身近な題材に光を当てた独創的な研究たち
特に印象的なのは、家族をテーマにした作品です。
「こんにちは赤ちゃん~いもうとのたんじょうみっちゃくきろく~」

滋賀県1年生の髙橋凜さんは「こんにちは赤ちゃん~いもうとのたんじょうみっちゃくきろく~」で、夏休み中に生まれる妹のお世話を自由研究として記録。事前学習から夜中のお世話まで、1年生離れした緻密さで取り組んだ姿勢が審査員を感動させました。
「ぼくのお母さんについて」

高知県6年生の岩崎拓真さんが選んだテーマは「ぼくのお母さんについて」。お母さんに何回怒られたか、どんな行動がストレスを与えるのかを客観的に観察し、思春期の親子関係まで考察しています。研究の固定概念に縛られない発想の自由さが評価されました。
「赤ちゃんに おくる本」

東京都の2年生、佐藤陽輝さんは、弟にも本を好きになってほしいという思いから、赤ちゃんが気に入る本を研究。弟の好みを調査し、それをもとに「宇宙旅行」の絵本を作り上げました。
専門分野への深い探究心
動物や自然科学への興味から生まれた作品も目を引きます。
「わたしが見つけた野生動物のフィールドサイン図鑑」

神奈川県3年生の永瀬可純さんは「わたしが見つけた野生動物のフィールドサイン図鑑」を制作。動物の痕跡から生態を調べる「フィールドサイン」に着目し、何度も調査を重ねて独自の図鑑を完成させました。将来の動物園飼育員という夢に向かう真剣な姿勢が伝わる作品です。
「どうしてタマゴタケはスーパーで売っていないの?」

東京都6年生の小林蒼空さんの「どうしてタマゴタケはスーパーで売っていないの?」は、5年間という長期にわたる研究の集大成。3歳からきのこ好きだった蒼空さんが、大好きなタマゴタケの栽培に挑戦し、数々の失敗を乗り越えて分離培養に成功するまでの軌跡が綴られています。一人の科学者としての真摯な姿勢が審査員の心を強く打ちました。
創造性豊かなオリジナル作品
自由研究は理科系だけに限りません。アートや工作の分野でも、豊かな創造性を存分に発揮できます。
「ラピスラズリでフェルメールをえがく」

アート分野では、千葉県1年生の齋藤湊真さんが「ラピスラズリでフェルメールをえがく」で注目を集めました。年長時にフェルメールの模写を経験し、ラピスラズリという宝石から作られた絵の具の存在を知った湊真さん。その憧れを実現し、自分で絵の具から作り上げた美しい絵画が絶賛されました。
「ハニゴウコの地図帳」

東京都の5年生、水野豪太さんはオリジナルキャラクター「ハニゴウコ」を作り、日本各地の名所・名産をキャラクター化して地図帳にまとめました。豊かな表現力と世界観が評価され、豊かな表現力で全国を紹介した世界観の面白さが評価されました。
日常の疑問から生まれた発見
身近な題材への好奇心から始まる研究も、自分ならではの視点で取り組めば、独自性の高いテーマになります。
「パンのふくろについている とめ具について」

千葉県4年生の彦坂悠希さんは「パンのふくろについているとめ具について」をテーマに選択。正式名称や材質の理由を調べるだけでなく、新しい活用方法まで考案した独創性が光ります。
「47都道府県おにぎり」

神奈川県4年生の田邉広大さんは「47都道府県おにぎり」で、各地の食材を使ったオリジナルおにぎりを考案。研究とお手伝い、毎日の食事に役立つ実用的な作品として注目されました。
目標達成への真摯な取り組み
自分自身への挑戦をテーマにするのも◎。
「50m走8秒台の僕は、一か月間で7秒台への壁を突破することができるだろうか。」

岐阜県6年生の安田詠喜さんの「50m走8秒台の僕は、一か月間で7秒台への壁を突破することができるだろうか。」は、サッカーで活躍したい、自信を取り戻したいという思いを持って取り組んだ作品。科学的なアプローチでトレーニングに取り組み、見事目標を達成した努力の軌跡が記録されています。
作品を参考に自由研究を完成させよう
これらの受賞作品に共通するのは、子どもたち一人ひとりの純粋な好奇心と、諦めずに探究し続ける姿勢です。身近な疑問や体験を出発点に、深く掘り下げて、表現してみることが自由研究のポイントです。
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文・構成/HugKum編集部
