【我が家の中学受験】運命の2月1日、午前・午後とも不合格…再チャレンジの結果は?

HugKumでは、中学受験に取り組んだ親子6組にインタビューし、本音の体験談をお届けしています。

第1回は神奈川県在住で、都内の大学附属校に通うマナちゃん(中1/女子/仮名)の「無理をしない受験」。後編となる今回は結果編。幸先よく、1月校に合格を果たすも、2月の本番は荒れ模様の展開に…。

前編はこちら

いよいよ迎えた入学試験本番!

倍率の急上昇が敗因。プランが崩れた1日の夜

試験本番も持っていったお守り

 1月に地方校を受験し、順当に〇(合格)をいただきました。2月の本番の際は、兄の受験のときに雪が降った経験から、長靴を用意したり、何らかのアクシデントでメガネが壊れてはいけないとスペアを用意したり、万全の態勢で臨みました。

―受験の日の昼食はどうされましたか?

 2/1~3日は、午前も午後も受験です。お弁当は、午後校の待合室で手早く食べられるように、おにぎりと豚汁(あったか保温の容器)を用意しました。温かい豚汁は体を温め、緊張をほぐしてくれると思ったので。

―2/1の受験の結果は?

 午前に受けたA校も、午後のB学校も、ともに不合格で。ここで、早くもプランが崩れました。

A校とB校はどちらも娘に通わせたい学校で、偏差値的にはA校がB校より少し上という感じ。模試では、B校は何度かA判定(80%以上合格)をもらっていたので、少なくともB校は親としては合格圏内だと思っていました。

―娘さんの希望校であり、実力相応の学校だったのですね。

 偏差値的には十分合格圏内の希望校だったのですが、結果は×。結果は、両校とも1日の夜に出ました。ショックでしたが、実は、受ける前からやや不安があったのも事実です。

―不安があったというのは?

 娘の受験2年くらい前から、伝統的な女子校のよさや価値が見直される流れがあり、もしかしたら、倍率が高くなるんじゃないかと思っていたんです。その不安が的中してしまいました。実際、娘の年にはあり得ない倍率(従来の2倍弱から約5倍へと急上昇)になったのです。それが敗因だと思います。

―その日の娘さんの様子はいかがでしたか?

 1日のA校の×には、泣きました。ただ、事前に塾の先生と私、本人で話したとき「1日は午前も午後も×という場合もあるよ」と伝えておいたので、ショックはショックだったと思いますが、精神的にそれほど動揺しなかったと思います。

合格祈願に出かけた湯島天満宮のお札

子どもより母親の方がショックで体調不良に

―まさかのB校不合格にショックを受けつつも、翌日も闘いはつづきます。

 1日夜に、翌日(2日)の出願・受験を考えました。このまま、A校、B校を受け続けるかどうか。その結果、2日は午前も午後もB校を受けることにしました。

―偏差値的に余裕のある学校に変更するのではなく、実力相応校への挑戦を続ける決意をされたのですね。気丈ですね。

 自分でも、始まったばかりだから、しっかりしなくては…と思っていました。でも、2日の朝、私は、立ち上がれないほどの突然の体調不良に見舞われたのです。激しい冷や汗と腹痛のため、しばらく洗面所でうめいていました。1日の結果は、自分でも思ってもみないほどショックだったみたいです。

―2日目の受験校への付き添いはご自身でされましたか?

 パパは試験期間の間、仕事は休みをとっていてくれたので、代わってもらうという選択肢もありました。でも、何とか体調不良を我慢して、いつも通り私がつきそいました。これまで模試の会場への送り迎えもずっと私がやってきたし、今、急に受験校へのつきそいが急にパパに変われば、娘自身が不安になって動揺してしまうと考えたのです。

―心にショックを受けていても、体調不調でも、受験は待ったなし。本当に苛酷ですね。

 2日目の午前中、娘が試験を受けている間に、塾に電話しました。娘は「午後の試験の後、塾に行きたい」と言っていたので、「夕方、向かわせます」と伝えました。娘が試験問題の解き直しをして、出来栄えを確認している間、私はこれからの受験校について相談していました。

−さて、2日の夜は、その日の結果をもとに、さらに3日目の受験校を決めなければなりませんが…。

 午前受験は×でしたが、午後受験は〇をもらえました!

【マナちゃんの受験日程と合否】

合否結果によって受験プランの変更も考えておいた

―念願の○ですね! 合格は、すぐに娘さんに伝えましたか?

 いいえ、翌朝です。合格発表は22時で、その時刻には娘は結果を知らずに翌日の試験に備えて寝ていましたから。発表後、すぐに塾に報告して、3日の受験校を決めました。B校に〇をいただいていたので、ならば、A校をもう一度受けてみようと決めたのです。

―3日目は?
 朝、娘にB校の合格を伝えたときに「A校、出願してあるけど、どうする? 受ける?」と確認したら、「受けるよ」と普通に言うので、午前にA校を受けました。午後はどこも受けずに帰宅しました。

―結果は?

 ×でした。結局、A校にはご縁がありませんでした。B校への進学を決定し、娘の受験は終わりました。

―偏差値的に余裕のある学校を組み込まず、希望校のA校とB校だけを受け続けた3日間、おつかれさまでした。ただ、これはあまり一般的ではないというか、かなり強気の闘い方だと思われますが…。

 言われてみれば、そうかもしれません。塾の先生に相談した結果の選択でした。後からみれば、3日間での終了は理想的だったかもしれませんが、やはり1日目の×はイタかったです。親としては、まるでジェットコースターのような受験でした。本当に濃密な3日間でした。

―試験期間で、今でも心に残っているシーンは?

 2日目の夜ですね。B校合格を知らずに、明日に備えて寝ている娘の頭を「よく頑張ったね。良かったね~」、そっとなでなでしました。のんびり型の娘なりに、本当によく頑張ったと思いました。

中学校生活がスタートし、娘さんのようすは

中学に入って感じることは?(photo/AC)

学習面の面倒見も評判通りよく、チア・ダンス部でも充実

―希望校に入学してみて、感じたことは?

 入学式の前に、お辞儀の練習をしていたのが印象的でした。お辞儀の角度、姿勢、手つきなど、細かな部分まで指導されていました。社会に出たら必要になる礼儀も、きちんと教えてくれる学校だと実感できました。

―娘さんの様子はいかがですか?

 チア・ダンス部に入り、毎日忙しくしています。学校選びのとき、娘は「神定期(都心行の定期)」に憧れて都心の学校を希望したけど、部活の練習が想像以上にハードで、部活帰りも休日もクタクタ。時間的にも体力的にも「神定期」を駆使して、友達と楽しく繁華街で遊ぶなんてできず。娘の計画(?)は崩れ去りました(笑)。

―親の学校選びのポイントだった「面倒見の良さ」については?

 実際に学校の面倒見はとてもよくて満足しています。補習のための講座が充実していて、本人の苦手な教科、伸ばしたい教科などに沿っていろいろ選べます。娘も友達が出来て楽しそうに学校に通っていますし、この学校で良かったと感じています。

 中学受験を経て、親子が得たものは

中学受験は「やらなくてもいい受験」

親にとって、この経験はこれからの子育ての支えに

―中学受験について、今、どう思いますか?

 中学受験は、高校受験とは違い「やらなくてもいい受験」です。うちは、やって良かったと思いますが、「絶対にすべき!」とみんなに勧めようとは思いません。

―「小学生のうちから、塾漬けにするなんてかわいそう」という意見もあるようですが…。

 その意見も、「どうかな?」と思います。確かに、苛酷な受験勉強で心が弱ってしまう子もいるとは思いますが、でも、そういう場合は、親がストップすればいいのではないでしょうか。

―止められないのは、むしろ親のほう!?

 そうかもしれません。少なくとも、子どもが心配になるほど不安定になったときには、親が勇気をもって「中学受験をやめる」と決断するだけの覚悟を持って始めるべきだと思います。

―中学受験を通して、娘さんが得たものは?

 「何年も頑張って、最後までやり切った」という事実は、娘にとって大切な経験になりました。娘本人に自信がついたのが何よりだと思っています。

―親御さんが得たものもありますよね

 そばで子どもの成長を見守れたのが良かったと思うし、親自身も成長できたと思います。親にとっては試練でもありましたが、この経験は、これからの子育ての支えになると思っています。

 

「無理をしない」をテーマに、自分らしいペースで歩みきったマナちゃん母娘の受験ロード。娘に寄り添い、心配し続けた母の愛情も、合格を叶えた大きな要素でした。マナちゃんとお母さん、本当にお疲れさまでした。楽しく充実した学校生活が続きますように!

マナちゃん親子の中学受験、前編はこちら

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 文・構成/ひだいますみ

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