発達障害の子を育てているママのキモチ。なかなか言えないホンネを52人に聞きました

こんなことを言われて(されて)嫌だった

次に、発達に課題を抱えるお子さんを育てる親御さんたちから意見が多かった、「言われて(されて)嫌だった」5つの対応をお伝えします。

普通、気にしすぎ、そのうちできるようになる、といった無責任な発言

最も多かったのは、以下のような無責任な発言が嫌だという意見でした。

「そんなの全然普通だよ!」
「そのうち喋るようになるよ」
「うちも◯歳まで話さなかったから、大丈夫よ」
「気にしすぎだよ」
「そのくらい障害無くてもみんなあるよ」

悪気はないというのはわかります。

でも、本気で悩んでいて、しかるべき機関で診断や療育を受けているお子さんの親御さんからしたら、「そんな無責任なこと言わないで……」と思ってしまうかもしれません。
また、このような言われ方をすると、「普通」ではないことが良くないことだと思われているようにも感じてしまいます。
本人の困りごとや障害は、否定せずに受け止めてほしいです。

障害や支援に対する無理解や、踏み込んだ意見

「いろんな外部機関(発達支援センターや療育)にかかり始めていた時『でも親が信じてあげなきゃ。いちばんわかってるんだし。』と専門職への相談を遠巻きに否定されたこと」
「『言い聞かせれば解る』と信じて疑わないママさん。1歳早々から他害で悩み、他の親よりも言い聞かせてきた自負があるけど特性上仕方ないことがあるということをきっと理解できないんだろうな……」
「癇癪起こして放っておいた(落ち着くまで待っていたとき)かわいそうじゃない?と言われたこと」
「療育について知らないのに間違った情報で知ったかぶりをされたこと」

このように、障害特性や、療育などの支援についての無理解からくる言葉を言われて嫌な気持ちになった、という意見も多かったです。

障害のことは、そういう子どもを育てていないとわからないのは当然です。
しかし、知ったかぶって諭したり、他人の子どものことに対して踏み込んだ意見を言うのは、あまりよろしくないのではないでしょうか。
ぜひ、「そのお子さんに必要なことを1番よくわかっているのは親御さん」だということを忘れずにいて下さい。

変な子だと遠巻きにみられる

異質なものを見るような冷ややかな目線を向けられたり、ちょっと遠巻きにされたり、無視されたり、はっきりと「あの子変だね」と言われたり……。
そういう「人を傷つける言動」は、控えてもらいたいと思います。
案外当事者は、すぐ近くで聞いているかもしれないのですから。

障害者への偏見を間接的に知ってしまった

「公園でおそらく療育園の子どもたちの集団が遊んでいる姿を見て『ああいう子たちが遊んでるとうちの子ひいちゃって遊べないから困るんだよね』と言っていたこと。彼女はうちの子が発達がゆっくりなことは知っていたし相談もしていましたが『ああいう子とは違うと思うよ!大丈夫!』と言われました。」
「娘の幼稚園のバス停が同じ人(娘の発達障害を話していない)が劇発表会の際に『グレーの子が何人かいるからどうしても変な感じになったりするよね〜』と言っていてつらくなりました」

気を許した間柄だから、ポロっと言ってしまったのかもしれませんが、こういった言動は、自分の子どものことを言われていなくても悲しくなるものです。
ただ話していないだけで、相手の方も、子どもの発達に悩んでいるかもしれません。
障害者への偏見を含んだ言動ではないか、よく考えて言葉を発してほしいと思います。

悪気はない、だけど無神経な言葉や態度

「子持ちの方かもわかりませんが、年齢を訊ねられて答えると『○歳なのにね〜』と返されたことです」
「年上の子から赤ちゃんと娘が言われても、親御さんが制さず、何を言っても本人に分からないからいいと思われていること」
「友人から、『自閉症のこだわりの強さは天才肌だよね』と言われたことが嫌でした。残念ながらうちの子どもはギフテッドではありません。何者でもなくたって生きていける世の中がいいです。」

こういった無神経な言葉や態度も、知らず知らずのうちに誰かを傷つけているかもしれません。
「発達障害がある子には特別な才能がある」というのもまた偏見であり、本人や親御さんを苦しめることになるかもしれないという事実も、意識してほしいです。

次のページは▶▶発達に遅れがないお子さんの親御さんたちに伝えたいこと

編集部おすすめ

関連記事