【入園直前】子どもが集団生活に慣れるために親ができること。声かけ法や親離れのコツをマナー講師が伝授!

日差しも暖かくなり、入園までもう少し。入園に必要な服や小物の準備は進んでいらっしゃいますか?必要なものを揃え準備万端にすることも大切ですが、もう一つ準備をしていただきたいことがあります。それは園生活を送る子どもたち自身の準備を整えてあげること。今日は園生活が始まる前までに子どもに伝え、身に付けてあげたいことについてお伝え致します。

子どもが集団生活に慣れるために親ができることは?

幼稚園や保育園がどのようなところか、様子が分かる親にとってみれば“同じ年ごろのお友達がいて楽しいよ”と分かります。しかし、子どもにとってはどうでしょう。生まれてからいつも一緒に居てくれたママやパパと離れる生活が始まるため「期待」よりも最初は「大丈夫なの?」という不安の方が大きいかもしれません。そんな不安を取り除くためにまずコミュニケーションに必要な言葉や情報を教えてあげると不安が少し軽くなりますよ。

先生やお友達との関わりをシュミレーションしてあげよう

園生活では、先生はもちろんのこと、お友達との関わりが生まれます。今まで家の中で自分だけのために用意されていたおもちゃや絵本も、園では皆で同じものを使うようになります。遊びたい遊具が同じで、どうしていいか分からないということも起きるでしょう。

今までは親も一緒に行動していたので、先回りして言葉を選んであげていたかもしれません。しかし園生活では子ども自身で判断し、相手に言葉を伝えなければいけません。判断すること、伝えることがスムーズにできるように、まずは家の中のやり取りや、ごっこ遊びで練習してみましょう。

ママ・パパとのやりとりで「ありがとう」「ごめんね」とはっきり伝えるだけでも子どもが見て学ぶ効果、実際にやり取りすることで実践に繋がる効果があります。

特に入園前に練習したい言葉

「ありがとう」・・何かをしてもらったとき、嬉しい気持ちをつたえたいとき

「ごめんね」・・・わざとではなくても、相手のいやがる思いをさせてしまったとき

「貸して」・・・・自分が使いたいものをお友達が使っているものを自分も使いたいとき

「いいよ」「どうぞ」・・相手にOKの意思を伝えたり、譲り合う気持ちを伝える

「いいよ」じゃないときや「どうぞ」できないときは、どうしたらいいだろう?と子どもと一緒に考えておくと、代案を思いつきやすくなります。「○回やったら代るね」「一緒にやろうよ」こんな提案の言葉も言えると素敵ですね。

児童センターなど地域の施設の活用してみよう

コロナ禍だったこともあり、大人数の子どもと一緒に行動すること自体に慣れていない子もいます。いきなり園生活で十数名の子どもと過ごすこと自体に最初は興奮して疲れが出てしまうかもしれません。少しでも子ども同士の関りや、動きに慣れるために児童センターなどの施設を利用することもお勧めです。

コロナ禍で利用が制限されていた地域の施設も、だいぶ緩和措置が取られているようです。感染対策を行いながらイベントも企画されていますし、児童センターを利用する子どもたち自体も増えてきています。子どもの声がする環境に慣れるということも大切ではないでしょうか。

親と離れることに慣れるための2つのコツ

子どもが園生活を始めるときに、何が大変だったかを思い出してみると、送り届けて「バイバイ」「行ってきます」をするときでした。まるで一生の別れのように“置いていかないで”と泣き叫ぶ姿。

最初は心を痛めました。しかし思い返せば、今まで私が心配性だったせいで、遊ぶ時も食事の時もずっと子どもに付き添っていたせいかもしれない。私から離れることに慣れていなかったことも嫌がる原因かと思いました。

笑顔で園生活を送るには「親から離れても大丈夫だ」という気持ちが子どもの中にしっかり根付いていることが大切です。「ママやパパがいなくても自分は安全なところにいる」「ママやパパが必ず迎えに来てくれる」そういう見えない繋がりを子どもが揺ぎ無く心に持つことで安心して親から離れ、自分の世界を広げることができるのだと思います。そのために私が行ったことは2つあります。

①親がいつも見守っていることを感じてもらうこと

まず、練習のためにいつもと違う公園など“わくわくする気持ち”“知りたい気持ち”を持つ場所に連れていきます。いつもなら「ママ一緒に来て」と言われて一緒に行くところを「ママがここで必ず見ていてあげるから行ってきてごらん」と言って送り出す

行くことができたら、携帯も触らず、目線をそらさず(本当に見ているか確認が数回あります)しっかり見ていることを行動で伝える。そして満足して戻ってきたら「一人で行けたね!」と事実を言ってから、思いきり「ビックリした」「感動した」「成長したと思った」と気持ちを伝えました。
「偉いね」という言葉よりも“自分の行動がママ、パパを感動させられることができた”という気持ちに繋がる言葉をかけるよう心掛けました。

②時計の数字を使って“必ず戻ってくる”という気持ちを持てるようにする

時計はもちろんまだわからない年齢です。でも時計を見せながら「長い針が5のところになったら来るからね」といってきちんと5のところで姿を見せる。このやり取りを繰り返し“ママは戻ると言ったら戻るんだ”という気持ちの安定につなげました。最初の頃は戻れないかもしれない時は行わず、確実に出来るときに限り練習しました。次第に「戻れない時でも必ず連絡は入れる」など許容範囲を広げていきましたよ。

トイレトレーニングで子どもが園生活に自信が持てるように

子どもが園生活に自信が持てるには“子どもが園で快適に過ごせる方法”を身に付けさせてあげることではないでしょうか。綺麗な立ち方や座り方?いえ、それよりもっと園生活に深く関わることが先ですね。

子どもにとって初めての園生活は緊張の連続でしょう。大人の皆さんも、思い出してください。緊張したとき、どのような変化が身体に起きますか?お腹が痛くなって、トイレに行きたくなったりしませんか?子どもも同じではないでしょうか。ちょうど子どもにとってはトイレトレーニングが完了するか、しないかの時期でもあります。

個人差はあれど、先生にお手伝いされなくても自分でトイレができることは大きな自信に繋がります。私もトイレに好きなキャラクターを置いたり、出来たらシールなど工夫しましたが、一番効果があったのは一緒にトイレ掃除をしたことです。「トイレさん、いつもありがとう!今度○○ちゃんもお世話になるから宜しくね」と言いながら一緒にお掃除するのです。子どもにはスプレーをシュっとかけてもらって私がブラシをしたり、良い香りのお掃除シートで一緒に拭いたり。それはもう隅々まで。

怖いところではない、ということも分かりますしいつも掃除して触れることで愛着が湧くのか、家族が汚すと怒るようになりました。そこからトレーニングはスムーズに進み、汚しても自分で掃除もできるようになりましたよ。

入園は、子どもが自立するための大きな一歩になります。自信を持って進めるよう、サポートしていきたいですね。楽しい園生活となりますように。

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文・構成/赤名麻由子

赤名 麻由子

シニアマナーOJTインストラクター|キッズマナーインストラクター
一般社団法人マナーOJTインストラクター協会所属。資格取得後、保育園やカルチャーセンターにて子どもたちにマナーを伝える活動を行っている。二児の母

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