発達に課題を抱えるお子さんを育てる親御さん52人にアンケートを実施
私は発達障害の1つ、自閉症がある息子を育てています。
これまで息子を通じて、他の親御さんから嬉しい声掛けをして頂くことはたくさんありました。
でも逆に、何年も引きずるほど落ち込むセリフを言われたこともありました。
こういったことは正解がないからこそ、お互いに気持ちがすれ違ってしまうこともあるのかもしれません。
今回、発達障害など、発達に課題を抱えるお子さんを育てる親御さん52人にアンケートをとらせて頂きました。
そして、周りの親御さんたちに伝えたくてもなかなか言えなかった、「本音」を教えて頂きました。
子どもが成長して世界が広がっていくと、親も、様々な特性を持つお子さんと接する機会が増えていきますよね。
1人1人感じ方は違うとはいえ、多くの方に共通して見られた意見、ハッとさせられたエピソードなどを、お伝えしたいと思います。
こんなことを言われて(されて)嬉しかった
まずは、発達に課題があるお子さんを育てる親御さんたちから意見が多かった、「言われて(されて)嬉しかった」5つの対応をお伝えします。
好意を示してくれる
「あなたのお子さんのことを、家でいつもうちの子は話しています。大好きみたいです」
このように、他のお子さんが我が子に対して好意を持っていると話してくれるのは、嬉しいものです。
発達に遅れがあるお子さんは、なかなか家でそういうことを話してくれないこともあります。
本人から聞けないからこそ、相手の親御さんからこういう話を聞くと、とても嬉しくなります。
発達に課題を抱えるお子さんを育てていると、どうしても親御さんは周囲の目を気にしてしまいがちです。
だからこそ、周りのお子さんや親御さんからの率直な好意は、心をほっこりさせてくれます。
知ろうとしてくれる
発達障害が身近ではない人にとって、「わからない」というのは自然なことです。
ですから、わからないことはぜひ、直接聞いてみて下さい。
我が子の苦手なことや特性を知ろうとしてくれたり、「何かできることはある?」など具体的な手だてをフランクに聞いてくれる言動は、とても嬉しいのです。
障害を理由に特別扱いしない
たとえ障害があっても、それを理由に偏見を持たれたり、過度に特別扱いして腫れ物に触るような対応をとられるのは、親としてとても辛いことです。
そのため、「特別扱いせずに普通に接してもらうのがありがたい」という意見も多かったです。
例えば、「おはよう!」や「バイバイ、また明日ね」など、笑顔で挨拶してもらえるのは誰だって嬉しいですよね。
発達がゆっくりなお子さんは、すぐに言葉が出なかったり、反応が鈍くなってしまったりすることもあるかもしれません。
そうすると、なんとなく声をかけることに躊躇してしまうかもしれませんが、変に気をつかわず、他のお子さんと同じ様に声を掛けてもらえると嬉しいです。
「ハンデがあるからと遠慮したり気をつかったりせず、ありのままを受け入れて接してくれた」
このような経験は、親子にとってかけがえのない思い出になると思います。
変わらない対応
当事者の親からすると、子どもが発達障害であることをカミングアウトしたら、相手が急によそよそしくなって、関係性が変わってしまうのではないかと不安になるものです。
ですから、変わらない対応をしてくれるとすごく嬉しいのです。
特に支援級に通うお子さんの場合、「普通級のお子さんとの間に壁ができてしまうのではないか」と不安に思っている親御さんも多いと思います。
「基本は支援級で過ごすのですが、交流級でのクラスが一緒の子の親御さんから『一緒のクラスですね』と以前と変わらず話してもらえることが有難いです。」
というエピソードもありました。
ぜひ、支援級に通うお子さんの親御さんにも、変わらぬ関係性で話しかけていって下さい。
良いところや成長を褒めてくれる
誰だって、自分の子どもが褒められたら嬉しいですよね。
以前から知っているお子さんであれば、その子の成長を認め、褒めたり喜んだりしてくれると、親御さんはとても嬉しくなると思います。
周りとの比較で評価するのではなく、その子の過去と今で、「できるようになったこと」を見てほしいのです。
私も息子が幼稚園の時、他の親御さんから息子の成長を褒めてもらった時、涙が出そうなくらい嬉しかったです。
他にも、こんな言動が嬉しかった
特に多かった上記の5つ以外に、こんな意見もありました。
「複数の友達とお出かけした時、子どもが切り替えができなかった時に、『先に行ってて』と言ったらスルッと先に行ってくれたこと。一緒に待たれると親も焦ってしまう」
気をつかってもらえるのはありがたいですが、時にはこんな風にスルッと離れてもらうことが嬉しかったりもしますよね。
「はやく気づけて対処してあげて幸せですね」
発達障害は見た目にはわからないため、一見普通の子と変わらないように見えるかもしれません。
でもその「普通」のために、本人も親も並々ならぬ努力をしています。
子どもだけではなく、親のがんばりや気づきにも目を向けてもらえると、嬉しくなります。