【発達凸凹の子ども達へ・まり先生の解決記】じっとしていられないけど…。刺激タンクをコントロールしてみよう!「マンガ あやまらなくていいんだよ 」

発達凸凹の子どもたちにとっての「人生っていいもんだな」「学校って楽しいかも」を追求してきた、特別支援学校・支援学級のまり先生(公認心理師)が、学校でのあるあるトラブルを、ユーモラスに解決するエピソードをご紹介!

発達凸凹の子たちの想い

トラブルメーカーに見える子の行動の真意や、やればできるのに怠けているように見える子の想い、大人には理解できそうにない強いこだわりの理由などを知ると、子育て中のイライラが、爆発する前にボヤ騒ぎくらいで済む場合があるんです。

クスッと笑える漫画を得意とするイラストレーター エイイチとコラボして、子育てに愛と笑いと「まぁいっか」を注ぎ込む『大喜利的エデュケーションマンガ』第8弾!

あやまらなければダメ?

目についたものは、気になっちゃうし、どうしても触りたくなっちゃう。慎重に考えるより先に、身体がうごいちゃうんだ。じっと座っていると、お尻がムズムズしてきたり、背中がムズムズして気持ち悪いこともあるんだよ。

 

天性の七転び八起き

慎重になりすぎて動けないより、とにかくやってみる行動派。興味津々で知りたいことばかりだから、吸収率も高いんだ。気がついたら、動きすぎて、突然電池切れになることもあるけどね。

なんでかな?

目に見えているものから「必要なものを選んで見る」「不必要なものを見逃す」力が苦手だったり、見ると気になって、『考えるより、先に動いちゃう衝動的な行動』をコントロールするのが苦手だったりすることもあるんだ。例えば、見たものが「気になる!」ってなると、「今見にいく?休み時間に見に行く?」などの選択肢を自分でつくれなかったりすることもある。

あとは、感覚が原因になることもあるよ。常に動いて身体に刺激を入れ続けることで、逆に集中して活動に参加できたり、話を聞けたりすることもあるんだ。

じっとしていなきゃってのは、わかってるけど、止められないこともあるんだよ。

こうしてみるといいかもよ

刺激のマイナス(ー)とプラス(+)の必要な場面やバランスを意識してみよう。ひとりで考えたり、作業したりするときは、視覚情報を排除したり制限したりするためのマイナス(ー)を意識。机を衝立で囲んだり、視覚情報が少ない壁に向かって作業するのもいいね。

また、ムズムズして動きたい子には、静の活動前に身体を動かして、刺激タンクをいっぱいにしておくプラス(+)を意識するといいね。刺激の種類によって反応しないようにゼロにしてしまうより、意外と刺激を入れてあげることも大事なんだ。必要に応じて、授業中にイガイガボールやふわふわハンカチを持つことを取り決めたり、椅子をちょっと揺らしても音がしないように椅子の脚にテニスボールをはめて防音したりして、刺激を保証をしてあげてもいいよね。

公認心理師・松尾まりか先生が解説

1日6時間硬い椅子に座る子どもって凄い

「子どもは学校で座って授業を受けることが当たり前」だと思っていませんか?小学生でも小一時間座り続けて、1日6時間授業。それが、毎日あるわけですよ。そもそも、なぜ、じっと座っている授業なんでしょう。世界には、いろんな授業スタイルがあって、床の上で勉強していい国もあれば、どの席でも勉強していい国もあるし、立って学習した方が集中力がアップすると”スタンディングデスク”がある国もある。

そんななか、日本は、座って、前を向いて、黙って話を聞くことが評価される。日本に住んでいる以上、しょうがない部分はあるけれど、だからと言って、じっと黙って聞く子だけ評価されるのはナンセンスじゃないかしら?と思ってしまいます。前例や大人の当たり前だけを押し付けるのではなく、いつも子どもにとって最適な環境をつくる努力や試行錯誤をして、変化成長していく背中を大人が見せたいものです。

そんな思いを前提にもちながら、じっとしていられない子どもたちの立場になって考えていきましょう。

ポイントは動かなくなったときの声かけ

クラスのRちゃんは、興味のあることであれば凄い集中力を見せますが、常に動くことで発散していないとムズムズする子でした。学年が上がるにつれ、立ち歩きも少なくなっていましたが、感覚入力欲求があり、身体を動かしていることでバランスをとって、授業に参加していました。ずっと観察していれば、立ち歩いていても「きっと2周したら戻ってくるだろう」と予想がつき、さほど言葉をかけることはありません。それでもテンションが上がり動き続ける場合は、危険かもと感じる時以外、動きを目で追いつつ、声をかけるタイミングを見計らいます。ポイントは、一瞬、身体や眼球の動きが止まる時!その一瞬に、「Rちゃん、座るよ」と笑顔で視界に入って、椅子を指差しながら伝えます。

どんなにキョロキョロして落ち着かない子でも、一瞬止まる瞬間があるんですよ。そのときは、脳がひと休みして、声かけが入りやすいチャンスなんです。視覚優位の子が多いので、必ず視界に入ることや名前を呼ぶことで気づきやすくなります。また、じっとしていられない子は、動きが派手な分、怒られることが多くて、大人に話しかけられると「また怒られる!」と素直に聞き入れづらいことがあるので、笑顔+まぁるい声で話しかけて、ハードルを下げ、指示を聞きやすい環境をつくるんです。

できれば、じっとしてない姿を『減らす』と考えるのではなく、座っている姿を『増やす』という考え方をベースにもちたいです。ですから、対処療法より、椅子に座っているときやゆっくり休憩している姿を見つけては、「今日◯分座ってたじゃん!」「リラックス姿もすてきね!」と小躍りとグッジョブサインで大人の嬉しい気持ちを伝え、良い姿を増やしていきたいですね。

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前回のお話はこちら

【発達凸凹の子ども達へ・まり先生の解決記】文字が上手に書けないけど…。自分のやりやすいを見つけてみよう!【マンガ あやまらなくていいんだよ 】
発達凸凹の子たちの想い トラブルメーカーに見える子の行動の真意や、やればできるのに怠けているように見える子の想い、大人には理解できそうにな...

原作

松尾まりか|特別支援学校教員資格・公認心理師
日本と海外の特別支援学校で14年間勤務した後、特別支援学級で勤務。児童発達センターの指導員、乳幼児の発達相談員と、教育界と福祉界を渡り歩きつつ、発達が気になる子と関わる教員、支援員、高校の寮のハウスマスター向けに、すぐに実践できる研修も行う。モットーは、子どもたちの 『人生っていいもんだな、おもしろいな 』を増やしたい。小学校・幼稚園・特別支援学校教員資格・公認心理師。

企画構成イラスト

エイイチ|イラストレーター
テレビや書籍にて漫画、挿絵、芸能人の似顔絵を描いているほか、学校の教材アニメーションを制作したりするなど、多様なコンテンツを手がける。著書に「見えないボクと盲導犬アンジーの目もあてられない日々」(小学館)「スキンヘッドパパの育児日記」(日経BP)など。東京都生活文化スポーツ局「パパズ・スタイル」にて子育て漫画を連載中。

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