前編では、前澤友作さんのあの100万円企画に当選したときのお話、砂遊びのメリットなどを伺いました
どろだんご先生の「ピカピカどろだんご」
集中力を高めてくれるだけでなく、観察力・発想力・空間認識力など、子どもの多様な力を育む土遊び。そんな「土にふれる楽しさ」をもっと広めたいという思いから、どろだんご先生が考案したのが、まるで宝石のように輝く「ピカピカどろだんご」です。

実はこのどろだんご、10年経っても形を保つほどの驚きの強度。小さい頃に作ったどろだんごといえば、乾く前に崩れてしまったり、そっと持たないと割れてしまったり…。でも、このどろだんごは違います。
異なる粒の土が絶妙に混ざり合い、水分が抜けることでロックがかかる。その仕組みは、まるでコンクリート。そんな科学的な視点を知ると、大人もつい夢中になってしまいますよ。
どろだんご先生のワークショップでも大人気の「ピカピカどろだんご」。この夏、親子でぜひ作ってみてください。
ピカピカどろだんごの作り方

<材料>(どろだんご1個分)
・荒木田土(あらきだつち) ※ホームセンターなどで購入できます
こね用…150g 仕上げ用…30g
・水 30cc
・粘土板(または平らな作業台)
・牛乳瓶(底に凹凸がないコップやガラス瓶でもOK)
・土を混ぜるための器
・濡らしたタオル(作業中に手を湿らせる用)
<作り方>
① 荒木田土を乾燥させる
ベランダなど風通しの良い場所でしっかりと乾燥させ、細かくすりつぶします。
② こねてどろだんごを作る
乾燥させた荒木田土150gに水30ccを加え、器の中でしっかりこねてかたまりにします。



③ 丸める
粘土板の上で、手のひらで転がしたり、軽く叩いたりしながら丸く形を整えます。形が整ったら、少し休ませます。


④ 仕上げ用の土をまぶす
乾いた荒木田土(仕上げ用30g)を、どろだんご全体にまんべんなく、薄くまぶします。

【ポイント】
土を厚くつけすぎると、ひび割れの原因になるので薄く!
⑤ 余分な土を落とす
軽く手のひらで転がしながら、余分な土を払い落とします。

⑥ 牛乳瓶で削る
どろだんごを牛乳瓶の上にのせ、瓶の口を使って凹凸を削り取ります。瓶をしっかり手で押さえ、どろだんごを手前に回すようにして形を整えましょう。

【ポイント】
・どろだんごと瓶の間にすき間がある部分=へこんでいるところ/すき間がない部分=出っぱっているところ
→出っぱっているところを中心に削ると、きれいな球体に!
・削った土が瓶の口についたら、こまめに取り除きましょう。ついたままだと形が崩れてしまいます。
⑦ ④〜⑥を繰り返す(計6回)
この工程を6回繰り返すことで、どんどん丸くなっていきます。
【ポイント】
手が乾燥していると、ひび割れの原因に。濡らしたタオルで適宜手を湿らせながら作業しましょう。
⑧ 仕上げ用のどろを作る
残った荒木田土に少しだけ水を加えて、ペースト状にします。
⑨ どろを塗って仕上げる
指を使って、⑧のどろを薄く、均一にどろだんごに塗っていきます。
【ポイント】塗りすぎは禁物。とにかく薄く塗りましょう。
⑩ 牛乳瓶の底で磨く
⑨のどろだんごに、牛乳瓶の底をあてて回しながら磨いていきます。
円を描くように瓶の底を大きく動かして、どろだんご全体を360度まんべんなく磨きましょう。

【ポイント】
瓶の底が汚れているときは、きれいに拭き取ってから磨いてください。瓶がスムーズにすべるように、少しだけオリーブオイルを塗ると、より磨きやすくなります。
完成!

しっかり乾かしたどろだんごは、まるで宝石のようにツヤツヤに。水に濡らさなければ、ピカピカの状態を半永久的に保つことができます。

自由研究にもぴったり! どろだんご先生が教えてくれた「発展アイデア」

■ 推しカラーで!どろだんご先生おすすめの「色つけアレンジ」
「ピカピカどろだんご」の作り方⑧の仕上げ用のどろに、アクリル絵の具を少しだけ混ぜると、色付きどろだんごが作れます。絵の具と水を加えてよく混ぜ、均一に色がつくようにしてから、指でやさしく塗ってください。
たとえば、青と白で地球、赤なら火星や土星っぽく。
キャラクターや推しをイメージした色でつくれば、自分だけの宝物にもなりますよ!

■ どろだんご先生直伝! 土を変えて実験してみよう
使う土によって、仕上がりの見た目も硬さも変わります。
九州なら火山灰の影響で黒っぽい土、関西は白っぽく、関東は赤土系など、地域によっても土の個性はさまざま。ホームセンターでもいろいろな種類の土が手に入るので、いろんな土で試してみてください。
「どの土が一番ピカピカになるか?」「強度に違いはある?」など観察すると、自由研究としてもとても面白いですよ!
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どろだんご先生いわく、どんなに同じ材料・作り方でも、100人いれば100通りのどろだんごができるのだそう。しかも、翌日以降も磨き続ければ、さらに輝きが増すそうですよ。
世界にひとつだけの、自分だけのどろだんご。ぜひ愛着を込めて、大切に育ててみてくださいね。
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お話を伺ったのは
1982年愛知県生まれ。土にふれる楽しさをもっと知ってほしいという想いから砂場研究家として、世界2700箇所以上の砂場をめぐり、公園・園庭・砂場づくりのアドバイス・プロデュースを全国各地で行う。また、土や砂ににふれるきっかけづくりとして、本気の砂場あそびのワークショップ・ピカピカどろだんごづくりのワークショップを全国各地で開催している。今までのワークショップの参加人数はのべ、3000人を超える。
2023年、子どもたちと公園の社会課題に取り組む「SUNABANASHI」をスタート。
キャンプインストラクター・防災士の資格も所持しており、公園×アウトドア×防災についても情報発信をしている。
SDGs目標14. 「海の豊かさを守ろう」目標15.「陸の豊かさも守ろう」に配慮し、廃棄される川砂を再利用した砂場づくりを推奨している。
HP SUNABA inc.
Instagram @dorodango_sensei
X @sunaba_asobi_
取材・文/篠原亜由美 撮影/横田紋子 どろだんごの作り方撮影(学習雑誌「小学一年生」より)/タナカヨシトモ
