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「でこぼこポン!」ってどんな番組?
「でこぼこポン!」はNHK Eテレで2022年4月より始まった、発達障害など、発達にでこぼこがある子をドラマやゲーム、歌にダンスで楽しくサポートする番組です。
登場人物は発明家の「でこりん」、でこりんの友達の「ぼこすけ」、でこりんが修理したおもちゃの「ポン」、でこりんの昔の発明品「モッポン」。毎回の放送で様々なでこぼこと向き合い、発明品を通して寄り添う方法を楽しく考えていきます。
これまでの発明品20点を公開!
今回の展覧会は東京都目黒区にあるCEKAI/世界株式会社が運営する「CEKAI O!K STORE&SPACE」で開催されています。
これまで、番組内に登場した50点以上の発明品のうち、20点を本展示で実際に見ることができます。さらには発明品がどのようにしてできたのかがわかる設計図も初公開。
そんな、「でこぼこポン!」への興味と理解が深まる本展示会の見どころを一挙公開します。
みんなの悩みに寄り添う発明品!
今回筆者の子どもたちと訪れましたが、テレビで見たことのある発明品に大興奮。どんな造形やどんな素材で作られているのかなど、画面越しだと見えない「工夫」が見える展示です。
会場には、順番や時間が守れなかったり、計画が立てられなかったり、感情がコントロールできなかったりなど、発達にでこぼこのある子の日常生活における困難に直面したときにサポートしてくれる発明品が並びます。
発明品は、100円ショップの商品やリサイクルしたラジカセなど、身近な素材を使って作られていて、ほっこり懐かしさを感じさせます。
映画の美術のようなおおがかりなものではなく、「NHK Eテレ」という、生活に寄り添う番組のもつ「身近なクリエイティブ」として感じてもらうことが狙いとのことです。
また、どの作品もダジャレのような名前がついていて、思わずクスリと笑ってしまう楽しい名前がついています。
「でこりん」役の鳥居みゆきさんは、発達障害への理解が深まるよう活動中
番組は、じっとしているのが苦手な発明家「でこりん」(鳥居みゆき)、集中すると人の話が耳に入らなくなる「ぼこすけ」、言葉を話す不思議な生き物「ポン」のやりとりで展開します。
鳥居さんは現在、児童発達支援士、発達障害コミュニケーションサポーターという2つの資格を取得して、発達障害の理解が広まるよう力を入れているそう。持ち前の存在感のある演技力で、番組には欠かせないキャラクターを築き上げています。
ミニスタジオで記念撮影!
会場には、番組のセットのミニ版を再現。ミニスタジオではこの展示のために用意されたスペシャルレプリカのポンとモッポンと一緒に記念撮影することができます。
自分で考えた発明品を絵に描くことのできるコーナーもあり、できた作品はミニスタジオの横の壁に飾ることができます。
「できないことも、できるよう工夫することができる」と教えてくれる
怒りがコントロールできなかったり、片付けが苦手だったり、「障害」と呼ぶほどはなくても、苦手なことやうまくできないことは誰にもあるもの。そんな苦手を克服する方法を、発明品を通して分かりやすく提案してくれる展示だと感じました。
筆者が子どもの頃は「発達障害」という言葉は今ほど一般的ではなく、順番を守れない子には、「列から出てはダメ!」「順番を守りなさい!」と叱りつけるだけのことが多かったように思います。この展示では、「じゅんわんこ」という犬のロボットのような発明が登場。並ぶ場所に目印をつけてくれたり、目立つ工夫を教えてくれて、順番を守るにはどうしたらいいかを考えてくれます。
本展示は、「言葉だけでは難しくても、できるようになる工夫はできる」ということを教えてくれます。楽しいアートを通して、みんなで考えてみる。そんな試みに共感する人が増えていけば、多くの人にとってより生きやすい世界になっていくのかもしれないと、発明品を見ながら感じました。
多くの学びがある展示ですので、ぜひ、秋のお出かけ先に親子で訪れてみてくださいね。
展覧会情報
でこぼこポン!発明品展!
会期:2024年9月28日(土)〜10月14日(月・祝) ※9/30(月)、10/7(月)はお休み。
営業時間:10:00 – 19:00
入場料:500円(3歳未満無料)
会場:CEKAI O!K STORE&SPACE
住所:〒153-0043 東京都目黒区東山3丁目7-11 大橋会館1階
東急田園都市線『池尻大橋駅』徒歩3分
NHK Eテレ「でこぼこポン!」
火曜日:午前8:25〜8:35
木曜日:午前7:20〜7:30(再放送)
でこぼこポン!発明品展!についてはこちらから
取材・文/Rina Ota