発達障害の子を育てているママのキモチ。なかなか言えないホンネを52人に聞きました

発達に遅れがないお子さんの親御さんたちに伝えたいこと

同じ「子育て中の親」であるにも関わらず、「発達」という問題を前に、すれ違うことも多かった私たち。
では、発達の遅れがある子の親も、ない子の親も、もっとわかりあうためにはどうしたらいいのでしょうか?

最も多かった3つのお願い

アンケートの結果から見えてきた、「発達の遅れがない子の親御さん」にお願いしたいことで最も多かった意見をまとめると、次の3つになると思います。

・根拠のない励ましやアドバイスは不要である
・発達障害を知ってほしい、知ろうとしてほしい
・普通に接してほしい

発達障害の情報に触れる機会が多くなった今、「何か有益な情報を教えてあげたい」「励ましてあげたい」と思うこともあるかもしれません。

でも、発達障害は個人差が大きく、同じ特性や対処法が、全ての人に通じるとは限らないのです。
そういった発達障害の現実を知り、「障害」という一括りの先入観を持たずに1人1人を見てほしいと思います。
はっきり言って、同じ子育てでも、発達障害がある子の子育ては別物です。
もしかしたら「努力が足りないのでは?」「躾ができていないのでは?」などと思うこともあるかもしれませんが、自分のものさしだけで判断せず、相手の親子に寄り添ってもらえたら嬉しいです。

できれば、お子さんにこういうことを伝えてほしい

発達障害について、親御さんを通して、お子さんにもぜひ伝えて頂きたいことがあります。
それは、世の中には困りごとを抱えている人がたくさんいて、でもみんな一生懸命生きて頑張っているということです。
その上で、「お友だちが困っていたら助けてあげてね」「出来ないことや遅いことなどは、恥ずかしいことじゃないんだよ」と教えて頂けたら、とてもありがたいです。
子どもは親を見て育ちます。
ご家庭でも、障害者に対する無理解や差別的な言動はしないように、気をつけて頂きたいなと思います。

同じ子どもを持つ親として、一緒に見守りながら子育てしていけたら嬉しい

「話しかけてもらっても、無視することがあるが故意ではありません。発語もありませんが話しかけてもらえると助かる。」
「我が子のなんかちょっといい場面を目撃したら、どんな些細なことでも私に伝えてもらえたらそれは生きる希望、喜びになります。」
アンケートには、このような意見も寄せられていました。
言葉は使い方によっては誰かを深く傷つけるけれど、誰かの助けになったり、希望や喜びにもなるものです。
相手を理解し、嬉しい言葉かけをしながら、気持ちの良い付き合いをしていきたいなと思います。

障害があるお子さんも我が子の友達の1人として、一緒に温かく見守っていってくれるなら、発達に課題を抱える子どもの親として、こんなに嬉しいことはありません。
同じ子どもを持つ親として、発達の遅れや障害の有無で断絶せず、わかりあっていきたいと思います。

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べっこうあめアマミ 取材・構成

ライター&イラストレーター。知的障害を伴う自閉症の息子ときょうだい児の娘を育てながら、電子書籍作家としても活動する。出版した電子書籍は障害児育児をテーマにしており、Amazonランキング1位を獲得するなど、障害児や発達に特性がある子を育てる多くの家族に読まれている。「ママがしんどくて無理をして、子どもが幸せになれるわけがない」という信念のもと、「障害がある子ども」ではなく「障害児のママ」に軸足をおいた発信を、Twitternoteなど各種SNSで続けている。

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