【中学受験体験記2025】塾では上位クラス、算数がちょっと苦手でも成績も順調に推移。迎えた本番でまさかの結果に…?

中学受験をめぐるドラマは、唯一無二なもの。この4月から私立中学に入学し、元気に通い始めたけいくん(東京都在住/仮名/中1男子)のドラマについて、志望校選び、家庭での学習、受験スケジュールの組み立て、親として気をつけたことなどを、お父さんとお母さんが振り返ってくれました。

自然な流れで中学受験スタート

――中学受験をしようと思ったきっかけを教えてください。

けいくんのお母さん(以下、母):私自身も中学受験を経験しており、子育てをしている中で、なんとなく受験するかなって思っていたので、割と自然でした。

けいくんのお父さん(以下、父):私は地方出身で、中学受験の経験はなかったのですが、都会で生まれ育った今どきの子は中学受験するものだと知っていましたし、本人も、あまり違和感なく中学受験をするものだと思っていたようです。

――塾には行かれましたか? 塾選びのポイントも教えてください。

:私は、もともと子育てとか教育関連の本を読むのが好きでした。いろいろ情報を得るうちに、うちの考え方や方針と合って、理念に共感できる幼児教室が見つかり、そこに通わせていたんです。中学受験の塾も、その系列です。長男のけいが小学校にあがるタイミングで引っ越ししたのですが、引っ越し先に同じ系列の塾があるかどうか確認したほどでした。

:小学校3年生の最初から週1回程度その塾に通っていて、4年生になるタイミングで本格的に受験の勉強に切り替わったという感じでした。

――お子さんと塾の相性はどうでしたか?

:低学年のときは、パズルとかゲームみたいなものを取り入れた学習があって、楽しかったようです。それに、うちの子はクラスを盛り上げるタイプだったそうで、塾の友達とも馴染んでいたようです。

成績の推移は順調!塾でも上位クラスに

――成績の推移は順調でしたか?

:もちろん、模試の成績で上がったり下がったりはしていましたが、あまり大きな振り幅はありませんでした。塾では一番上のクラスにいたんですが、Y偏差値(四谷の模試)だと、54~ 60ぐらいを行ったり来たりという感じでした。

――お子さんの苦手な教科と得意な教科は? 苦手科目に対しては、何か対策をしましたか?

:読書が好きな子なので、国語は得意でした。理科、社会もまずまず。算数は、ちょっと足を引っ張っているかな…という感じでした。結局、算数は最後まで成績がふるわず、受験が迫ってきた時期、ラスト3か月ぐらいから、私の知り合いのとても算数ができる人に勉強を見てもらって、テコ入れをしました。

成績は安定していたそう(写真はイメージ)
成績は安定していたそう(写真はイメージ)

――模試の結果に一喜一憂する親も多いようですが、模試の成績は気になりましたか?

:正直、「このテストの結果、どうなの?」「マズイよね」と思うこともありましたが、なるべく言わないように意識していました。

――家庭での学習のサポートはいかがでしたか?

:あまりしなかったですね。中学受験は親子の共同作業だと聞いているし、実際、お父さんが会社をがっつり休んで、一緒に過去問解いたという体験談も耳にしたこともあります。でも、自分にはとうていできないと思いましたし、うちの方針としてはそこまで無理をする必要はないという考えだったので、学習面は塾にお任せしていました。

塾でしっかり勉強して、家ではリラックス のびやかな受験生生活

――学習面以外で、お父さんとお母さんはどのようにサポートしていましたか?

:私はお弁当を担当し、夫がお迎えのサポートをしていました。塾ですごく頑張って勉強してきているので、せめて家ではリラックスできるように、雑談するとか…。子どもが安らげるような良好な関係でいられるように気を配っていました。

――生活リズムはどうでしたか?

:受験生だからといって、特に生活リズムが崩れたりはしませんでした。塾がある日だけ、就寝が11時になることはありましたが、平日はもう9時半には絶対寝ています。朝は7時半までぐっすり。よく寝る子なんです。

お母さんが作ったお弁当
お母さんが作ったお弁当

――日付を超えるまで勉強する子も多いようですが…。

:そこまでさせるのは、うちの考えとしてはなかったです。確かに、もっと睡眠時間を削ったり、家族旅行を控えたり、受験勉強以外のすべてを排除して勉強時間を確保すれば、もう少し成績は上げられたかもしれません。でも、中学受験でそこまでする必要はないかな…という思いがありました。

――勉強していたのはリビングですか?

:はい、基本的にはリビング学習をしていました。弟がふたりいるのでとても騒がしかったのですが、そういう環境の中でも、すべき勉強はしていたので、集中力がすごいなと感心していました。弟たちには「お兄ちゃんが勉強しているから、静かにね」と言うものの、男の子たちが静かにしていられるわけはなく、やっぱりガヤガヤとにぎやかでした(笑)。

――6年生の夏休みはやはり夏期講習一色という感じでしょうか?

:夏期講習にも通いましたが、家族旅行にも行きました。弟が習い事で全国大会に出場することになり、家族で京都に行きました。

――6年生の夏に家族旅行? 受験生を抱えたおうちとは思えないような…。

:まあ、勉強するときは集中して勉強していましたし、本人も「行きたい」と言っていたので。一応、教科書や参考書は持って行きましたが、結局ほとんど開かずでした(苦笑)。

“受験一色”にはせず、自然な状態を過ごすことを大切に

――6年生の2学期には、ピリピリした雰囲気になるおうちも多いようですが…。

:意識的に、追い詰めないようにしていたこともあって、特にピリついた雰囲気にはなりませんでした。

――受験生の親は、心配や不安が高じて、子どもを追い詰めてしまいがちですが、むしろ、お子さんの心身を大切に第一に考えてサポートされていて、素晴らしいですね。

:“日常”と言いますか、“自然な状態”を崩したくないなと思っていました。

:ラストの時期に算数のテコ入れをしてくださった方にも、「中学受験のおうちとはとうてい思えない。あまりにも日常的でびっくりした」と言われました(笑)。でも、それでよかったと思っています。思春期に入って親子の距離が出てくるのは自然なことだと思いますが、中学受験のせいで親子関係が悪くなるのは間違っていると考えていましたから。

元々の志望校はすでにA判定!さらに偏差値の高い学校を目指す

――志望校選びについて、親子の希望は一致していましたか?

:最初は違っていました。本人は、自宅からかなり遠いけど緑豊かなA校が第一志望。僕は、A校もいいけど、B校も気に入っていました。

――なぜB校が気に入ったのですか?

:説明会のときの先生のお話がとても面白くて、自分が学生だったら、ここで学びたいなと思ったんです。

――本人の希望は?

:都会の、いわゆる近代建築の校舎の学校には、全く興味を示しませんでした。A校もB校も、自然豊かな環境にある学校です。息子は、だんだんB校がいいなと思い始め、A校とB校、第一志望校が2校あるような感じでした。

――志望校はすんなり決まったのですね。

:実は最初はC校を目指していたのですが、C校は5年生の模試でも、6年生の4月の模試でも、すでにA判定が出ていました。親としては、受験本番に向けて、本人の学習に対するモチベーションを上げたいという思いがあり、より偏差値の高いA校やB校も視野に入れて志望校を決めました。学校の見学にも10校くらいは行ったと思います。

絵馬を書くけいくん
絵馬を書くけいくん

――大学附属校の人気が高いですが、附属校は考えられましたか?

:自分たちが附属の出身ではないということもありますが、あまり大学附属校に興味がなくて、附属校ではない学校を選びました。大学は、息子が自分で行きたい大学を選べばいいと思っていますから。

――塾からのアドバイスはありましたか?

:B校の対策講座を受講していたんですけど、過去問が三年連続で合格点を超えていたので、塾の先生からは「GO」と言われていました。親としては、12月の面談とかで志望校変更の話があるのかなと思ったんですけど、「あ、大丈夫ですよ」みたいな感じでした。

――成績も順調、志望校も決まり、さあいよいよ受験期に突入! 果たして、どんなドラマが待ち受けていたのか⁉ 後半に続きます。

後編はこちらから

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取材・文/ひだいますみ

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