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ランドセルが、遠く離れたアフガニスタンの子どもたちの希望になる
7月30日と8月6日に行われた2回のオンライン勉強会では、本やインターネットで調べるだけではわからない、「思い出のランドセルギフト」活動の最新情報や、アフガニスタンの子どもたちの生活について、クイズなどを通して楽しく学ぶことができました。その内容をレポートします!
25万個以上の実績「思い出のランドセルギフト」
「思い出のランドセルギフト」とは、日本生まれのNGOジョイセフが主催する活動で、6年間大切に使ったランドセルをアフガニスタンを中心とした国の小学1年生から3年生の子ども達に贈っています。2004年に始まり、これまでに贈ったランドセルの数はなんと約25万個です!
日本生まれの国際NGOジョイセフ
ジョイセフは、市民の手により世界の問題解決を行おうとする日本生まれのNGO団体で、支援対象は主に女性や子どもです。この「思い出のランドセルギフト」はジョイセフの活動の中で最も有名なものです。
文字を学び、自分と家族を守る。ランドセルを贈る理由
ジョイセフがアフガニスタンの子ども達にランドセルを贈り続けているのには主に3つの理由があります。
1.女の子も学校に通えるようになるため
アフガニスタンでは、男の子は7割、女の子は4割の子しか小学校を卒業できません。
2.文字が読めるようになり、自分と家族を守る力を身につけるため
3.ランドセルが子どもたちが学び夢や希望を叶える応援になる
紛争が長く続いた地域で暮らす子ども達は、家の手伝いのため学校に通えない子や、貧困により学用品が買えない子、または12,3歳で結婚する女の子もいます。学校に通えず文字が読めない女性は非常に多く、買ってきた薬の箱に書いてあることが分からない等、自分と家族を守るためにも文字を読めるようになることが必要とされています。
また、写真の子ども達のように、ランドセルを背負っている姿は学校に通って勉強している目印にもなります。ランドセルを背負って勉強している子ども達の姿を見た大人に「わが子も学校に通わせることを諦めない」と思わせる効果もあります。
「君たちのそばにいるよ」子ども達に応援が届く
日本の子どもたちからの応援や励ましの意味が込められたランドセルを受け取った子どもたちは「学校の先生になりたい!」「お医者さんになりたい!」という夢を口にしています。実際に2004年にランドセルを受け取った一人の男の子は2020年に先生になり、また、ある女の子は医者になるための学校に進学し、医師となりました。
ランドセルを受け取った子たちは皆、贈ってくれた子やその子の住む日本に興味津々。学用品と一緒にランドセルに入っていた子の写真を大切に持っている子もいます。
子どもたちは、戦士が死んでゆくのを日常的に見ており、隣国からは戦うための武器が送られてきます。
でも日本から送られるランドセルは、アフガニスタンの子ども達の教育を応援しています。「君たちのそばにいるよ」というメッセージと共にランドセルが彼らの学びを支援するシンボルになっているのです。
アフガニスタンの子どもたちと学校
勉強会では、学校で学ぶ子どもたちの動画も見ることができました!放課後にランドセルを背負ったままイキイキと遊ぶ姿は日本の子どもたちと変わらない様子でした。サッカーや縄跳び、手遊びなどを楽しそうにしていました。
ですが、30年以上もテロ活動や紛争が続いた地域の学校には建物も机もなく、あるのは黒板と敷物だけです。ランドセルを机代わりに、子どもたちは真剣に先生の話を聞いて勉強しています。建物がないため、雨が降ると学校はお休みです。
学校の授業があるのは午前中だけ。午後、子どもたちは畑の手伝いや家畜の世話などに追われます。そして夜、ろうそくの周りに兄弟が集まって、みんなで学校の宿題をします。
ロバも貢献!ランドセルが届くまで
このランドセルが届くまでの道のりも、長く険しいものです。
まず、日本から船に乗って約4週間かけてパキスタンへ到着、その後大きなトラックに乗せてアフガニスタンまで運びます。ランドセルを届けている農村地域までは、険しい山道も通過します。小さなトラックに積み替えたり、車が走れない道はロバに運ばせたりと、何度も積み替えて運びます。
また、中身が見えると盗まれてしまう可能性もあるため、外からは見えないようにも工夫しています。そうしたことを経てやっと、日本の子どもたちのランドセルが、アフガニスタンの子どもたちの手に渡ります。
簡単3ステップ!ランドセルの贈り方
「思い出のランドセルギフト」を知ったことで「私もランドセルを送りたい!」と思った人は、次の3ステップでランドセルをアフガニスタンの子へ届けてみませんか。
1.壊れていないか、豚革を使っていないか、確認し、防犯ブザーなど付属品は取り外す
2.輸送費として1,800円の寄付金をジョイセフへ送る
3.ランドセルを国内の指定倉庫へ送る
この後、ジョイセフのスタッフが倉庫に届いたランドセルを一つずつ検品して送ります。ランドセルの中には新品の学用品(ノートや鉛筆など)やお手紙も一緒に入れて送ることができます。刃物や液体のりなど、入れられないものもあるため、詳しくはこちらで確認してください。
ランドセル以外の支援方法は?
ランドセルを贈ることはできないけれど、アフガニスタンの子どもたちのことを知って「何かしたい!」と思ったら、こんな方法もあります。
1.書き損じはがきをジョイセフに送る
書き損じはがきがランドセルの輸送費になります。
2.発表する、周りの人に話す。
「思い出のランドセルギフト」の活動をたくさんの人に知ってもらうことで、より多くのランドセルを贈ることができるようになります。夏休みの自由研究で「思い出のランドセルギフト」を調べるのも良いですね。学習特設サイトには情報をまとめられるワークシートの他、写真や動画も見て学べるようになっています。
3.世界で起きていることに目を向けてみよう
平和のためにできることはなんだろうと考えてみよう。考えることが行動の最初の一歩になります。
もう一つ、これは教育関係者やPTAの方向けですが、学校単位でランドセルを集めて送ることや、ジョイセフから派遣される講師が勉強会をすることもできます。実績やご相談はこちらから。
ランドセルは海を越えて
国語や英語の教科書で読んだことがあり、この活動を既に知っているお子さんもいらっしゃったのではないでしょうか。「思い出のランドセルギフト」は、あなたが大切に使ったランドセルがアフガニスタンの子どもたちの学びを応援する力になります。
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文・構成/田邊紗耶香