おもしろいとはどういうことか!?
そもそもおもしろいとは、一体どういうことなのでしょう。それがわかれば、漢字をおもしろがることができるかもしれません。いろいろな見方がありますが、そのうちの一つが、「予想できる」こと、だと思います。
勉強で言うと、「この公式を使ったらできるかも?」と思いついた瞬間や、仕事で言うと、新規事業や新しいアイディアを思いつき、「これはうまくいくかも?」と期待する瞬間があると思います。算数や物理の問題には、「予想できる」ことがつきものなので、この発見し検証する「おもしろさ」がつくりやすいのです。
ですが、漢字は反復練習、かつ、覚えているか覚えていないかという問題になるので、「予想する」というおもしろスイッチが作動しにくいのかもしれません。ですが、漢字を予想しながら楽しむ方法があるので紹介します。
それが、【成り立ち】です。
漢字の意味は予測できる!?
漢字は、約2500年前に生まれた表意文字です。つまり、意味が形に残っている文字となります。当時の人たちが、なぜその形に決めたのか、そこには理由があるはずですよね。イメージをふくらませながら漢字を考えた先人たちのことを想像してみましょう。
「先」とはどんな漢字?
たとえば、先という漢字を見てみます。
もともとの形は右のような形で、

上部はもともと足跡の意味を表す、”止”!
下部は、横向きの人を表す”人” です。

人の前に足跡がある
⇒ということは、誰かが行ったことがある
⇒先
先という漢字を、人の前の足跡で表すという、今のロゴデザインにもつながる秀逸な表現なのです。そして、下部の形は ”ひとあし”と呼ばれる部首です。
「光」とはどんな漢字?
先、の考え方を使うと他の漢字の見方も変わってきます。光という漢字を見てみましょう。
下部は、”ひとあし”であるので、人を表すはずですよね。

ということは、こう推測もできるのではないでしょうか。人が、電気もない約2500年前に、何かを使って光を作っていた、その暮らしがこの漢字に秘められているはずです。
そうして見てみると、ある漢字が浮かび上がってきませんか?

そう、それは”火”なんです。

“ひとあし” を使っているものは、他にも
元気の元
兄弟の兄
充電の充
などがあります。知らない漢字に出合った時に、「これ、もしかしてもともと、人が何かをしていた姿なのではないだろうか?」と予測することで、知らない漢字を知ったときに”おもしろい”と思えるスイッチが入るかもしれません。
おすすめの漢字学習教材は?
化学を学ぶ「アトモン」や漢字を楽しく学ぶ「カンジモンスター」などを開発する僕がおすすめする漢字学習教材を紹介します。
漢字なりたちブック(太郎次郎社)

カンジモンスターは、漢字の成り立ちから考えるおもしろ教材

「予測することでワクワク学べるのではないか?」そんな仮説のもとに出来上がったのが、カンジモンスターズというカードゲームです。これは、もともとの漢字成り立ちをカードゲームにしたものであり、遊んでいくと、漢字の変形パターンが自然に身につくようになっているのが特長です。
もちろん、音から出来ている漢字も多数あるので、この推測がすべて成り立つわけではありません。
ですが、漢字学習の一番の壁になっている「漢字が嫌い!」にならないために、クイズや謎解きの要素を加えるとお子さんも楽しめるかもしれませんよ。漢字は、拒否感があるかぎり、いくら教え込もうとしてもそれが壁になってしまいます。まずは、「おもしろい!」から始めてみましょう。
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漢字バトルカードゲーム カンジモンスターズ

楽しい漢字の学び方を教えてくれたのは

森本佑紀 | tanQ株式会社
文/森本佑紀 構成/HugKum編集部