそれぞれのやり方がある印象を受けました。結局、何が正解で、何がスウェーデン流かもわからなかったのでした。

娘が初めてスウェーデンを訪れたときのもの。

スウェーデンは、子育ても自分流?

子育てに限らず、仕事でも、家事でも、あらゆることにおいて「こうしなくてはいけない」という意識が北欧では少ないように感じます。

自分には何が合っているかな?
この子は何が好きかな?
この子はどう感じているかな?

どちらかというと、我が家流、自分流、もしくは、この子流を探しているという感じに近い気がします。このスウェーデン流がないというのも、今振り返ってみると、とてもスウェーデンらしいところなのかもしれません。

スウェーデンのおばあちゃんと、娘が8か月のときの一枚。

前回の話はこちら

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北欧パパと日本で子育て

プロフィール

桒原さやか ライター・エッセイスト

イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
自家焙煎のコーヒー豆と小冊子のお店「Hej Hej COFFEE(ヘイヘイコーヒー)」はじめました。

文・構成・写真/桒原さやか

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