今回は第二回 小学校へ入るまでをづづっていきたいと思います。
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小学校へ
私と夫は、保育園での長男の様子を見守ってきたことで、長男にとって集団生活を送ることは私たちが思う以上に辛い事なのだと理解していました。
そのため、小学校でもクラスの人数が少なくて静かな環境が作りやすい情緒障害特別支援学級への進級を決めました。
その一方で、どれだけ支援を受けることができてもおそらく小学校に卒業まで通い続けることは難しいだろうとも考えていました。無理に集団生活を続けさせることは、長男を壊してしまうし、私達親子の関係も壊してしまうだろうと考えていました。
不登校の準備
そのため、年中さんのころから就学準備と共に不登校に向けての準備もしておくことにしました。不登校への準備と言うと、驚かれることも多いのですが、息子が不登校を選んだとしても、それなりに暮らしが成り立つ準備。そしてキーパーソンになるであろう私が無理をせず暮らすための準備というイメージです。
主人は転勤のない仕事へ転職 在宅での収入源を模索
まずは、それまで想定していたライフスタイルを大きく変え、転勤のある仕事だった夫は転勤もなく在宅勤務も可能で育児に理解のある仕事に転職しました。これは不登校への準備だけではなく、息子が発達障害の診断を受けたころから考えていたことでもあったのですが、小学校入学に間に合うように動くことになりました。
また、私も在宅でも多少の収入が得られるように資格を取るなどの準備をしました。家の中だけの世界だと、煮詰まってしまうかもしれないと感じていたからです。
家を建てる
更に不登校を選んだ場合、家で過ごすことが多くなると考えて家を建てることにしました。住む地区は私の実家のすぐそば。少しでも育児に力を貸してもらいやすくするため(&愚痴を聞いてもらうため)です。
息子が行きたくないと言ったとき。引き延ばしをすることなくわかったと受け入れる心の準備もずっと意識していました。
保育園年長さんでの運動会などの行事は、大勢の子どもと一緒に活動する息子の姿を見ることは、これがきっと最後だろうと毎回覚悟して目に焼き付けたものです。
小学校入学
そんなこんなで満を持して、小学校に入学。ちょうど新型コロナウイルスによる休校があった年なので、当初は通うことなくのんびり家庭で過ごし、いよいよ小学校が始まりました。
2ヶ月半の小学校生活
最初は物珍しいこともあり、好奇心旺盛な長男はそれなりに楽しんで通っていたように思います。
それでもだんだんと、学校での疲れが家で休んでも抜けなくなり、朝起きることが難しくなり、学校へ行くことを嫌がるようになりました。学校に長男への特性の理解もしっかりと得ることができないまま、夏休みを超え10月。
苦手な運動会の練習がはじまりました。すると、家庭でいつも以上に荒れて声を荒げることが増えていきました。
やがて運動会の練習への参加を激しく拒否するようになり、徐々に今まで参加できていた他の授業にも参加できなくなりました。学校へ行っても休憩スペースで横になり、眠って過ごすことが増えました。そんな長男の様子に、もうこの子は限界だと判断。長男が行きたくないと訴えてから2週間で私たちは不登校を選びました。合計2か月半の小学校生活でした。
不登校なくらし
不登校当初の長男は、精神的な落ち込みや不安定さ、母子分離不安などが見られました。
外出を嫌がるけれど、私の姿が見えないと不安で仕方なくなるため買い物もままなりません。実家のすぐそばに住むという判断がこの時期は本当に役立ちました。長男はゆっくりとひたすら好きな事をして過ごすうちに少しづつ回復。現在はとても元気に過ごしています。
ホームエデュケーションがスタート
当初は学校へも週に一度、長男の好きな図書の授業にだけ通うなどして、試行錯誤しつつゆるゆる繋がってきました。
ですが長男が学校との繋がりよりも、同じように不登校を選んだ子に会いたいと訴えたこと、また学校側の姿勢に色々と思う事もあり、小学3年生の春から完全不登校に切り替えることに決めました。現在は家庭をベースに学んでいくホームエデュケーションの形で暮らしています。
好きなこと、自然と触れあうこと、体験を通した学び
長男は、ぼちぼち教科学習も頑張りつつ、不登校支援の場に参加したり、テレビゲームにyoutube、読書、料理、実験、畑仕事、サイクリングに買い物、お出かけ、時々日帰り旅行など、いろんな体験をしつつ楽しく暮らしています。
まぁ、親子でずっと一緒に居るのでもちろん親子げんかもよくありますし、将来に不安がないかと言えばウソになりますが・・・一方で無理をせず長男のペースや興味に合わせて暮らしを送ることができるようになり、楽になったり、幸せを感じることもたくさんあります。正直、不登校って想像していたよりもずっと楽しいものなんだなぁとも感じています。
不登校改め、家庭をベースに子どもを育てるホームエデュケーション。これは当然、子どもの数だけ、家族の数だけ違う姿をしているのだと思います。その、たくさんある形の一つとして、わが家の暮らしをこれから書いていけたらと思っていますので、楽しく読んでいただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。
文・イラスト・構成/ウチノコ
構成/HugKum編集部
ウチノコ
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