【おうちでできる!食の自由研究】液体が一瞬で消える!太田さちかさん直伝の不思議ドリンクレシピに挑戦してみよう

科学の視点からスイーツ作りを楽しめる「サイエンススイーツ」には、「色が変わる!」「形が変わる!」「どうなってるの?」と、子どもが夢中になるワクワク要素がいっぱい。夏休みの自由研究におすすめしたい親子で試したくなるレシピを、HugKumで公開!教えてくれるのは、「世界一受けたい授業」でも活躍するサイエンススイーツの先生、太田さちかさん。
今回は、液体が消える不思議なドリンク2種類を教えてもらいました!

ココアパウダーが一瞬にして姿を現す!?

スプーン1杯のココアパウダーを……

牛乳に浸けて……

そっと引き上げます。

楊枝(竹串)で表面を刺すと……

一瞬で液体が消えて、ココアパウダーに戻りました!

この現象を動画で見る

「え?今のなに?」「どうなってるの?」「液体が消えた!?」「粉が急に出てきた!?」…

SNSでも密かに賑わっている、この現象。
『牛乳に浸されたココアパウダーが、一瞬にして姿を現す不思議』

今回は、そんな不思議を身近なドリンクレシピ2種類と合わせてご紹介します。現象そのものも楽しいのだけど、「どうしてこうなるの?」その理由を理解できるともっと楽しい。そうすると、いろんなレシピにバリエーションを広げていくこともできるのです。

ご自宅で、ご家族で、サイエンススイーツを笑顔と一緒にお楽しみください。

手をつなぎ合っている、液体の「表面張力」

水や牛乳のような液体は、目に見えない小さなつぶが集まってできています。この小さなつぶは「分子」とよばれて、まわりの分子とくっつこうとする性質があります。いわば、お隣同士で手をつないでいる状態。

コップに水をなみなみと注いでも、こぼれないでコップの上に水が盛り上がるのは、水同士が一生懸命手を繋いでいるからなんですね。この働きを、「表面張力」といいます。

水の表面張力

ところが、この表面張力も外からしげきを受けると、つないでいた手がほどけて切れてしまいます。水がこぼれるのは、手がほどけてしまったから。

上で紹介した現象でも、同じことが起こっています。
ココアパウダーを覆っている牛乳は表面張力を保っているけれど、楊枝を刺して刺激を与えると分子のつながりが切れて表面張力が働かないところからさ〜っと一瞬にしてこぼれ落ちる。液体が消えたように見えます。その代わりに、下にあったココアパウダーが姿を現した。というワケなんです。

ポイント:粒子の細かなパウダー

ココアパウダー

それから、牛乳をひたすのに「粒子の細かなパウダー」であることも大切。粒子が大きいと牛乳が染み込み、液体と粉が混ざり合ってしまいます。

ココアパウダーや粉砂糖、コーンスターチ、片栗粉など液体と混ざりにくいパウダーを用いると、先の動画のような現象を確認することができます。

液体が消えた!?不思議ドリンクレシピ2種

動画の現象を取り入れた、ドリンクレシピを2つご紹介します。

ホットミルクココア クレーム

材料( 1人分)

牛乳 200ml
ココアパウダー 小さじ2杯
グラニュー糖 小さじ1杯
ホイップクリーム 大さじ1

作り方

1. マグカップに牛乳を入れる。ココアパウダーを小さじに盛り、一度マグカップの牛乳にくぐらせて取り出す。ココアパウダーに牛乳の膜が張っている状態になる。楊枝で牛乳の表面を刺したら、表面張力が切れて流れる様子を観察できる。

2. 1の観察ができたら、ココアパウダー2杯目とグラニュー糖を加える。電子レンジ600w 1分30秒加熱。取り出して、スプーンでココアパウダーとグラニュー糖が溶けるまでよく混ぜる。

3. 2にホイップクリームを加える。

きなこミルク シナモン風味

材料 (1人分)

牛乳 200ml
きなこ 小さじ2杯
粉砂糖 小さじ1杯
シナモンスティック 1本

作り方

1. マグカップに牛乳を入れる。粉砂糖を小さじに盛り、一度マグカップの牛乳にくぐらせて取り出す。粉砂糖に牛乳の膜が張っている状態になる。楊枝で牛乳の表面を刺したら、表面張力が切れて流れる様子を観察できる。

2. 1の観察ができたら、きなこを加える。電子レンジ600w 1分30秒加熱。取り出して、スプーンできなこと粉砂糖が溶けるまでよく混ぜる。

3. シナモンスティックを添える。

「表面張力」のおもしろさを探究してみよう

サイエンススイーツで「表面張力」の体験はいかがでしたか。表面張力は、暮らしの至るところでその現象を目の当たりにすることがあります。お風呂で、レストランで、キッチンで、そんな時にふと思い出して探求してみてください。

今回使ったパウダーは、ココアパウダーと粉砂糖。他にも、ご自宅にどんなパウダー状の食材があるか実験を応用して広げてみてください。

粉砂糖(左)とココアパウダー(右)

自由研究レポートには、「研究テーマ」や「テーマを選んだ理由」「調べたこと」「分かったこと」「感想」「味や見た目、食感、色、形など五感で感じたこと」を書いてまとめてみましょう。特にサイエンススイーツでは、食べた時の味わい、香り、食感といった五感に耳を澄ますことが、そのお子さんの個性にもつながる醍醐味です。

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記事執筆

太田さちか
  • ケーキデザイナー、芸術教育士。フランスと日本で製菓を、京都芸術大学大学院で芸術を学ぶ。子どもとママのための製菓クラスやワークショップ「My little days」を主宰。子どもたちの興味や感性に寄り添う独自の世界観から提案している。かたわら、ウェディングやパーティ用のお菓子制作、雑誌やテレビ、Webなどで幅広く活躍。著書に「メレンゲのお菓子 パプロバ」(立東舎)「不思議なお菓子レシピ サイエンススイーツ」(マイルスタッフ)「太田さちかのサイエンススイーツ 魔法のおやつをめしあがれ」(文化出版局)などがある。

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