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「発酵ごはん」の何がそんなにすごいの?
塩麹やしょうゆ醤の麹パワーがたっぷり摂れる発酵ごはん。下記のようなメリットがあります。
アミラーゼとプロテアーゼが消化を助け、野菜をおいしくする
麹の持つアミラーゼやプロテアーゼは、消化・分解・吸収を助けてくれる酵素。消化器官が発達段階の子どもにとって、体の負担を軽くしながら栄養の吸収率をアップする役割を果たしてくれます。
また素材本来のおいしさを引き出してくれる役目もあります。
アミノ酸が子どもの味覚形成をサポートする
発酵によって生み出される、天然の旨み成分のアミノ酸。子どもたちが発酵ごはんを食べることで、自然な旨みを知ることができ、正しい味覚形成にも役立ちます。
また幼少期は内臓の機能も発達段階にあるため、幼少期の塩分摂取量は大人がおいしいと感じる量の1/2〜1/3が目安。しかしアミノ酸の旨み成分で、塩分ひかえめでもおいしさを十分感じとることができます。
オリゴ糖で腸内環境を整える
腸内環境を整えるには善玉菌を増やすことがポイント。麹を摂ることで生み出されるオリゴ糖は善玉菌を育て、腸内環境を整えてくれます。
また子どもは免疫機能も発達段階。腸内環境が整うと、腸内の細菌が免疫機能をサポートしてくれるので、免疫力の向上にもつながります。
子育て世代にうれしい時短レシピ
塩麹で肉や魚を30分以上漬け込んでおけば、素材が柔らかくなり、本来の旨みもアップします。また野菜などでつくる副菜も、塩麹やしょうゆ醤を加えるだけで味が決まります。
発酵ごはんは大人も子どももおいしく食べられるので、作り分けしなくてOK。仕事や家事に忙しい子育て世代にはとっておきの時短レシピです。
しっとりジューシー! 塩麹でつくる「自家製ハム」
米麹、塩、水を混ぜるだけで、初心者でも簡単に作ることができる万能調味料・塩麹。市販のものだと原材料が気になるハムも、塩麹を使うことで家庭でも簡単に手作りすることができます。
※「減塩塩麹」の作り方は『親子でおいしい発酵ごはん』をご覧ください。
材料と作り方

- 材料(つくりやすい量)
- 豚肩ロース(またはヒレ肉塊)…300g
- 塩麹…大さじ4
- こしょう…少々
- ローリエ…1枚
- 作り方
- [下準備]豚肉は脂が多い部分があれば包丁で取り除き、ポリ袋に入れて塩麹、こしょうを加えて揉み込み、全体に行きわたらせる。ローリエを加えて空気を抜き、口を結んでひと晩、冷蔵庫に漬けおきする。
- 1 調理する1時間前に常温に戻し、ポリ袋のまま炊飯器に90℃のお湯と一緒に入れ蓋をして、保温モードで3時間保温する。
- 2 袋ごと冷水に取り冷やす。
- 3 子どもの月齢に合わせて、食べやすい薄さにスライスする。ラップして冷蔵庫で保存し3日以内に食べ切る。
簡単エンタメメニュー! しょうゆ醤 でつくる「手巻き寿司」
醤油よりもまろやかで旨みのあるしょうゆ醤。好きな具材を巻いて家族みんなで楽しく食べられる手巻き寿司。ぜひしょうゆ醤で味わいましょう!
※「減塩しょうゆ醤」の作り方は『親子でおいしい発酵ごはん』をご覧ください。
材料と作り方

- 材料(3人分)
- 温かいごはん…500g
- A
- 米酢…70㎖
- ホワイトバルサミコ酢…30㎖
- (またはリンゴ酢30㎖にはちみつ小さじ1を混ぜたもの)
- 塩…ひとつまみ
- 好みの刺身…適量
- しょうゆ醤…適量
- 海苔(半切り)…20枚
- きゅうり…1本
- 卵…2個
- 甘酒(市販の濃縮タイプ)…小さじ2
- ※市販の場合、米麹のノンアルコールのものを使用、『親子でおいしい発酵ごはん』にもかんたん甘酒の作り方が掲載
- 米油…小さじ1
- 作り方
- [下準備]お好みの刺身にしょうゆ醤を塗り器に盛る。食べる30分前に塗っておくとよい。
- 1 温かいごはんにAを加えてよく混ぜ、酢飯を作る。
- 2 きゅうりは3等分の長さに切り、縦に6〜8等分に切る。
- 3 [厚焼き卵]ボウルに卵を割り入れ、甘酒を加えてよく混ぜる。油を馴染ませたフライパンに卵を流し入れ蓋をして弱火でじっくり蒸し焼きにする。まな板に取り、きゅうりの長さに合わせて切る。
- 4 海苔に酢飯をのせ、お好みの具材を巻いていただく。
発酵調味料が食育の決め手!『親子でおいしい発酵ごはん』
発酵料理教室「神楽坂発酵美人堂」店主、清水紫織さんが子どもと一緒においしく食べられる簡単発酵ごはんのレシピを紹介。本書は離乳食が終わった1歳半の幼児からすべての人が対象。いつもの調味料を発酵調味料に変えるだけで、素材本来の味を知ることができ、子どもの正しい味覚を育ててくれます。
肉や魚などメインのおかず、野菜の副菜、「減塩塩麹」「減塩しょうゆ醤」だけでなく、子どもが大好きなケチャップやカレールウをつかった発酵調味料の作り方も紹介しています。

砂糖不使用の発酵スイーツにも注目!
本書では甘酒やみりん、ヨーグルトなどを使ったヘルシーなパフェやアイスといったスイーツも紹介。下画像は甘酒を使ったバナナ米粉クレープとかぼちゃとメープルのプリンのページ。

また小豆に乾燥米麹とデーツを使った発酵あんこ、炊飯器かヨーグルトメーカーでつくるかんたん甘酒レシピも掲載。砂糖が入っていないのに甘い発酵スイーツ、ぜひお子さんと一緒につくってみてください。
『親子でおいしい発酵ごはん』発売記念イベント開催!
7/27(日)、『親子でおいしい発酵ごはん』の発売記念イベントが東京・麻布台ヒルズの大垣書店で行われます。著者の清水紫織さんと本書にも登場している食育スペシャリストのとけいじ千絵さんによるトークショー、掲載レシピの試食や発酵調味料を仕込むデモンストレーションなど、内容盛りだくさんです。
お申し込みなどくわしくは下記URLでご確認ください。
https://www.books-ogaki.co.jp/post/60496
著者紹介
清水紫織(しみず・しおり)
発酵料理教室「神楽坂発酵美人堂」店主。J.S.A.ソムリエ。妊娠をきっかけに自身のアレルギーについて学ぶなかで、腸内環境を整える重要性に気づき、発酵食品の魅力を知る。東京農業大学醸造科学科で学びながら2015年に発酵料理専門の料理教室と食品ブランド「神楽坂発酵美人堂」を立ち上げる。2023年から山梨県甲州勝沼にもアトリエキッチンを作り、都内でのレッスンに加えて2拠点生活をスタートしている。2児の母。著書に『はじめてでも、とびきりおいしくなる!発酵料理のきほん』(朝日新聞出版)などがある。
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構成/国松薫