【中学受験合格祈願】京都・天満宮でたどる合格祈願の道|運気を高める学問のパワースポットガイド〈後編〉

まもなく、中学受験本番。本記事では、受験生に代わって合格を願い、HugKum編集部の記者が「洛陽二十五社」と呼ばれる京都の天満宮を一社ずつ巡拝しています。遠くて足を運べないご家庭にも、祈りの時間をそっと届けられたら… そんな思いから始まった取材です。
前編では、菅原道真公が生まれ、学び、都を離れるまでの足跡をたどりながら、京都に点在する天満宮を巡りました。後編では視点を少し広げ、全国に広がる天神信仰の中心、北野天満宮をはじめ、さまざまな形で人々に親しまれてきた天満宮をご紹介します。

洛陽天満宮二十五社順拝とは?

洛陽天満宮二十五社順拝とは、学問の神様・菅原道真公とゆかりの深い京都市内の天満宮を順拝する風習のことです。全国に広がる天神信仰の原点ともいえる京都の地で、道真公の足跡をたどるように祈りを重ねていくことができます。

ただし、二十五社の構成や順拝順は時代や資料によって異なり、厳密に定められた霊場とはいえません。長い年月の中で、社が移されたり、廃社となったりしながらも、「道真公を想い、学びを願う心」そのものが受け継がれてきました。

今回ご紹介する順拝も、江戸時代の記録などを参考にしたものです。

全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社

京都・北野の地に鎮座する北野天満宮は、全国におよそ1万2000社あるといわれる天満宮・天神社の総本社です。菅原道真公を御祭神とし、天神信仰の中心として、長い年月にわたり人々の祈りを受けとめてきました。

⚫︎北野天満宮

京都市上京区にある北野天満宮は、学問の神様として親しまれる菅原道真公を御祭神とし、全国の天満宮・天神社のおよそ1万2000社の総本社とされる神社です。古くから「北野の天神さま」と親しまれ、学業成就・入試合格をはじめ、災難除けや文化芸能祈願まで幅広い信仰を集めてきました。

北野天満宮
北野天満宮

北野天満宮の創建は、平安時代中頃の947年。神様のお告げにより、平安京の「天門(北西)」にあたるこの地に道真公をお祀りしたのが始まりだと伝わります。

道真公が「学問の神」として信仰される背景には、幼少期から学びに励み、政治家としても優れた才能を発揮した道真公の歩みと、人々が長く祈りを捧げてきた歴史があります。

受験に臨むとき、ふと不安や迷いが胸をよぎることもあるでしょう。北野天満宮の境内を歩くと、何世代にもわたって人々が願いを込めてきた時間の重なりが感じられます。その長い祈りの流れの中で、いま自分もまた見守られているのだと、そっと気づかされるのです。

北野天満宮
国宝の御本殿
北野天満宮
取材をした1月17日には、もう梅がほころび始めていました。

⚫︎一之保神社

北野天満宮の境内にある一之保(いちのほ)神社で祀られているのは、菅原道真公が太宰府に残したと伝えられる手作りの木像。

一之保神社
一之保神社

その木像は、のちに都へと持ち帰られ、西の京に建てられた小さな社「安楽寺天満宮」で大切に祀られていました。明治になり、その安楽寺天満宮が北野天満宮の境内へ遷され、現在の一之保神社となったそうです。

「安楽寺」は道真公の墓所とされ、太宰府天満宮の起源とも伝わる場所。遠く離れても、思いを託し、学びを願う心がつながっていく… 一之保神社には、そんな静かな祈りの連なりが感じられます。

努力を重ねる日々は、すぐに形にならなくても、確かに積み上がっていくもの。一之保神社は、その歩みを信じ、そっと見守ってくれるような天神さまに感じられました。

【北野天満宮】 


住所:京都市上京区馬喰町

アクセス:京福電車「北野白梅町」駅下車、徒歩約5分 

HP:https://kitanotenmangu.or.jp

外国人から人気キャラクターまで幅広く愛される天満宮

街のにぎわいの中に溶け込み、外国人観光客に親しまれたり、キャラクターとコラボレーションして親近感を持って迎えられたり。天満宮は、実に多彩な表情を見せてくださいます。

ここでは、現代的な広がりを感じられる天満宮をご紹介します。親しみやすい佇まいの中にも、確かな祈りが受け継がれていることに、きっと気づかされるはずです。

⚫︎錦天満宮

京都随一のにぎわいを見せる錦市場のすぐそばに鎮座する錦(にしき)天満宮。多くの人が行き交う街の真ん中にありながら、心静かに手を合わせられる天満宮です。

錦天満宮
錦天満宮

このお社は、菅原道真公の父・是善(これよし)公の旧邸「菅原院」に由来し、のちに「菅公聖蹟二十五拝」の第二番に数えられた由緒ある天満宮。時代の流れとともに場所や姿を変えながらも、天神さまへの信仰は絶えることなく受け継がれてきました。

錦天満宮
御神牛と御本殿

現在の境内はコンパクトながらも、清らかな名水「錦の水」が湧き、知恵・学問・商才、そして災難除けの神様として、国内外から多くの参拝者が訪れています。親しみを込めて「錦の天神さん」と呼ばれる存在です。

錦天満宮は、がんばる受験生にとって、気持ちを盛り立ててくれる「応援団」のような場所に感じられました。

錦天満宮
左から錦天満宮の「進学御守」、大きな「必勝守」、「五角合格御守」、「勝守」。
錦天満宮
大願梅。
願い事を記したら、大願梅に入れて境内の「大願梅の樹」にご奉納。
願いは天神さまだけに届きます。

【錦天満宮】 


住所:京都市中京区新京極通り四条上る中之町537番地

アクセス:阪急電鉄「京都河原町」駅下車、徒歩約3分 

HP:https://nishikitenmangu.or.jp

⚫︎吉祥院天満宮

吉祥院天満宮は、菅原道真公が亡くなってから31年後の934年に朱雀天皇の勅命によって創建された天満宮だと伝えられています。

吉祥院天満宮
吉祥院天満宮

この地には、道真公の祖父・清公卿が祀った吉祥天女の由来があり、「吉祥院」という名もそこから生まれました。

境内には、道真公のへその緒を埋めたとされる「胞衣塚(えなづか)」や、少年時代に使ったと伝わる「硯の水」「鑑(かがみ)の井」など、幼少期の道真公を身近に感じられる場所が点在しています。

吉祥院天満宮
胞衣塚

現在の吉祥院天満宮には、天神さまとキティちゃんからのご神徳がいただける合格御守など、親しみやすい授与品も用意されています。

時代が変わっても、子どもたちの成長や学びを願う気持ちは同じ。そんな思いが、やさしい形で受け継がれているように感じられました。

吉祥院天満宮
拝殿

【吉祥院天満宮】 


住所:京都市南区吉祥院政所町3

アクセス:JR「西大路」駅下車、徒歩約15分

思わぬところに祀られている天満宮

天満宮というと、立派な社殿や広い境内を思い浮かべる人も多いかもしれません。けれど京都の町を歩いていると、思いがけない場所に、ひっそりと天神さまが祀られていることに気づきます。

ここでは、思わぬ場所に祀られている2社をご紹介します。

⚫︎小松天満宮(京都ゑびす神社内)

小松天満宮は、京都ゑびす神社の境内に祀られています。

京都ゑびす神社
京都ゑびす神社
本殿向かって右側にあるのが、小松天満宮。

京都ゑびす神社は「えべっさん」の名で親しまれ、商売繁盛の神様として多くの人が訪れる場所。そのにぎわいの中に、静かに天神さまが佇んでいます。

小松天満宮について詳しい由緒は伝わっていませんが、ゑびす信仰とともに、この地で大切に祀られてきたことは確かです。節目正しく、折れずに伸びる竹の笹に込められた願いは、学びに向かう姿ともどこか重なります。

小松天満宮
小松天満宮

【小松天満宮】 


住所:京都市東山区大和大路四条南

アクセス:京阪電車「祇園四条」駅下車、徒歩約6分
HP:http://www.kyoto-ebisu.jp

⚫︎阿波天満宮(若宮八幡宮社内)

阿波(あわ)天満宮は、清水焼発祥の地であり五条坂の途中にある若宮八幡宮社の境内に祀られている天満宮です。かつて若宮八幡宮の神領が阿波国(現在の徳島県)にあったことから、阿波の人々の信仰を集めるようになり、「阿波天神」と称されるようになります。

若宮八幡宮
若宮八幡宮社

遠く離れた土地からも、変わらず願いを託されてきた天神さま。阿波天満宮には、距離や時代を超えて「大切な一歩を見守りたい」という思いが連なっているように感じられました。

阿波天満宮
阿波天満宮

【阿波天満宮】 


住所:京都市東山区五条橋東五丁目480

アクセス:京阪電車「五条」駅下車、徒歩約10分
HP:https://wakamiya-hachimangu.jp

神仏習合で祀られている天満宮

天神信仰が広がっていく中で、天満宮はお寺とともに祀られてきた歴史もあります。神と仏を分け隔てなく敬う「神仏習合」の考え方のもと、学びを願う人々の思いは、さまざまな形で受け止められてきました。

ここでは、3社をご紹介します。

⚫︎千喜満悦天満宮(西念寺内)

千喜満悦(せんきまんえつ)天満宮は、西念寺内に祀られている天満宮です。御神体は、菅原道真公の一族繁栄を描いた絵図と尊像。その絵図は、道真公が右大臣に任じられ、一族が寝殿に列座することを許された際の、喜びに満ちた情景をもとにしたものと伝えられています。

千喜満悦天満宮
御神体である絵図。
真ん中が菅原道真公。
華やかな様子が伝わってきます。

あまりのうれしさに言葉を失い、自らの思いを絵に託した——その心情から、「千喜満悦」という社名が生まれました。数えきれないほどの喜びを意味する名には、努力が報われた瞬間の感情が込められているかのようです。

千喜満悦天満宮
千喜満悦天満宮

時を経て、千喜満悦天満宮は西念寺に守られ、今も大切に祀られています。積み重ねてきた日々が、いつか喜びへとつながりますように。千喜満悦天満宮は、受験生の未来に、そっと光を添えてくれるような存在でした。

千喜満悦天満宮
お社の中には「合格しました!」というお礼の手紙が並んでいました。

【千喜満悦天満宮】 


住所:京都市下京区五条通高倉角堺町
アクセス:地下鉄烏丸線「五条」駅下車、徒歩約5分

⚫︎紅梅天満宮(萬年寺内)

紅梅(こうばい)天満宮は、道真公が筑紫へと向かう途中、親族と別離した「別れの霊地」である萬年寺(まんねんじ)の境内に祀られている天満宮です。

自作の像が元々紅梅の木で作られていたこと、そして、道真公が形見として差し出した紅梅の枝をこの地にさすと見る見る花が咲き、四方に薫りを漂わせたことが「紅梅天満宮」の由来です。

萬年寺には、菅原道真公自作と伝えられるご尊像が大切に祀られていました。自作の像は博多で作られ、戦国時代に萬年寺へと安置されたそうです(その後、火災があり、現在の像は写しのもの)。

つらい別れや不安を抱えながらも前に進む——その姿は、受験という節目に立つ受験生の心にも、そっと寄り添ってくれるようでした。

紅梅社
紅梅天満宮

【紅梅天満宮】 


住所:京都市下京区本塩竈町526

アクセス:地下鉄烏丸線「五条」駅下車、徒歩約5分

⚫︎松風天満宮(松宿院)

知恩院の塔頭である松風(しょうふう)天満宮は寛永の頃、知恩院を中興した僧・松風霊議大僧正が、歌人・西行法師が感得したと伝えられる天神さまのご尊像を安置し、祈願したことに始まります。

松風天満宮
松風天満宮

境内には、宮家ゆかりの天神像もあわせて祀られ、学びを願う思いが重なり合っています。

祠の前に立つ狛犬は、迫力のある表情をしていますが、それもまた「しっかり見守る」存在。松風天満宮は、努力を続ける人の願いを受け止め、最後まで見届けてくれるような、力強さとあたたかさをあわせ持つ天神さまでした。

松風天満宮
松風天満宮
天神さまの前には、京都府下で一番恐ろしい面構えをした狛犬が控えています。

【松風天満宮】


住所:京都市東山区林下町406
アクセス:地下鉄東西線「東山」駅下車、徒歩約15分

おすすめのゆかりの深い神社

洛陽天満宮二十五社順拝をたどっていくと、時代の流れの中で、すでに廃社となってしまった場所もあることに気づかされます。今回の取材では、現在も参拝できる22社を中心にご紹介しました。

けれど京都府下には、この順拝に数えられてはいなくとも、菅原道真公と深いゆかりを持ち、今も大切に祀られている神社がいくつもあります。

最後に洛陽二十五社とあわせて訪れたい、道真公をお祀りした神社をご紹介します。

⚫︎生身天満宮

生身(いきみ)天満宮は、901年に全国にある天満宮の中で、唯一菅原道真公がご存命中にお祀りされた、日本最古の天満宮です。日本三大歌舞伎『菅原伝授手習鑑』に登場する武部源蔵が祀り始め、現在もその子孫が宮司を務め、千年の時を超えて祈りが受け継がれています。

生身天満宮
生身天満宮

901年、太宰府へ左遷された道真公は、京都・園部の役人であった源蔵に、八男・慶能君を託しました。源蔵は園部の地で慶能君を匿い育てながら、道真公の無事の帰りを信じて待ち続けます。

その思いから、源蔵は密かに祠を建て、自ら彫った道真公の木像を安置しました。まだこの世に生きている人を祀る「生祠(いきほこら)」。やがて道真公は太宰府で亡くなりますが、源蔵はその祈りを絶やすことなく、お祀りし続けました。それが、現在の生身天満宮へとつながっています。

信じて待つこと、祈り続けること。

生身天満宮は、結果が出るまでの時間もまた、大切な歩みなのだと、そっと教えてくれるような場所でした。

生身天満宮
拝殿では、まさしく合格祈願が行われていました。
生身天満宮の梅干し
境内天神山の梅を神職が漬け込み、心願成就のお祓いをした「合格梅」。
「食べて受験をしたら合格しました」という声が多数届いているそうです。
合格祈願のお守りや各種ご祈祷を受けるといただけます。

【生身天満宮】 


住所:京都府南丹市園部町美園町1号67番地

アクセス:JR嵯峨野線「園部」駅下車、徒歩約12分 

HP:https://www.ikimi.jp/index.html

最後に

前編・後編を通して、菅原道真公の足跡とともに、京都に息づく天神信仰をたどってきました。生まれ、学び、別れを経験し、そして人々の祈りの中で受け継がれてきた道真公の姿は、今を生きる私たちにも多くのことを語りかけてくれます。

受験は、結果がすべてのように感じられる瞬間もあります。でも、その日を迎えるまでに積み重ねてきた時間や努力は、すでに大きな意味を持っています。天神さまへのお参りは、その歩みを振り返り、心を整えるための時間なのかもしれません。

積み重ねてきた日々が、力となって発揮されますように。そんな願いを込めて、この天満宮めぐりを締めくくります。

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文・構成・撮影/ぐうとくじん(京都メディアライン)
『ちゃおプラス』で配信中の漫画『受験のカミサマ〜中学受験・合格へのオラクル〜』の原作を担当。著書に小学館ジュニア文庫『受験のカミサマ〜中学受験・合格へのオラクル〜』がある。京都市在住。

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