【御三家中学合格】1月受験は全滅…それでも「志望校は変えたくない」 2月受験で大逆転!「息子を信じてよかった」

私立小学校から他校へ進学を決意したKさんご一家。お話を伺う限り、とても順調に受験対策を進行してきましたが、秋以降に成績が伸び悩み、第一志望校である御三家中学の合格率は20%未満になったことも…。後編では、1月受験から受験終了までのエピソードを伺いました。

前編はこちら

【合格率20%未満から御三家合格】内部進学をやめて中学受験を決意。散々な成績でも平然としている息子に母は?
通っていた私立小学校との相性が合わず、中学受験に挑戦することに ――ご長男は大学付属の私立小学校に通われていたそうですが、中学受験を...

1月受験は2校とも不合格 それでも志望校は変えない!

――では、1月受験からお話を伺えますか? 埼玉の2校はどうだったのでしょうか。

Kそれが、2校とも不合格だったんですよ(笑)。

――それは大変でしたね。ただ、受験なさった2校は、お試し受験という偏差値レベルの学校じゃないですが。

Kええ、そうなんです。でも、私もショックでした。というのも、初めに受けた学校は、合否の結果とともに自分の得点と合格点がわかるんですが、息子の得点はとんでもなく合格最低点に届いていなかったんです。でも、1校目の時はその結果を知っても、息子は楽観的で、模試の時と同じく「本番じゃないから」という感じでした。続く2校目の不合格がわかった時は息子もさすがにショックを受けている様子で「へこむ~」と言ってました。

1月受験校は不合格…さすがにへこんだと言います(写真はイメージ)
1月受験校は不合格…さすがにへこんだと言います(写真はイメージ)

――そのとき、お母さまはどのような対応をなさったのですか?

Kこちらが落ち込んでいる様子を見せたり過度に慰めたりすることはせず、「こっから本気を出していこう!もうあとはないからやるしかないね」と明るく声をかけました。すると落ち込んでいたはずが「2月に受かればいいんだから」と言うわけです。メンタルが強いなと思いました。

でもじつは、私はそのあと陰で、第一志望の変更や、併願校の組み合わせも変えたほうがいいんじゃないかと模索し始めたんですよね(笑)。第一志望の変更は最後まで伝えませんでしたが、併願校の変更については、2月の受験直前に息子に提案したんです。でも、猛反対されまして(笑)。当初のまま2月1日を迎えました。

そして迎えた2月 第一志望への進学が決定

――ご心痛、お察しします。それで、2月受験はどんな形で終わられたのですか?

K2月1日の午前中に第一志望校を受けて、午後に、H校を受験。2月2日の午前に第二志望校を、午後にK校を受けました。そして、2日の午後にはH校の結果が出て合格していたので、わが家の受験は2日で終わることになりました。その後、2日の夜にはK校の、翌日3日には第一志望校と第二志望校から合格をいただき、無事第一希望校へ進学できることになりました。

――本当にお疲れ様でした。よい結果に終わって本当に良かったですね。おめでとうございます! 

Kありがとうございます。

自分を信じて最後までやりきった息子に救われた

――中学受験を終えられた、今のお気持ちをお聞かせください。

K合格できてよかったという安堵感がいちばんですが、「息子のメンタルに救われた」「最後まで息子を信じてよかった」という思いも強いです。

2月2日午後の受験中にH校の合格がわかったので、受験を終えて出てきた息子にH校に合格したことを知らせました。すると、ふだんはあまり感情を外に出さない息子が、雄叫びをあげて私に抱きついて喜んだんです。その姿を見たとき、「ああ、この子も平然として見えても心の中にいろんな思いを抱いていたんだな」と伝わってきました。そして、それを外に出さず自分を信じて前向きに取り組んだ息子はすごいと思いました。親の私の方が不安な気持ちを表に出してしまっていたので(笑)

普段感情を出さない息子さん、合格にとても喜んだそうです(写真はイメージ)
普段感情を出さない息子さん、合格にとても喜んだそうです(写真はイメージ)

K同時に「これから先も様々な壁や選択の機会があるだろうけれど、息子を信じていこう」という覚悟ができました。受験期間中に息子と揉めたときも心のどこかで、「この子は、最後までやるだろうな」と思ってはいました。でも、実際にやり切った姿を目の当たりにして、息子への信頼が確固としたものになった気がします。息子自身も、さらに自分のことを信じられるようになったんじゃないでしょうか。息子を信じて、最後まで一緒に中学受験を走り切れて本当によかったです。

きょうだいへのケア、夫婦間での役割分担が大事

――では、最後にこれから中学受験をする「HugKum」読者のママたちに向けて、アドバイスをお願いします。

Kもし、受験をするお子さんの下にごきょうだいがいらっしゃるなら、その子のケアが大事だと思います。わが家の場合は4つ下の次男がいるのですが、お兄ちゃんの受験のために家族旅行に行けなかったり、土日も外出できなかったり、テレビやゲームも控えさせたりと、辛抱させなければならないことが多かったです。

そのため、わが家では次男を夏休み中や冬休み中には、少し遠方にある夫の実家に1週間ほど預けて、面倒をみてもらっていました。また、本番で受験一色となる1月31日から2月2日の間は、近所に住む私の実家に預かってもらいました。結果として、私たち親は長男の伴走に集中できましたし、次男もおばあちゃんおじいちゃんに甘えてストレスなく過ごせてよかったと思います。

夫婦で得意、不得意を活かした役割分担を

Kそれと、夫婦間の受験における役割をきちんと話し合っておくことも大事だと思います。

わが家の場合、私がひとりで塾や学校説明会、学園祭などの情報を集めては受験の準備をしていました。でも、受験が迫ってくると私もストレスが溜まってきて、夫に「私も仕事をしているので、もっと分担してほしい」と文句を言いがちに。それで、6年生の途中に夫と話し合いました。そのとき私は、自分ひとりが考えていろいろ調べてあくせくと受験に臨んでいる気がして、本当につらかったんです。

夫婦の役割分担が大切だと教えてくれました(写真はイメージ)
夫婦の役割分担が大切だと教えてくれました(写真はイメージ)

Kでも、そのとき夫から「もし、今から僕が君のやっていることを分担しても、たぶん君は僕のやり方や、やったことに対して不十分に感じて、結局僕をフォローすると思う。そうすると余計ストレスになるだろうから、僕は足を動かすので、君は引き続き調べたり作戦を考えたりする役割をお願いします」と言われたんです。

夫のその言葉にとても納得して、そこからは思い切りがつき、私がそれまでの役割を担い、夫に塾の送り迎えや書類のコピー、さらには息子の息抜きに付き合うことまでも、遠慮せずにお願いできるようになりました。とことん話し合ったおかげで、役割分担に関するストレスはなくなり、受験に向かって進めるようになりました。

とかく、親は子どものことで無理にでも頑張りがちですが、何でもかんでもひとりで背負いこまないことが大事だと思います。誰もが得意不得意がありますから、それを活かして、夫婦で分担することが家族円満にもつながると思います(笑)。

夫婦の関係が穏やかでなくなると、子どもにも伝わるものなんですよね。実際、私も息子に「僕の受験のせいで、お父さんとお母さんが言い争いをしているのは嫌だ」と言われて、すごく反省しました。

――確かに中学受験は3,4年生から取り組むと長期戦ですから、家族みんなが気持ちよく過ごせるように配慮することが大事ですね。家庭がぎくしゃくしていては、受験する本人も集中して臨めませんし、志望校に進学できても、子どもたちの心にいい思い出として残らないのはよくないと思います。体験者ならではのご意見だと思います。このたびは本当に貴重な体験を話していただき、本当にありがとうございました。

前編から読む

【合格率20%未満から御三家合格】内部進学をやめて中学受験を決意。散々な成績でも平然としている息子に母は?
通っていた私立小学校との相性が合わず、中学受験に挑戦することに ――ご長男は大学付属の私立小学校に通われていたそうですが、中学受験を...

ほかの体験記もチェック

【3つ子の中学受験】まさかの全落ち。計15回の不合格を経験した息子たちは、医学部はじめ華麗なキャリアへ転身。母・島谷留美さん「受験はうまくいかなくてもいいと思っていました」
ハネムーンベイビーで3つ子! 妊娠20週から入院 ――3つ子ベビーって、珍しいですね。なかなかお子さんが生まれなくてようやく……、です...
「ママ、僕、塾に行きたいんだけど」望まぬ中学受験に巻き込まれる。軽い気持ちで塾に行かせたのが運の尽き・・・【シングルマザーの中学受験・奮闘実録|全寮制中高一貫校までの道のり】
中学受験… 本気でするの? 子育てっていうのは、本当に大変ですよね…。これは、親になった誰しもが、つくづく思うこと。実感としては「何一...

取材・文/山津京子

編集部おすすめ

関連記事