自由研究の書き方のポイント|構成案やまとめ方を実例つきで解説

自由研究は、実験や観察を行う「インプット」の作業もちろん大切ですが、研究結果やわかったことを書いてまとめる「アウトプット」作業も重要です。上手にまとめて、クラスメイトや先生に伝えることができれば、自由研究の楽しさはより一層、ふくらみます。

この記事では、自由研究の書き方の基本となる構成案を1〜9のステップに分けてご紹介しています。また、実際の書き方例(サンプル)と合わせて、自由研究の書き方・まとめ方のポイントもまとめました。せっかくの自由研究、上手に書いて・まとめて、先生やクラスメイトを驚かせてみましょう。

自由研究の書き方・構成案

自由研究は、実験や観察を行っただけでは終わりません。学校に提出するために、研究結果を資料としてまとめ、先生やクラスメイトに発表をする必要があります。こちらでは、自由研究の結果として提出する資料に書くべき項目を、構成案としてまとめました。書いていく順に、各項目をご紹介します。

1. 自由研究テーマ(タイトル)や名前

まず最初に、自由研究のテーマ(タイトル)を書きます。わかりやすく言えば、本のタイトルやテレビの番組名のようなものです。研究の内容がしっかりと伝わるような、わかりやすいタイトルをつけましょう。

先生やクラスメイトに「面白そう!」「見てみたい!」と思ってもらいたいがために、わざと煙に巻くようなタイトルをつける必要はありません。ユニークさや奇をてらったタイトルだと、本来の研究内容がわかりにくくなってしまうため、どんな研究をしたのかがわかるタイトルにしたほうがいいですね。

また、研究内容を明確化したうえで、「一番、知りたかったことは何か?」「解き明かしたかった秘密は何か?」を付け加えていきましょう。例えば、ムラサキキャベツで作った色水の実験なら、「ムラサキキャベツの色水実験」よりも、「なぜ色が変わるのか? ムラサキキャベツの色水の秘密」というように、自分が研究前に知りたかったことや、研究でわかった結果をタイトルに使ってみるのも効果的です。タイトルの近くに、「●年●組 山田太郎」と名前を書くことを忘れずに!

2. 動機やきっかけ

次に、どうしてそのテーマを選んだのか、研究しようと思ったのかという動機やきっかけを書きます。タイトルとして短くまとめた内容を、わかりやすく説明すると考えるとよいでしょう。

動機やきっかけは、自由研究の出発点です。いつ、どんなときに、なぜ「知りたい」「調べたい」と思ったのか、不思議に感じたのかを書きます。動機やきっかけをより具体的に書くことができると、着眼点のユニークさや、普段からの観察眼の鋭さを、先生やクラスメイトにアピールできるでしょう。

3. 目的

動機やきっかけが出発点だとすると、目的はゴールです。自由研究で最終的に「何を知りたいのか」「どんなことを突き止めたいのか」のかを書きます。疑問に思ったことを調べてその理由を見つけたり、普段当たり前のようにあるものが何で出来ているのかを確認したりなど、動機やきっかけに対して回答を求める行為が、自由研究の目的になります。

工作研究など、動機やきっかけが目的を兼ねる場合は、ひとつにまとめてもいいでしょう。

4. 研究の方法と内容

ここまでの「テーマ(タイトル)」「動機・きっかけ」「目的」は、自分の思いを伝える序章です。ここからは、自由研究について、わかりやすく、客観的に伝えることが重要になります。

研究の方法と内容では、
・どんな研究を行うのか
・どんな手順、やり方で進めるのか
・どんな道具や材料を使うのか
を書いていきます。

特に、手順ややり方は写真やイラストを使いながら、箇条書きにするとわかりやすいでしょう。研究の方法と内容は、読んだ人も頭の中で実験や観察が再現できるくらいに進め方などを分解して、伝わりやすく書くことがポイントです。

5. 予想

実験や観察を行う前に、自分なりに結果を予想してみます。

ただ実験や観察を行うだけでなく、結果を予想をしておくと、予想通りに進むのか、予想外の結果になるのか、より一層興味を持って実験や観察を行ったことがわかりますし、先生やクラスメイトもワクワクドキドキしながら発表を効くことができます。

自由研究は、予想通りになっても、予想外の結果になってもどちらでも大丈夫。まずは結果を予想してみましょう。

6. 研究結果

実験の結果や、調べた結果わかったことを書きます。ここが自由研究のクライマックスになります。先生やクラスメイトに、結果をわかりやすく、正確に伝えることを意識してください。

実験の場合は、数字や色の変化などをまとめることになるので、表にしたり、グラフにするなど、見た目で分かるまとめ方を工夫します。

観察や調べ学習では、写真やイラストを並べて変化を比べると良いでしょう。調べ学習では、文字だけではなく、話を聞いた人の顔写真や見学した場所の写真などを使うと、発表しやすくなります。

7. 研究結果によってわかったこと、気づき

自由研究の実験や観察の結果から考えたこと、わかったこと、気づいたことを書きます。

実験や観察の結果を並べるだけではなく、そこからわかった規則性や共通性などを見つけることがポイントです。

例えば、ムラサキキャベツで作った色水の実験なら、色水に入れたもの(お酢、レモンの絞り汁、洗剤など)と色の変化を並べるだけでなく、色が赤くなったもの、変わらなかったもの、青くなったものをまとめ、それぞれの共通点を考えます。

8. 感想

自由研究の実験、観察などで「面白かったこと」「楽しかったこと」「難しかったこと」などを書きます。7. の研究結果によってわかったこと、気づきとは別にします。

また、今回の自由研究を踏まえて、次の自由研究でやってみたいこと、工夫してみたいことを書くと、実験に対する前向きな姿勢が感じられて、高評価につながるでしょう。

9. 参考文献、お世話になった人や場所

自由研究の参考にした本、話を聞いた人やお世話になった人、利用した施設などを書きます。

書き方の実例

自由研究の書き方例
実際の書き方・まとめ方の例を見てみよう。

自由研究の書き方、まとめ方の例をご紹介します。ここでは、「台所のつぶつぶ大きさ調べ」と題して、キッチンにある調味料や食材などの中から粒状のものを取り上げ、それらの大きさを比較する自由研究を例にとります。

1. 自由研究テーマ「台所のつぶつぶ大きさ調べ」

(小学8年生 第3号 P16)

「一番小さいのはなに? 台所のつぶつぶ大きさ調べ」と、一番調べたかったことをタイトルに入れるといいですね。

2. 動機やきっかけ

台所には、塩や砂糖、調味料など「粒」になっているものがたくさんありました。どれが一番小さいのか、調べてみたいと思いました。

3. 目的

台所で一番小さい「粒」を見つけます。

4. 研究の方法と内容

・スマートフォンのカメラ部分に装着する顕微鏡を使って粒を撮影する。
・写真を印刷する。
・倍率は30倍なので、写真に写った粒の大きさを定規で測って、1/30のサイズを粒の大きさとした。

5. 予想

インスタントコーヒーは水にもすぐ溶けるので、一番小さいと思います。

6. 研究結果

食塩 5ミリ
グラニュー糖 10ミリ
こしょう 10ミリ
うまみ調味料 20ミリ
一味 12ミリ
七味 30ミリ
だしの素 14ミリ
コーンスープの粉 13ミリ
インスタント 15ミリ

7. 研究結果によってわかったこと、気づき

一番小さいのは「食塩」でした。

しかし、インスタントコーヒーとコーンスープの粉は、小さな粒どうしがくっついて、大きくなっているように見えました。それらを水に入れると、くっついた粒がばらけて小さくなって、よく溶けるのかもしれないと思いました。

8. 感想

顕微鏡でいろんな粒を観察するのは面白かったです。自分の目で見るよりも、顕微鏡で見たほうが、粒の形や色の違いが分かりやすかったです。途中で、くしゃみが出て、粒が飛んでしまったこともありました。

次は、もっと倍率の高い顕微鏡を使って、小麦粉やベーキングパウダーなど、さらに小さい粒も観察したいと思います。

9. 参考文献、お世話になった人や場所

食品図鑑、食品メーカーのウェブサイト、父・母、兄弟

まとめ方のポイント

ここまでは、自由研究の書き方・まとめ方の基本をご紹介してきました。こちらでは、自由研究の結果をさらに魅力的に見せる書き方やまとめ方のポイントをご紹介します。

目次を入れる

自由研究をまとめるときには、目次を入れるのもおすすめです。タイトルの下に入れるとわかりやすいでしょう。研究結果の内容が充実していればこそ、文字や分量が多くなり、発表時間も長くなってしまいがちです。発表を聞く先生やクラスメイトに、これから発表する内容を目次にして伝えておくと、発表時の情報量が多くても、利き手の頭の中が整理されているため、スムーズに理解してもらいやすくなるでしょう。

また、自由研究のまとめ始める前に、目次の内容を考えておくと、それに沿って書けばいいので、とてもまとめすくなります。書く側にとっても、聞く側にとっても、目次を入れることは非常に重要です。

画やグラフ、画像を入れる

文字だけで説明するのではなく、図やグラフ、写真(画像)を使うとわかりやすくなります。図やグラフは色も工夫しましょう。

例えば、大きな模造紙にまとめる時は、最初に図やグラフ、写真をどの場所に、どのくらいの大きさで配置するかを考えます。残りのスペースに文字を書いていくと良いでしょう。

ノートにまとめる時も、ページごとに図や写真を入れるようにして、紙芝居のようにすると、まとめやすくなりますし、見る人、読む人にもわかりやすくなります。

失敗も書く

自由研究の途中で失敗したこと、うまく行かなかったことがあれば、それも書きましょう。どんな失敗だったのか、なぜ失敗したのか、失敗したあとにどんなことに気をつけて進めたのかなどを書くと、失敗したことを生かして、研究を進めた様子が伝わります。

また、失敗はしなかったものの、自由研究からうまく結論が引き出せなかった場合や、調べ研究で知りたかったことがわからなかった場合は「ここまではわかったけど、ここがわからなかった」「もっとこんな風に調べたり、こういう場所を調べると良いと思う」など、次の自由研究のヒントになることを書くと良いでしょう。

結論を先に書くのもあり

最初に「自由研究の書き方・構成案」で1.自由研究のテーマ(タイトル)や名前〜9.参考文献、お世話になった人や場所、まで書いていく順番を紹介しました。

9つの順番に分けて紹介しましたが、書き方・構成案は、大まかには「起・承・転・結」の流れになります。

ですが、まとめ方には「結論」を先にする方法もあります。テレビ番組で最初に司会者が質問を出し、回答者が答えを言ってから解説していくパターンがあります。その進め方です。

つまり、自由研究のテーマ(タイトル)を伝えたあと、いきなり研究結果によってわかったこと、気づきを書きます。それから動機、方法や内容と進めていきます。研究結果によってわかったこと、気づきが意外なものほど、インパクトが出ます。工夫してみてください。

自由研究の書き方は、構成がしっかりしていれば難しくない

当記事では、自由研究の書き方・まとめ方と、実際の例(サンプル)をご紹介しました。また書き方・まとめ方のポイントもチェックしました。

一生懸命やった自由研究、上手に書いてまとめることができれば、きっと来年のやる気にもつながるはずです。ぜひ、楽しみながら、クラスメイトや先生に自由研究の成果を発表してください。

文・構成/HugKum編集部

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