4人の子が東大から医師に。「佐藤ママ」の入学準備アドバイス!小学校生活をスムーズにスタートさせるために大事な3つのこととは?

三男一女の4人の子どもが揃って、東京大学理科Ⅲ類に進学し、医師として活躍している佐藤亮子さん。この度、子どもに学力をつけることを中心に、佐藤家の子育て法を語った『佐藤ママの やっておくべき9歳までの受験準備』(佐藤亮子・著/小学館)が発刊されました。佐藤さん独自の子育て論から、新一年生になるお子さんがいるご家庭に向けて、これだけはやっておいて!というアドバイスをHugkum編集部が聞きました。今回は、生活編をお届けします。

小学校への不安を子どもに与えてはいけません

―小学校入学は、お子さんだけでなく保護者も緊張しますね。

佐藤 特に最初のお子さんだと緊張するでしょうね。幼稚園に入園したときは、それまで家や近所の公園で遊んでいたのが幼稚園という場所に変わるだけで、あまりすることに変化はありません。でも、小学校では主になるのが勉強なので、することがガラッと変わります。子どもも保護者もとまどうでしょうね。

そういえば、わが家の次男が小学校に通い始めた最初の日。帰宅した次男に「小学校、どうだった?」と聞いたら、と聞いたら、「小学校は遊ぶ時間が全然ない」とがっかりして話していたのがおかしかったです。次男は、小学校も幼稚園のように、行ったらすぐに遊び始めて帰るまでずっと遊べるように思っていたようでした。それが、朝からずっと授業だったので、幼稚園との違いにびっくりしてがっかりしたようなのです。

―佐藤さんは「小学校は勉強するところですよ」などの説明はしなかったんですか? 

佐藤 しませんでしたね。入学式があって翌日から行くんだよ、ぐらいで(笑)。

私はむしろ、小学校はこんなところだと説明しないほうがいいと思っていました。たとえば、入学直前、夕飯を食べていて、「小学校に行くと給食があるから、今から残さないように全部食べる練習をしなさい」とか言うと、子どもは不安になるでしょう。最近では、以前より完食を強制されることはないようなのに、保護者はえてして、子どもにマイナスイメージを植えつけて不安がらせたりしますね。それは避けたいですね。

―「楽しいところよ」とも言わなかったのですか。

佐藤 そうですね。小学校ではいきなり勉強が始まってそれが大変と思う子どもがいるかもしれませんが、わが家では「くもん」を利用して字を書いたり、計算したりはしていたので、授業が始まってもびっくりはしないだろうとは思っていました。それ以外はだんだん慣れていけばいいと思って、大変だとも、反対に楽しいところだとも言いませんでした。

たっぷり睡眠。座る習慣をつける。忘れ物対策は万全に

―『佐藤ママの やっておくべき9歳までの受験準備』では、「机の前に10分座る練習」を勧めていますね。

佐藤 そうですね。小学校の授業は45分間ですが、それまで机の前に座る習慣がなくて45分間座っていることができないお子さんは、そこだけは練習が必要かもしれませんね。夜ご飯を食べた後、10分だけ、折り紙をしたり、ぬり絵をしたりして、お尻を椅子につける練習をしておくといいと思います。

―小学校では学用品のほかに、水筒や手拭きタオルなど持っていくものが多いです。

佐藤 私は子どもが忘れ物をしないように、子どもが教科書などを揃えた後、チェックしていました。連絡帳を見て特別に持っていく物も用意していました。

保護者の中には全部子どもに準備させて、忘れ物をしたら、学校の先生に叱ってもらって自主性をつけていくという考えを持つ人もいますが、私はそれは違うかなと思います。何回も忘れ物をして叱られたら、学校が嫌になってしまいます。忘れ物をしないで学校に行くほうが安心して楽しく学校生活を送れ、いろいろなことに対しての意欲も湧くと思います。

―ほかに気をつけていたことは何でしょう?

佐藤 睡眠時間をしっかり取ることですね。わが家では小学校低学年では夜8時から8時30分の間に就寝するようにして10時間ほどの睡眠時間を確保するようにしていました。たっぷり寝ればパッと起きることができ、ごはんをしっかり食べて登校し、集中して授業を聞くことができます。就寝する時間に合わせて夕飯を食べるなどそれまでの日課を変えないといけないので少し大変ですが、これは心がけていました。

学校でルールを守る分、家はのんびりできる安全地帯に

―本の中では入学準備として机やラックの準備、ランドセルの置き場を決めるなども述べられています。

佐藤 机は子どもにとって家の中での初めての自分専用のテリトリーになりますから、買ってあげるととても喜びます。そのほかに、教科書やノートなどを置くスペースとしてラックを用意するといいと思います。わが家では、椅子の下にランドセルが置けるようになっているものを使うことにしました。このように必要最低限の学用品の置き場を決めていました。

―小学校では、水筒や手拭きタオル、給食当番のときのエプロンを持って行ったり洗濯に持ち帰ったりします。それらの置き場は決めていましたか? 

佐藤 ぜんぜんしてませんでしたね。子どもが帰宅してランドセルや水筒を置いたら、私が水筒を奪い取って(笑)キッチンで洗って乾かしていました。タオルや給食エプロン、服を着替えて脱ぎ捨てた服や靴下も拾い集めて洗濯機に放り込みます。物の置き場を決めて、子どもたちに置かせることはしなかったですね。

―どうしてでしょう?

佐藤 学校には教科書は机の中にしまうとか、給食袋はこのフックに掛けるとか、いろいろルールがありますよね。大勢の子が過ごす学校では当然ルールが必要ですが、帰宅後も、家でこれはここに置く、これはあっちに…などと規則ばかりあるのは窮屈で楽しくないと思うからです。帰宅後にすべての持ち物を所定の場所に置くなんて、大人でもなかなか難しいことを子どもに強制すると、人生が楽しくなくなると思いました。

家庭は子どもにとって、気を遣わず、だら~っとのんびりできて安心する場所、安全地帯でなくてはいけないと思います。安全地帯というよりある程度は無法地帯でもいいでしょうね(笑)。

管理しすぎると、生きる力が育ちません

―無法地帯ですか?(笑)

佐藤 「お母さん、今日からこのかごに水筒を置くね。ハンカチはここに置くから」と子どもが決めて言ったら、それはそれでいいと思いますが、そんな小学校1年生はいないでしょう。それに、物の位置をきちっと決める整然とした暮らしは今の文明的で清潔な日本の暮らしだからできることだと思います。

たとえば、子どもたちは、将来、世界中のどんな場所で生活するかは分からず、もしかして洗濯機も水道もない場所で生活することがあるかもしれません。生きていくだけで大変なとき、物の場所を決めて整理整頓するとかは些細なことになります。どんな環境の中でも生きていけることが大事で、きちんとしすぎる生活は応用力というか、生きる力を失わせることになるのではないかと思っています。

―管理されすぎると子どもの力を失わせてしまうということですか?

佐藤 そうです。小学校入学と同時に勉強が始まると、どんどん知的な部分を習得しますが、人間の野性的な部分を残せば、環境に対応できる力ができると思ったのです。

学校で管理される部分が増えるほど、その分、家では自由にさせたいもの。子どもたちは、物の整理整頓が必要になれば自分で置き場を考えて片づけるようになります。親がぎちぎちに管理せず、自分で考える余地を残しておきたいと思いました。

―入学準備の話から子育て全般の考え方のお話になりましたね。改めて、入学前に保護者の心得として大切なことは?

佐藤 そうですね(笑)。たっぷり睡眠時間を取り、10分座ることができること、そして家を安全地帯にすること。この3つが大切だと思います。

振り返ってみると小1~2年生はまだ幼児期が抜けきらない時期。保護者の方は小学1年生は幼稚園児と同じと考えてください。3年生になってちょっと成長し、4年生からは中学生に近づきます。成長に応じて手を離していくといいと思います。

入学前で保護者の方も緊張するかもしれませんが、何とかなるのでご心配なく(笑)。あまり思い悩まず、楽しい小学校生活をスタートさせていただきたいですね。

佐藤亮子 小学館 1600円+税

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親が勉強を教えられるのは9歳まで。基礎学力を身に付けるにはどんなサポートをすれば良いのか、本書では、0歳から9歳までを3つのタームにわけて、家庭で取り組むべき受験準備と子育て法を一挙紹介。中学受験をしても、しなくても必ず役立つ受験準備をまとめました。

教えてくれたのは

佐藤亮子さん 教育アドバイザー

浜学園アドバイザー。佐藤亮子のにっこり教育サロン運営。英語教諭を経て結婚。専業主婦として4児を育て上げる。三男一女がそろって、東京大学理科3類に合格し、医師の道に進んだ。子育て法と受験テクニックに注目が集まり、講演会で全国を飛び回る日々で、著書も多数。最新刊は『中学受験しても、しなくても 佐藤ママの9歳までの受験準備』(小学館)。YouTube「佐藤ママチャンネル」は登録者6万人超え。

構成/今津朋子

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