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鹿児島銘菓を堪能する
九州の南に位置し、薩摩半島や大隅半島、種子島、屋久島、奄美大島も有する広大な鹿児島県。そんな鹿児島には、ご当地スイーツと呼ばれる独特の食が生まれてきました。この記事では、鹿児島銘菓を15個厳選。3つのジャンルにわけてご紹介します。
喜ばれる鹿児島土産といえば│鹿児島銘菓【定番編】
まずは鹿児島銘菓の定番をご紹介します。どれも「鹿児島に行ってきたんだね」とわかるご当地スイーツです。
かるかん
鹿児島を代表する銘菓のひとつが「かるかん」。すりおろした大和芋に水を加え、砂糖とかるかん粉を加え、あんを包んで蒸して作るお菓子です。漢字では「軽羹」と書き、軽い羊羹という意味です。
銘菓ポイント
薩摩藩の第11代藩主であった島津斉彬が、保存食を研究するために、江戸から菓子職人を呼びました。その人物が「かるかん」を考案したといわれています。大名の冠婚葬祭の場で食され、現在も冠婚葬祭のお菓子として楽しまれています。
「かるかん」
白・紫芋・蓬(よもぎ)の3色がラインナップ。特製のあんとこだわりの素材で、しっとりとした食感のかるかんに仕上がっています。
さつまどりサブレ
鹿児島の天然記念物である薩摩鶏(さつまどり)は、力強く精悍な容姿をしています。そんな薩摩鶏にちなんで作られたサブレです。
銘菓ポイント
「さつまどりサブレ」を作るのは、1919年(大正8年)に鹿児島で創業した「風月堂」。昭和39年に誕生したこのお菓子は、全国菓子大博覧会2008で名誉総裁賞を受賞しました。
「さつまどりサブレ」
高千穂牧場産の生乳を使用したフレッシュバターをたっぷり使い、さっくりと軽く焼き上げられています。
南国白くま
「白くま」は、鹿児島で愛されてきたかき氷のことです。練乳をかけてフルーツをトッピングしています。
銘菓ポイント
「白くま」が鹿児島で誕生したのは、昭和7年頃。練乳の缶に白熊のマークが貼られていたことから、そのまま「氷白熊」の名前で販売され、たちまち評判となりました。「白くま」は鹿児島の夏の風物詩です。
「南国白くま」
一般的なアイスクリームに使用されている乳化剤や安定剤を使用せず、香料も一切使っていません。ふんだんに使われた練乳の風味を感じてみてください。
しろくまプリン
鹿児島名物の「しろくま」が、プリンになりました。練乳味の白いプリンには、色とりどりのフルーツ味の寒天が入っています。
銘菓ポイント
「しろくま」は全国で知られる鹿児島銘菓のひとつですが、本場の「しろくま」のかき氷は鹿児島でしか食べられません。鹿児島以外でも「しろくま」を食べたいという声にこたえて生まれたのが、このプリンです。
「しろくまプリン」
個包装された、小さめサイズのプリンです。子どものおやつにもピッタリです。
薩摩プレーンカステラ
カステラの主な材料は、卵と強力粉、砂糖など。なかでも卵の存在はとても大切です。この「薩摩プレーンカステラ」は、鹿児島県知覧産の卵をたっぷりと使用しています。
銘菓ポイント
知覧(ちらん)は薩摩半島の南部中央にあった町で、最高品質の茶の生産地でもあります。そんな知覧産の卵を使ったカステラです。
「薩摩プレーンカステラ」
ザラメ付きのカステラだから、じゃりじゃりとした食感も楽しめます。10等分にカットされていて、食べやすいのもうれしいポイント。
唐芋レアケーキ
鹿児島のおしゃれな洋菓子で有名なのが、唐芋菓子専門店「Festivalo(フェスティバロ)」が作る「唐芋レアケーキ」。ネーミングのとおり、唐芋を使ったレアケーキです。
銘菓ポイント
唐芋は自社農場で自然栽培しており、ケーキもすべて自社で生産しています。さまざまなフレーバーのレアケーキがラインナップしているから、好きなものをチョイスする楽しみもあります。
「唐芋レアケーキ」
なめらか&クリーミーな食感と、唐芋のほんのりとした甘さが病みつきになりそう。瞬間冷凍されているので、できたてのおいしさを楽しめます。
かすたどん
「かすたどん」は、カスタードクリームをふんわりとしたスポンジでやさしく包んで仕上げた、ソフトな蒸し菓子です。
銘菓ポイント
鹿児島県鹿児島市に本社を置く「薩摩蒸氣屋」を代表するスイーツです。カスタードクリームに使われる卵は、地元鹿児島産のものを使用しています。
「かすたどん」
中にぎっしりと詰められたカスタードクリームが魅力。少し凍らせれば、シャーベットのような食感になります。
素朴で懐かしい!│鹿児島銘菓【昔ながらのお菓子編】
鹿児島では、昔から人々の間で親しまれてきた素朴なお菓子もあります。
ボンタンアメ
鹿児島で庶民的なお菓子といえば「ボンタンアメ」です。鹿児島県鹿児島市にあるセイカ食品が、大正14年に製造して販売を始め、今でも愛されているロングセラーです。
銘菓ポイント
「ボンタンアメ」には、鹿児島県阿久根産の文旦(ぶんたん、ぼんたん)から抽出したボンタンオイルや、鹿児島県いちき串木野周辺の文旦果汁、九州産うんしゅうみかん果汁などが使われています。
「ボンタンアメ」
もちもちと弾力ある独特の食感と、オブラートに包まれているところがボンタンアメの特徴です。レトロなパッケージもおなじみです。
兵六餅
「兵六餅」は、「ボンタンアメ」を手掛けるセイカ食品が作るソフトキャンディ。白あん・きなこ・海苔粉・抹茶が使われていて、「ボンタンアメ」と同じようにもちもちでやわらかな食感を楽しめます。
銘菓ポイント
「兵六餅」が誕生したのは、1949年のこと。江戸時代に、薩摩藩の武士によって書かれた「大石兵六夢物語」にちなんで作られました。
「兵六餅」
緑色のパッケージと兵六の姿が描かれたパッケージが目印。「ボンタンアメ」とセットで購入するとレトロでおしゃれですね。
あくまき
「あくまき」とは、木や竹を燃やした灰からとった灰汁(あく)にもち米を浸し、竹の皮で包んで灰汁で数時間煮たお菓子。灰に含まれるアルカリ性物質によってもち米がやわらかくなり、雑菌の繁殖を抑えて長期保存できるようになります。
銘菓ポイント
「ちまき」のような見た目ですが、関ヶ原の戦いのときに薩摩の島津義弘が持参したのがはじまりという説もあります。また、西郷隆盛も西南戦争のときに食べたといわれ、男の子がたくましく育つようにと、鹿児島では端午の節句にこの「あくまき」が食べられています。
「あくまき」
「あくまき」は、砂糖を混ぜたきなこにつけて食べるほか、だし醤油につけて食べるのもおすすめです。すこし固くなったときは、電子レンジで軽く温めるとやわらかくなります。
げたんは
「げたんは」とは、鹿児島で昔から愛されてきた伝統菓子。小麦粉と重曹に黒糖を混ぜ、オーブンで焼き上げ、黒糖の蜜にくぐらせて食べます。
銘菓ポイント
現在の鹿児島県霧島市で、人々をもてなすためのお茶請けとして生まれた「げたんは」。泥に汚れた下駄の歯に似ていることから、この名前になったという説があります。また二等辺三角形の形をしていることから、かつては「三角菓子」と呼ばれていました。
「濃蜜げたんは」
濃厚な黒糖蜜がたっぷり浸みこんだ「げたんは」。黒糖蜜のじゃりじゃりとした食感がアクセントになっています。
まだある注目スイーツ!│鹿児島銘菓【和菓子&洋菓子編】
ここまでご紹介した以外にも、まだ紹介したいおすすめスイーツがあります。これらもぜひチェックしてみてください。
春駒
「春駒(はるこま)」は、小豆に米粉と黒砂糖を加えて練り、蒸して仕上げたお菓子。江戸時代から鹿児島で親しまれてきた伝統食です。
銘菓ポイント
「春駒」は、丸く長い形状が特長。昔は「馬ンまら」と呼ばれていたそうですが、大正天皇が鹿児島を訪れた際、このお菓子の名前を聞かれたとき、とっさに「春駒です」と答えたといわれています。それ以来「春駒」の名前で鹿児島で親しまれています。
「春駒」
ねっとりとした食感で、食べ応えがあるお菓子です。緑茶や番茶と一緒にどうぞ。
西郷せんべい
西郷隆盛の姿に型押しされた、インパクトのあるせんべい。縦の長さが約16㎝もあり、西郷どんに負けない迫力のあるお菓子です。
銘菓ポイント
鹿児島出身の偉人といえば、西郷隆盛。明治維新に最大の功績を残しました。そんな西郷隆盛をモチーフにしたお菓子です。
「西郷せんべい」
せんべいに使われている材料は、砂糖・麦・鶏卵ととてもシンプルです。ほんのり甘く、さくさくとした食感があります。
さつま ぼっけもん
「さつま ぼっけもん」は、軽い食感の洋風せんべいに落花生をたっぷりのせて焼き上げたお菓子です。
銘菓ポイント
「ぼっけもん」とは、鹿児島弁で「怖いモノを知らない」こと。鹿児島では、怖いモノ知らずの西郷隆盛を敬愛の意味も込めて「ぼっけもん」と呼んでいるそう。そんな言葉にちなんで作られたお菓子です。
「さつま ぼっけもん」
洋風せんべいの上にゴロゴロとのった落花生がアクセント。このお菓子を食べれば、将来は西郷隆盛のような偉大な人物になれるかも?
安納芋蜜フィナンシェ
鹿児島県産安納芋の芋蜜を使用して作られたフィナンシェ。鹿児島県薩摩川内市の甑島(こしきしま)の海洋深層水から作られた塩によって、芋の甘みが引き立っています。
銘菓ポイント
安納芋は、鹿児島県種子島で昔から栽培されてきました。焼き芋にすると蜜が出るほど、甘さが強いのが特長。そんな安納芋の甘みを活かしたスイーツです。
「安納芋蜜フィナンシェ」
見た目はふつうのフィナンシェと変わらないかもしれませんが、ひとくち食べるとさつまいもの風味と甘みが広がります。
素朴なのに魅力満点!鹿児島にはおいしい銘菓がいっぱい
桜島をはじめ、指宿温泉、奄美大島、屋久島などの観光地も多い鹿児島には、お土産にもなるご当地スイーツがたくさんあります。さつまどり、安納芋、ボンタンなどの、鹿児島ならではの原料を使った逸品は紹介しきれないほど。
離れた地域で暮らす人にとってはなじみのないお菓子かもしれませんが、鹿児島を訪れたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部