【発達障害の子育てのお悩み】仲間外れにされているASDの小2の娘。親はどう関わればいい?

発達障害の子の中には、我慢が難しい、約束やルールが守れない等お子さんの行動に頭を悩ませている親御さんは多いと思います。療育を目的とした「放課後デイサービスLuce」の運営を経て、新たに、この5月に発達障害児を抱える母親のためのサロン「Luce」を開設した藤原美保さんに、具体的な支援について伺いました。

女の子から仲間外れにされているようで、娘にどう言葉がけしていいかわかりません

コミュニケーションが苦手なASD(自閉スペクトラム症)の小学校2年生の娘。

担任の先生から「Aちゃん最近クラスの女の子からどうやら仲間外れにされているようなのです」と連絡がありました。娘本人は、仲間外れにされていることに気がついていません。娘にどう声かけ、説明したらいいのでしょう。どうしたら友達に仲良くしてもらえるでしょうか?

「仲間外れにされる」は、ASDの子なら一度は経験すること。

Aちゃんは衝動性の強いASDのお子さんです。来所した当時は目についたものを何でも触りに行く子でした。身体図式(自分の身体の感覚によってつくられる頭の中での自分の身体のイメージ。脳の神経発達が影響します)がうまく発達していないせいか不器用さも目立ちます。社会性にも問題があるため他のお子さんとのコミュニケーションも苦手です。

本人は自分の行動が周囲から見た時にどのような印象を与えるのか、自分が周囲からどう思われているか、などはまだ理解できていません。ですから、今回も彼女は自分が仲間外れにされている事についてあまり気に留めていないのです。

「先生から仲間外れにされている」と連絡が入るとは、先生がよほど手を焼いているか、目を配ってくれる良い先生かでしょう。子どもはまだ理解できていないので、保護者にも伝えられません。

仲間外れにされている事を本人が気がついていないのでお母さんはどう声掛けしてよいかわからないと相談にみえたのです。

ネガティブな発言も多く、事業所でも最初は「できない~」を多発していました。指示になかなか従うことも難しかったのですが、Luceのレッスンの中で壁倒立や側転も少しずつできるように、ダンスチームのみんなにも仲間の一人として受け入れてもらうことができるようになった子です。

クラスで仲間外れにされていると聞くと親は困惑しますが、コミュニケーションが苦手なASDの女の子の仲間外れは、発達障害の女の子は一度は経験することです。「少なくてもいいからうちの子のことを理解てくれる優しいお友達が欲しい」という声がお母様達からはよく聞こえてきます。

「同等の関係を築く友だちをもつのが難しい個性」が発達障害。学校以外の場所で仲間を作ることを支援して

「クラスの子とお友達になれるでしょうか?」のお母さんからの問いに「クラスのお友達はあきらめた方がいいです。」とはっきり申し上げました。

なぜなら学校に来ている子たちの親は、自分の子どもにとっての「優しい友達」が欲しいと思っているわけです。残酷なようですが、人の子のためにわが子を学校に行かせているわけではありません。

「優しい子」は親にとって都合の良い安心材料になってくれる子です。どの親もわが子にとって良い影響を与える(学校の成績や運動などがさらに出来るようになるように)ためのいいお友達ができますようにと願っているのです。

逆にお聞きします。

例えば、ルールを守らない、すぐキレて手を出す、暴れるなど、学校で問題行動や発言が目立つ、わが子より重度の障害のある子が身近にいたとします。あなたは、お子さんに、その子を理解できる優しいお友達になってあげなさいと言いますか?

もちろん、攻撃をしてはいけない、いじめてはいけない、とは言うでしょう、お友達には優しくしなさいとも言うでしょう。しかし、トラブルに巻き込まれないようにと思っているはずです。要するにみんなトラブルには巻き込まれたくないと思っているのです。

友達とは、同等である関係です。残念ながら発達障害は「同等の関係」になることが難しい個性を持っていることが多いのです。

 

学校ではみんなと仲良くできなくても問題ない。一人でいる事が悪いことではないと教えて

それより、学校ではお友達がいない事への不安につながらないように、一人でいられる子にする方が現実的です。

「みんなと仲良くできなくても問題ない。一人でいる事が悪いことではない」と保護者自身が気持ちを切り替えてください。もし、お子さんが寂しいと言うのなら抱きしめてあげてください。そしてお子さんを大切に想っている事を心から伝えてください。

そして友達ではなく、一緒に何か活動できる仲間を増やしてあげることが大切です。理解してくれる支援者がいて、活動を通して仲間を増やしていくことはできます。学校以外で活動できる場を作ってあげることはとても重要です。

そして一番大切なのは、同じような思いをしている子は自分だけではないと考えられる事です。

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記事監修

藤原美保さん|(株)スプレンドーレ代表

健康運動指導士、介護福祉士、保育士。株式会社スプレンドーレ代表。

発達障害の女の子の性教育や身だしなみ教育に力を入れてきた、放課後等デイサービスLuceを2022年3月まで運営。
2022年5月に障害のあるお子さんと保護者が通う事が出来、施術中に療育相談を受けられる美容・脱毛サロンLuceをOPEN。
発達障害のお子さんの療育アドバイザーとして相談や療育コンサル、発達障害のお子さんへのオンラインでの性教育を行う。
著書に『発達障害の女の子のお母さんが、早めにしっておきたい47のルール』(エッセンシャル出版)、『発達障害の女の子の「自立」のために親としてできること』(PHP研究所)がある。

YouTubeで「子どもの対応おたすけチャンネルMamma mia」を配信中

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