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息子が0歳の時から得意なイラストで「育児日記」を発信。共感を呼んでフォロワーが2万人超えに
-いつからTwitterでの育児日記をはじめたのですか?
リュウが0歳の時から始めて、今の画風になったのが2歳ごろです。保育園で発達が気になるから、一度発達支援センターで診てもらってはと言われまして、療育を始めた頃から、不安や疑問に思ったことを発信していました。
言葉がなかなか出てこないし、多動気味なのかなあ、と思い当たるところはあったのですが、それが確信になったことはやはりショックでした。療育でのことを発信しだしたら、興味を持って下さる方が増えて、いつのまにかフォロワーさんが2万人を超えていました。
イラストは仕事にもしていますが、描くことが基本的に好きなんです。好きなイラストを使って療育先での息子の様子や、私自身のギモンや思いを発信することが、子育て不安のストレスの発散にもなっていました。
フォロワーさんも発達障害のお子さんを育てている方が多いですね。「いいね!」が沢山ついたりすると「やった!」とうれしくなって、共感するという声も多くいただいて、それが「育児日記」を発信することへの励みになっていきました。
-初めての療育での、まるさんの奮闘ぶりがユーモアを誘う描き方で…これって、「初めての療育あるある」では?と思ってしまいました。
親は一生懸命やってるのに、息子はまったくアウェイ(笑)。私何やってるんだろうって。療育の先生から「すぐに結果がでるものではないから、経験を積み上げていきましょう」と言われて、アッというまに半年。相変わらず、「宇宙語」をしゃべっている状態でしたね。
-「でも、かわいい!だからこのままでいて」という、まるさんがかわいくてステキだと思いました。
-それが、はじめての発語から半年経って…
はい!発語が増えてきたな~と思っていたら、ある日急に「ママ」と言ってくれたんです(涙)
―感激の瞬間ですね。読んでいる方もジンとしてしまいました。
「静かな多動」ですぐにいなくなる息子。迷子になった時のためにしている工夫とは
-リュウ君はどんなお子さんですか?
マイペースでのんびり屋さん。まず、かんしゃくを起こさないんです。でも、多動なので、すぐにどこか行っちゃうんです。それも、いつの間にかいなくなっていて。保育園で「静かな多動」と言われてました(笑)。
友人親子と出かけた時に、ちょっとした隙にいなくなってパニックになったことも…。
これ以来、出かける時は、息子の服の写真を撮るようになりました。今は、とにかく「電車」が大好きで、よく息子に付き合って電車を見にいくんですが、手は絶対離せないです。
電車好きな息子のために、おもちゃと絵本を作ってしまった
-Twitterでは、まるさんの手作りの電車のおもちゃが紹介されていました。これが本当に良くできていて、さすがデザイナー!
あれ、ラップの箱を使って作っているんです。いろいろおもちゃを買っても、結局、手作り電車がお気に入りみたいです。うれしいですね。
-リュウ君があんまり電車が好きなので、絵本まで作られたとか。ものすごく気に入ってくれて絵本作りにはまったそうですね。
はい、そうなんです。動物を描くのが好きなので、猫ちゃんを主人公にして絵本を作りました。こちらもリュウがすごく気に入ってくれて、「でんしゃがきたぞ」と、本にでてくるフレーズを言ったりしています。
リュウはまだ、オムツがとれていなくて「トイレ・トレーニング」にもなれば、と「トイレの絵本」も作っちゃいました。片手におもちゃを握り、両手を差し出して「ど~っちだ?」と言い始めた息子に、言葉を広げたいという思いで作った3冊目が『これな~んだ?』です。
育児日記が書籍化!子育てエピソードには、シングルマザーとしてのお悩みも
-11月30日にまるさんの子育て日記『シンママのはじめての育児は自閉症の子でした』が発売されました。Twitterでの発信が編集者の方の目にとまったのですね?
はい、お声がけいただいて「えっつ!ホント?」とビックリ。そのあとジワジワとうれしさがこみ上げてきました。
1年ほどかけて、リュウが1歳から4歳7か月までの子育てのエピソードをマンガ仕立てにしました。リュウの成長の具合を主体にしながら、受けている支援や自分なりの問題について描いています。
-本には、シングルマザーとしての子育ての奮闘ぶりも描かれています。
大変な事も多いけど、ひとり親満喫中!
コロナ禍で仕事が減ってしまって、フリーランスのデザイナーとして働きながらパートも始めました。
今日は、家で仕事できるぞ~っと思ってたら、療育のことで役所に行かなきゃならなかった!と気づいたり…。でも、幸いにも、よく遊んでくれるシングルママ親子がいるので、メンタルを保つためにも、よく遊びにでかけます。ひとり親で気楽だな、と思うことも多いですし!
息子よ、ゆっくり大きくなあれ。発達障害の子を育てていない人にも読んで欲しい
「発達障害かも」といわれてから2年半経ち、現在は「自閉スペクトラム症と軽度知的障害」という診断がついています。昔から「何事もどうにかなるさ」と思いながら生きてきたので(笑)、「発達障害」を疑いはじめてからもネット検索は一切しませんでした。自分の気持ちが暗くなる情報は入れたくなかったんです。
こうして本としてまとまると、ああ、こんなことで悩んでいたんだ、こんなことを思っていたんだ、と懐かしいような気持ちです。そしてなにより、確かに、ゆっくりな成長ではあるんですが、リュウの成長が実感できて感慨深いですね。
同じような子を育てている方との共感もそうですが、発達障がいの子を育てていない方にも『発達障害ってこういう事なんだ』、『こんな問題があるんだ』と少しでもわかってもらえたらうれしいですね。
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教えてくれたのは
構成/Hugkum編集部 写真提供/まるさん イラストは一部を除き『シンママの初めて育児は自閉症の子でした』から