「保育園でポツンといることが多かった息子の小学校生活が心配」親としてできるフォローとは? 現役教師がアドバイス

月刊誌『小学一年生』に寄せられたパパママからのお悩みに、現役の小学校の先生がアドバイス。今回のお悩みは、人見知りのお子さんにお友達ができるか心配な親御さんからのご相談です。親としてフォローできることとは?

Q:おとなしい性格で人見知りをする息子。友だちができるか心配です。

息子はとてもおとなしく、保育園では騒がしくしている子たちの輪から離れたところにポツンといることが多かったようです。また、新しい環境に慣れるまでに時間がかかります。じつは息子が入学した小学校には、保育園の友だちが一人もいないのです。おとなしすぎる息子に友だちがいるのか、心配しています。親としてできるフォローがあれば教えてください。 (TOMOさん)

A:子どもの特性を認めることが大切。心配なら先生に相談しましょう。

保育園での集団生活の中で、息子さんはなぜ一人でいることが多かったのでしょう。友だちと一緒に遊びたいけれど、なかなか輪に加われないのか、あるいは、ただ単に一人で過ごすのが好きなのか。理由によって、対処の仕方は異なります。まずは、本人に聞いてみてはいかがでしょう。「保育園では一人でいることが多かったみたいだけど、どうしてなのかな?」と。それが難しいようなら、お世話になった保育士さんに聞いてみてもいいと思いますよ。

親御さん世代ですと、「友だち100人できるかな」と歌ったように、「友だちが多い=楽しい」という概念が少なからずあると思います。けれど、今の学校では「友だちは100人いなくてもいいんだよ」と教えています。それは、たくさんの友だちと遊ぶほうが楽しいと思う子がいる一方で、一人で過ごすのが好きな子もいるからです。

1年生の担任の先生は、子どもたちの様子をしっかりと見ています。例えば、休み時間に一人で静かに過ごしている子がいれば、その環境を壊さないように見守ります。また、友だちと外で遊びたい子が何人もいれば、「みんなで鬼ごっこしよう」と誘ったり、躊躇している子がいれば、「一緒に遊ぼう」と声をかけたりします。ですから、入学後に親御さんが気になることがあれば、先生に相談するのが一番だと思いますよ。

学校は、勉強だけでなく、集団生活を学ぶ場でもあります。グループ学習や給食班など、グループで行動する機会があるので、「一人がいい」という子でも、ずっと一人でいることはないのです。

それから、息子さんは「おとなしすぎる」と心配されているようですが、おとなしいことは決してマイナスなことではありません。「落ち着いている」といい換えれば、ガラリと印象が変わりますよね。それはその子の持っている特性なので、親御さんがしっかり認めてあげることが大切です。そうすれば、息子さんに接する気持ちも変わってくるのではないでしょうか。その上で、親としてできることは、息子さんの話に耳を傾けること。「今日は学校どうだった?」と、話をたくさん聞いてあげてくださいね。

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私がお答えしました

佐々木陽子先生 公立小学校教諭

低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育情報サイト『みんなの教育技術』に執筆も行う。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子どもたち各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

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イラスト/メイボランチ 構成/天辰陽子

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