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SNSやYahoo!の記事で話題の〝お弁当パパ〟kuratabaさんって?
――kuratabaさんは現在、ブログやSNS、Yahoo!ニュースなどいろんなところでお弁当を公開されていますね。どのように製作されているのでしょうか?
kuratabaさん:長女の中学進学を機にお弁当作りを始めてから、いつしか趣味となり、ブログやInstagramなどに投稿するようになりました。Yahoo!ニュース エキスパートのクリエイターに登録してからは、定期的にYahoo!ニュースにも配信されるようになり、多くの方々に見ていただけるようになりました。
写真や図表はすべて自作で、写真は手持ちのiPhoneで撮影、図表は画像編集ソフトで製作しています。本職は長年マーケティング関係で、飲食とはまったく関係ありません。
現在、娘2人はともに大学生なのでお弁当を作る必要はなく、たまに嫁さん用や自分で食べる用に作っています。最近では、Yahoo!ニュースやInstagramなどに定期的に記事をアップするために作ることも多いです。
お弁当作りのきっかけ
――そもそも娘さんのお弁当作りを始めた理由はどんなことだったのですか?
kuratabaさん:長女が中学校に入学したらお弁当がいるという話になったときに、嫁さんと長女が2人並んで「お弁当、誰が作る?」と聞いてきたんです。私ははなから作る気でいたので、「俺が作るよ」と即答しました。もともと家族の食事は、夫婦や同居中の親で分担して作っていたので、料理をすること自体、特に違和感はありませんでした。
また私自身、幼い頃から子どもが大好きで「自分の人生のメインイベントは子育てだ」と思っていたくらいでして。娘が生まれた後も、会社勤務だったのを在宅勤務のできる仕事に変えるほど、子育てに積極的に関わってきました。
だから、子どもの世話をしているのが幸せで仕方がないんです。特にちっちゃい頃は可愛いじゃないですか。朝ご飯を食べさせて、保育園に連れていって、晩御飯を食べさせて絵本を読み聞かせて、お風呂に入れて、寝かせてと、嫁さんや親も含めて交代しながらやっていました。
正直、当時はそれがいちばん楽しかったですね。もう一回やってもいいと思うくらい、子育ては好きです。
お弁当作りのコツと工夫

――kuratabaさんのお弁当は、彩り豊かで盛り付けも細かくてきれいですよね。ぜひコツや工夫している点を教えてください。
おかずはメインと副菜のメリハリを意識
kuratabaさん:おかずはメイン(主菜)と副菜のメリハリをつけることを念頭に置いています。
最初のうちは、「品数が多ければいいんじゃないか」と思っていたのですが、ごちゃごちゃしているだけでそれほど見映えはよくならなくて。
そこでメインのお肉やお魚をドーンと置いて、その脇を囲むように副菜を3品か4品、ポンポンと詰めてやると見映えがよくなることに気付いたんです。
ご飯とおかずの比率は「3:7」か「4:6」
kuratabaさん:3~4割が白ご飯で、7~6割がおかずになるように詰めています。
混ぜご飯やチキンライスなどのご飯ものがメインとなる日は、ご飯のスペースをぐっと広げて6割程度にして、おかずを4割程度にしています。
ひと口サイズにする
kuratabaさん:お弁当なので、入れるスペースが少ないこともあってひと口サイズにすることが大事です。お皿に盛るような感覚で作ってしまうと収まりが悪くなるので、ひと口サイズに作ったり、切ったりしています。
詰め方パターンを決める
kuratabaさん:ある程度、詰め方のパターンを決めておくと迷うことなく詰められます。また空間が狭いので、箸やフォークで丁寧に詰めるよう心がけています。
彩りは「赤・緑・白」を意識
kuratabaさん:彩りが出るよう、「赤・緑・白」を入れるよう意識しています。赤と緑だけでなく、白があることで色鮮やかに見えるものです。ですから白ご飯はとても大事。その存在が他の色を引き立てます。
また、赤でも暗い色だとあまり見映えが良くならないので、色の明るさにも気をつけています。
お弁当箱の選び方と「曲げわっぱ」の魅力

――お弁当箱は曲げわっぱが多いですね。これにはどんな理由があるのでしょうか?
kuratabaさん:最初は普通の弁当箱で作っていたのですが、曲げわっぱで試してみた途端、見映えが1.5割増しくらいになった気がしたんです。そのほうが作っていて楽しいですし、やる気もわく。写真をInstagramに上げるという意味でも、曲げわっぱに変えました。
ただ当初、次女は「昭和っぽいお弁当箱」と嫌がってましたけどね。高校生になってからはおしゃれに見え始めたのか、受け入れてもらえるようになりました。
とはいえ、曲げわっぱは思っているより細長いので、詰めるのに独特の計画性が必要で、慣れるまで苦労しましたね。
娘たちからはスープジャーのメニューをリクエストされることも多かったのですが、スープジャーと曲げわっぱではうちのお弁当バッグに収まりません。そこで、スープジャーと一緒にお弁当バッグに収まる丸型弁当箱を使うようになりました。
ポイントは「作業」にせず「自分が楽しむ」こと
――毎回、違うお弁当を作り続ける秘訣を教えてください。
kuratabaさん:同じお弁当を繰り返さないよう意識しているのは、まず自分自身が飽きてくるからです。
飽きてしまうと作るのが「作業」になってしまい、どんどんつらくなってきてしまいます。自分が楽しめないとダメだなと思っているので、毎回、ちょっとした新しいチャレンジをするようにしています。
例えばInstagramで見かけた、きれいだなと思うお弁当のアイデアを取り入れてみようと思うと、ちょっとワクワクするんですよ。またInstagramではフォロワーさんとのやりとりもあるので、同じものを作ると面白くないかなと考えてしまうんですね。
それもあって、できるだけ同じお弁当は作らないようにしています。作っても2年、間を空けるなどしています。ただ、娘たちには牛丼やうどんなどのお気に入りのメニューがあるので、リクエストが来たら、問答無用で作るようにしていました。

お弁当作りは子どもへの愛情と自分が楽しむことが大事!
kuratabaさんのお弁当作りへの情熱と工夫と共に、お子さんへの愛情、SNSの情報発信者としての職人意識など、大事なことがたくさん伝わってきましたね。
特に「自分が楽しむ」スタンスが、誰もが見て惹かれるお弁当を作り続ける秘訣であるようです。毎日のお弁当作りがしんどくなっているなら、ぜひ意識してみてください。
▼kuratabaさん自選の「マイベスト弁当」はこちら!
お話をうかがったのは

岡山県倉敷市在住。2016年4月、長女の中学校入学を機にお弁当作りを始め、作り続けているうちに、すっかりお弁当作りが趣味に。ブログやSNS、Yahoo!ニュース エキスパートのクリエイターとしての記事投稿を通じて、日ごろのお弁当の記録を綴っている。Yahoo!では「ベスト エキスパート 2025」のグランプリ〈趣味・生活領域クリエイター部門〉を受賞。
構成・文/石原亜香利