発達障害の子供をもつママ、一人で悩みを抱え込まないで!“親の会”が助けになることも

発達障害がある子を育てる親御さんの中には「相談したいことや不安なことがあるけれど、誰に話していいのかわからない…」と、一人で悩みを抱えている方が少なくありません。また子どもの発達の特性についてご主人や親から理解が得られず、お母さんが家族の中で孤立してしまうケースもあります。

そうした出口の見えない悩みにぶつかったとき、親の会を頼ってみてはどうでしょう。発達障害が社会に広く知られる以前から、親の会を立ち上げて活動してきた、発達が気になる親とサポーターの会「にじのふね」の坪井久美子さんに、親の会について教えていただきました。

そもそも“親の会”って何!? どんな活動をしているの?

同じ障害をもつ子の親が集い、悩みや課題の解決に向けて共に活動する場

同じ障害をもつ子の親が集い、発達の悩みや課題を共有しながら、ともに活動するのが親の会です。規模は、全国規模の大きなものから、地域に根差した小さなものまでさまざま。

例えば、大きな規模では

特定非営利活動法人 全国LD親の会  http://www.jpald.net/

一般社団法人 日本自閉症協会 http://www.autism.or.jp/

などがあります。

活動も専門家を招いて勉強会や講演会を行ったり、親同士がお茶をしながら情報交換をしたり、親子で楽しめるイベントを行うなど多種多様です。

発達が気になる親御さんは、どんなきっかけで“親の会”に入るの?坪井さんの場合は…

学習障害から息子がいじめにあい、子育てに悩んだためです

私が親の会に入会したのは、息子のことで悩み、行き詰まりを感じたからです。息子は学習障害で、知的な遅れはないものの字の読み書きに困難を伴う傾向がありました。

息子の特性が目立ち始めたのは、小学2年生になってから。忘れ物が多いため、学校に頻繁に呼び出されるようになったのですが、教室に貼られた忘れ物チェックの棒グラフは息子が断トツトップ! 貼り出された習字は、息子だけが鏡文字。学校での生活を目の当たりにして、血の気が引く思いでした。

小学4年生ごろになると、息子へのいじめが始まり学校に行きたがらないように…。私も苦しかったのですが、それ以上に、息子は苦しい日々を送っていたと思います。

息子への学習障害の診断が下されたのは、小学6年生のとき。忘れ物が多いのも、連絡帳に書いた自分の字が読めないからだということがわかりました。

中学で通級に通い始めたのですが、親の会に入ったのはその頃です。そのときは「誰かに話しを聞いて欲しい」「息子の将来を考えると、不安でたまらない」と、藁にもすがる思いで入会しました。

“親の会”に入会するメリットは?

生きた情報が得られ、よき理解者にめぐり会えること!

親の会に入会するメリットは、生きた情報が得られることです。子どもの発達に悩んだとき、インターネットで情報を得る方は少なくありませんが、インターネットの情報を鵜呑みにしてしまうのは危険。自分の子供の状態を見極め、子供に合った情報を取捨選択することが大切です。

またわが子の発達の課題に直面すると「誰かに話しを聞いて欲しい!」「どうしたらいいのかわからない…」と、悶々と悩むことが多々あります。私も親の会の代表として、そうした悩みに耳を傾けてきました。

あるお母さんは「主人を含めて、両親や家族も子供の特性に理解を示さないし、家柄もあり近隣の方々には子供のことは知られてはいけない。私が本音で話せるのは、ここだけなんです」と親の会に参加するたびに泣きながら思いの丈を語り、気持ちがすっきりすると「聞いてくれてありがとうございます。これで明日から、また頑張れます」と笑顔になる方もいました。

そうしたやり場のない気持ちに、親身になって寄り添ってくれるのも親の会の魅力でしょう。

“親の会”を選ぶときのポイントは?

ホームページをチェックするなどして、まずは情報収集を

親の会のホームページで活動内容などを確認するほか、東京都発達障害者支援センター(TOSCA)http://www.tosca-net.com/ などに問い合わせるのも一案です。

また小さな規模の親の会はホームページを持たないなど、情報をオープンにしないところもあるので、例えば子どもが療育や通級などに通っている場合は、そこで知り合った保護者に聞いてみるなどして、口コミ情報を集めてみてはいかがでしょうか。

親の会を選ぶとき注意してほしいのは、必ず勉強会などに参加して、子どもはもちろん、親自身が馴染める雰囲気か確かめること。一方的に意見を押し付けてきたり、「馴染めないな…」と感じたりしたときは避けたほうがベターです。

 

坪井久美子さん

2児の母。長男が学習障害。20年以上に渡り、親の会代表などを務め、発達に特性のある子どもとその家族を支える。現在は、発達が気になる親とサポーターの会「にじのふね」代表。https://nizinofune2427.amebaownd.com/

 

構成/麻生珠恵

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